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アイノカタチ  作者: Cat noir
2/12

第2章 said 沙菜 1/3

あたしたちは高校生になった。


変わったことはあんまりない。


家族との関係。


昂との心の距離。


でも、少し変わったことがある。


それは・・・


ピーンポーン


(きた!)


「はーい!」


鞄をもち、走って玄関までいく。

靴を履き、ドアをあける。

自転車をまたぎ待っている人。

あたしの大切な人。

黒髪に、170cmと長身の彼。

ハーフの青い目をした彼。


「・・・おはよ。早くのれ。いくぞ」


「うん!」


昂の自転車の荷台にまたがる。

いつからか昂の後ろが当たり前になっていて、景色が、感覚が、風が。

これからもずっと・・・

そう、思ってた。


「もーつくぞ」


「うん」


昂に返事をして荷台から降りる。

自転車を昂がとめ、靴箱で靴を変え、何気ない話をしながら教室へ向かう。

昂が席についた瞬間に殺到するクラスメートたち。

あたしは自分の席について、昂たちを眺めていた。


「おはよ!」


そう、声をかけてきたのはクラスメートであり、高校での初めての友達。

成田 千里 (ナリタ チサト)

千里から声をかけてくれて、だんだん仲良くなった。


「おはよ!」


「さなぁー、英語の予習写させて?♡」


「いいよ笑」


鞄の中に入っていた英語のノートを千里に差し出すと、あの人ごみから中心人物である、昂があたしのところにきた。


「俺も」


「じゃー俺も!」


昂に続いてやってきたのは、タチバナ 水樹ミズキ

この2人は学年でトップといっていいほどのルックスの持ち主で、もちろん、女子しはモテまくり。

さっきの人ごみは2人がこっちにくると、すぐになくなってしまった。

結局あたしのノートを三人で囲むことになっている。


昂なんか見なくてもすぐ終わるのに、なんでわざわざ見るんだろ。

最近はこの4人でいることがほとんどだった。


そんなんで授業が終わり、帰りのSHRが終わった。

四人でラーメンを食べてからいえに帰ると、リビングの明かりがついている。


(え・・・)


リビングには人の影が2つ。

少しドアをあけ覗いてみるとお父さんとお母さんが話をしていた。


「・・・は、・・・言わなければ」


「・・・東京・・・」


「・・、・・・、」

途切れ途切れにしか聞こえないけど、たしかに聞こえたこと。

それは、


東京 


転校


この日、あたしの人生が大きく変わった。


~☆~☆~☆~


幸せが日常になり始めた頃


この幸せがずっと続くと思っていたから


もっとこの幸せを噛み締めておけば


そう、後悔した。


高校の夏の出来事だった。


~☆~☆~☆~


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