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ー全ての過ちー
幸せな夕景後の帰り道。レイヤが家に泊めてくれるそうなので私はその旨を親に連絡した。
「ふふ…」
私は幸せを抑え切る事が出来ない。一刻も早くレイヤの家に到着したい気持ちはどんどん高まっていく。
そしてついに私は「致命的」な行動を犯した。
振り返ればこれさえ無かったら、全てが上手くいったのに。
私は握っていたレイヤの手を離す。
「どうした?」
不思議そうに私を見つめるレイヤ。
「どっちが早く家に着けるか競争しよ!」
そう言った瞬間私は走りだす。こうすればレイヤの家到着までにかかる時間は大幅に短縮されるに違いない。
「ちょっ…ちょっと待てよ!」
レイヤは当然走り出した私を必死で追いかけている。私の為に必死になってくれてる姿を見ているだけでとても幸せだ。
私はレイヤの方に顔を向けながら走っている。
…それは束の間だった。
「危ない、止まれ!!」
突如顔色を変えて叫ぶレイヤ。何事かと思い立ち止まるももう既に遅かった。私はレイヤが叫んだ意味を身を持って知る事となる。
「……っ!!」
私の右から煩い音を出しながら、トラックが直撃した。
激痛が走り、一瞬で意識を失った。