表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

へびくんとかえるくん

作者: ケロポン

 ある日、森のなかに一匹のへびがいた。へびくんだ。

へびくんは言った。

「かえるくん、どうしたのかな。」

かえるくんとは、へびくんの旧友である。かえるくんとはもう三年間も会っていない。

一体二人はどうしてわかれてしまったのか。


~三年前~

二人は夕焼けに照らされながら、仲良く遊んでいた。

「もう帰らなくちゃ。」

かえるくんはへびくんに別れを伝え、家のほうへ走っていった。

「バイバ~イ!」

へびくんは、走っていくかえるくんに手を振った。


~その日の夜~

へびくんは、テレビを見ながら父の帰りを待っている。

ちょうどその時、父が帰ってきた。

「ただいま~。今日はごちそうだぞ。」

ごちそうと聞いて、へびくんはよだれが出る。

(なんだろう。ハンバーグかな、それともカツ丼?)

いつも父は、スーパーの半額商品を買って帰ってくる。

へびくんは、何よりそれが夜の楽しみだった。

しかし今日は違った。

父が手に持っていたのは、スーパーの半額商品ではなかった。

へびくんは驚いた。

なんと、父が手に持っていたのはかえるくんだった。

(ほ、ほ他のかえるじゃない。あれはた確かにかえるくんだ。)

「どうした、まさかあまりにも嬉しすぎたのか?。」

呆然と立っているへびくんに父は問いかけた。

へびくんは、

「う、うん。」

と言いながら苦笑いをした。

(どうしようどうしよう。友達だと伝えて逃がしてもらう?だめだ。今まで秘密で、かえると遊んでたって知られたらただじゃすまない。こうなったら・・・)

へびくんはいきなりかえるくんを父から奪い取り、玄関のドアをあけ、外へ出た。

へびは走った。必死になって走った。

(あと少しでかえるくんの家だ。)

安心したと思った次の瞬間!

「わっ!」

へびくんは木の根っこにつまずいて気絶してしまった。


~しばらくして~

「うーん。」

へびくんは自分の部屋のベットで目を覚ました。

「はっ!かえるくん‼。」

へびくんは、かえるくんのことが心配になった。

(どうしよう。かえるくん、おうちに帰れたかな。)

とりあえずへびくんは、リビングにむかった。

するとそこには父と母がソファに座って話していた。へびくんはとっさにものかげに隠れた。

「どうして、あのかえるを逃がしたんだろう。」

「あんなに必死なのには何か理由があるんじゃないかしら。」

「本人に聞こう。」

父と母はそう言い、へびくんの部屋に向かおうと立ち上がった。

へびくんはヤバイ、と思い急いで部屋に戻った。


ガチャ

ドアが開き、父と母が入っててきた。

「どうしてかえるを逃がしたんだい?」

父が問う。

へびくんはしばらく黙り込み、重い口を開いた。

へびくんは、今まで内緒にかえるくんと遊んでいたことを話した。

「なんで、あれほどかえるとは遊ぶなと言ってきたのに約束をやぶるんだい!」

「もう二度とかえるとは遊ぶな!じゃないと彼がどうなってもしらないからな!」

両親はかんかんだ。

(どうしてかえるくんと遊べないんだ!へびでもかえると遊んでいいじゃないか。僕がカエルならよかったのに。こんなことにはならなかったのに。)

へびはそう心の中でつぶやいた。


あれから三年。

へびくんは、森を歩いている。

「今日も、池にいないのかな。」

へびくんは、あれからずっと、かえるくんがよく待ち合わせ場所にしていた池に通っている。

池についた。

するとそこには緑色のかげがあった。

「やあ、へびくん。」



評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ