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モノクロ世界、最後の君へ  作者: 流星さてらいと。
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ー最初で最後の体験ー

放課後、部活帰りの私はいつもどうり丘へと上り、夕日を眺めていた。これは最早、最近の日課になってしまっている。

「綺麗だな…」

空を橙色に染めながらキラキラと輝いている夕日は毎日見ていても飽きない。私が夕日を見ないの日なんてのはせいぜい雨で見れない時ぐらいだ。夕日を眺めていたら、何だか嫌な事全て忘れられる気がする。私は暫く無心になって空を見上げていた。

「あ…もうこんな時間…」

気づけば夕日が沈みかかり、門限の時間が迫ってきていた。急がなきゃ、私は腰を上げる。その時、背後に誰かの気配を感じた。私はすぐに感づく。

「レイヤかな?」

「ばれたか」

そう言って気配の主は私の前に現れた。私の予想通り、そこには付き合って半年になる彼氏、レイヤが居た。私の顔が熱くなる。

「どうしてここに?」

するとレイヤは笑ってポケットから何かを取り出す。

「…?」

ポケットから出てきたそれは、正方形の箱だった。

「何これ?」

「開けてみ?」

何だろう。言われた通りに箱を開ける。

「…っ!」

中身を見た私は固まる。その中には小さな指輪が入っていた。

「結婚しよう?」

結婚…?私は言われた意味を理解出来ないでいる。

「あ…っ」

気づけば私は口がレイヤの唇で塞がれ、暖かい体に優しく抱きしめられていた。ここで初めて言われた意味が解った。

「…はい」

私の目から涙が溢れ出す。こんなに嬉しい事、今まで無かったから。

「でも、俺達はまだ高校生だし、この指輪はお互いに成人してから渡すよ」

レイヤはそんなふうな事を言っていたんだと思う。でも幸せの絶頂に居た私にその言葉は入ってこなかった。

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