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空色空想ネスト  作者: グレーミー
Chapter1「傭兵」
3/52

プロジェクト・レブンズ1

ある所の、ある空の下に、一羽の鳥が現れました。

その鳥は不思議で、ヒトの姿に変わる事が出来たそうです。


鳥はヒトの姿になって、いろいろな場所を見て、人と会い、たくさんの事を知り、人の感情を得ました。

しかしその鳥はある場所から逃げて来て、追われていました。

その場所は、ある理由で鳥を処分しようとしました。


鳥は傷付きましたが、一人の少女の元にたどり着くことができました。

少女は何も知らずに傷付いた鳥を看病して、「ソラ」という名前をつけたそうです。



それが、物語の始まりでした。





※機密書類につき、要厳重保管

・プロジェクト レブンズ

~研究途中経過資料~

レブンズNo.00〜50 結果一覧


_______________________

レブンズ00……遺伝子操作後、ヒトDNAが無事融合。欠損や障害も確認されず。4月4日十分な成長後、トリ型で保管。

コードネーム『ラプソディー』


レブンズ06……遺伝子操作3日後、成長カプセル内で痙攣を起こした後、脳、心臓の他多数の臓器が炸裂。内出血死を確認し、4月1日焼却処分。


レブンズ18……遺伝子操作2週間後、身体の組成まで順調だったが、翼部分のみヒト型に変幻できない為に使用不可と判断。3月11日に処分。


レブンズ27……遺伝子操作後、成長カプセル内で成熟後に視覚障害が発覚。重症化して失敗作と判断され射殺処分。


レブンズ44……平均成長日数より若干遅れつつも、遺伝子操作後も順調に成長し、4月20日安定化作業が終了し、保管完了。

コードネーム『スケルツォ』


レブンズ49……実験後最初の完成体。知能に若干の欠損が確認されたが、支障無しと判断。3月1日から期間を限定してビルゴシティーで試用中。

コードネーム『カプリチオ』


レブンズ50……成長過程で片腕の欠損が起きたまま成熟し、四肢不完全体として処分が決定するも3月25日、処分担当者を殺害し逃走。現在捜索中。


 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄



___上記以外の試作No.は遺伝子操作後、変化無し、又は成長未発達と判断。以後、未発達については、現状維持とし、変化が無いものは失敗と判断し、対象の全試作No.を廃棄処理とする。



*追記*

試作No.00〜50のうち、成功個体のレブンズ00が変幻装置と共に脱走を確認。

変幻装置のソナー探知を行い、所在地が分かり次第No.00及び変幻機の捕獲回収、困難な場合は完全抹消の必要有り。



《作成者》

〈政府研究開発独立機構 GRDIO〉

【プロジェクト レブンズ担当研究員】

[キリヤマ ユキヤ]



『___さぁ、始めようか。略奪と戦争の日に向かって。少しずつ……』


そう男はつぶやき、嘲笑ったそうだ。




[シティー間領土戦争から9年後……]


____コーバスシティー

グラディオ研究棟 F-5-2



「目覚め…どう?レブ…ズ0…?」

「さ……………」


一人の白衣を着た人が拘束具やら機器や何かの針を外していく。

クラクラする…

何をされたんだ…?

自分に何かしたのか…?


「よし…」


いや…見覚えがない…分からない…………


「あと…、……を」

「さぁ、今のうちに逃げ……い」


首に何かをかけられた。何だこれ……?

何を言ってるかさっぱり聞き取れず、分からない。辺りを見渡すと窓が開いている。今なら逃げれそうだ……。むしろ逃げた方がいい気がする。


翼を広げ、開いた窓から一気に飛び立つ。

白衣の人は追いかけようとしない。むしろ逃がしたいように見えた…けど、今はそんなことは気にせず、とりあえず飛ぶ。

外は晴天で、まさに青空だった。日差しが直に全身に当たりとても眩しい。

何日ぶりに日に浴びたろうか。久しぶりに空を飛んだ様な気がする…。飛ばなさ過ぎて飛べなくなっているかもと一瞬思ったくらいだ。でも、これで自由に、普通に生きていけそうだ。


そう、普通に。いつも通りに戻る。ただそれだけのこと。そう思っていた。

でも、それは逆だった。もうその時から、何かが動き始めていた。


『「普通」から「特別」に変わった瞬間だった。』






____グラディオ研究棟 D-2-4



「えぇ~~実験体が逃げちゃったんですかー?」


一人の研究グループ仲間から報告があり、それを他のグループ仲間にも伝えた。


「はい…。見に行ったらその時には、既に……」

「困りましたねぇ~…先輩何か知らないんですか?」


事件はE区画で起こった。保管していた実験体が保管カプセルを破壊し、逃走した。

研究員が駆けつけた時には既に逃げたあとだったらしい。


「さあね。分からないわ、それよりどうするの?」

「そうですねぇ~…」


顎に手を当てて、コーヒー片手に適当に考える副責任者。彼の名はユキヤ。この研究グループに異動してきた人間。元からいる研究員を遥かに凌ぐ知識と才能を持ち、このプロジェクトの副責任者に。


「先輩はどうしたいすか?」


何故か私を先輩と呼んでくるユキヤは年齢は私より上で、実力も上のはず。不思議な人物だが、私としても彼には興味がある。


「回収するしかないんじゃないの?それにしても研究所外にいるレブンズも中々増えたわね」

「ですね~。うん、レブンズ49は何とかなりますよ、管轄下ですし……それに50とかの不良品も。まぁ、この件は任せてくれませんかねぇ?」

「……いいけど。出来るだけ回収に努めるのよ」

「クックックッ……まっかせてくださいよ〜」


彼は不敵な笑みを浮かべ、手を振りながら部屋を後にした。


「良いんですか?エミカさん……」

「………今は任せましょう」



そう、今だけ……

レブンズ00……唯一自由な鳥。

誰にもプロジェクト・レブンズは邪魔をさせない。


「さてと、私も忙しくなるわね………」


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