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2人の令嬢〜婚約編〜 32

諸事情ありまして久しぶりの更新です(-。-;

ゆっくり更新になりますが、またお付き合い頂けますと幸いです!

王宮の車寄せには、懇親会に参加した令嬢令息を迎えに来た各家の馬車が列をなしていた。

前の方に停めている馬車から出なくては、後続の馬車に迷惑をかけてしまう。


最前列に近い位置に自分の家の馬車を見つけて、セシリアは短い時間を共にした金の髪の友人と3人の令息を振り返った。


「我が家の馬車があちらに見えました。名残惜しいですが、私はここで失礼しますね」


友人達にきちんと礼をとり、セシリアはリリアナににこりと微笑んだ。


「明日の朝、朝食が済んだ頃に我が家から迎えの馬車を出すわね?」


「うん、明日また。楽しみに待ってるわ」


にこにこと嬉しそうに頬を上気させているリリアナにもう一度微笑んで、セシリアはレオンの方を見る。


「後ほど、我が家からリリアナ様に招待状をお送りします。急な話で申し訳ありません。公爵様にもよしなにお伝え頂けますか?」


貴族同士の交流は珍しくないが、その招待が前日いきなりというのはあまりない。子ども同士の事となると家長の許可が必要になるが、その辺りをすっ飛ばして決めてしまった為、兄であるレオンに頭を下げるセシリアを見て、リリアナも兄に頭を下げた。


「お父様とお母様には私からきちんとお話しします」


可憐な令嬢2人から頭を下げられたレオンは、決まり悪げに頬を掻いた。


「どうか頭を上げてくれないか?これでは私が君達の交流を邪魔してるようだよ」


苦笑混じりに言うレオンに、令嬢達は顔を上げる。


「セシリア嬢からの招待の件は、私からも両親にちゃんと話すよ。大丈夫、おふたりは反対なんてなさらないさ」


ホッとした様子で視線を交わす2人に、レオンは安心させるような温かい笑顔を向ける。


「セシリア嬢。学園でお会いできることを楽しみにしてます」


ロイドとアランも、セシリアに声をかける。


「学園入学後の案内は任せてください、セシリア嬢!」


「試験勉強でお困りのことがあればご相談ください」


セシリアは笑って頷くと見送る4人に礼をとって、「きっとまた、学園でお会いしましょう!」と言って手を振り、馬車へと乗り込んでいった。




馬車に乗り込んで間もなく、御者が馬に鞭を入れて王宮を出発する。

ガタゴトと軽い振動を感じながら、セシリアは背もたれに頭を預けてふぅ、と軽くため息をついた。

子ども同士とは言え、流石は貴族の集まりらしく値踏みするような視線に疲れたこともある。

だが、そんなことよりもーーーーー


(ルミエ)


心の中で相棒を呼ぶと、すぐに応えが返る。


(なに?セシリア)


(貴方の言った通りだったわ、多分・・・)


(セシリアの友達の彼女のこと?)


(ええ。リリも・・・彼女も、そうなのね)


(そうだね。間違いなく、彼女も同胞の愛し子だ)


ルミエの答えを聞いて、セシリアは目を閉じる。


会場で自分を見つけて来てくれたリリアナを一目見てわかった。その身体を守るように薄く光の粒子を纏うのが見えるのだ。


セシリアがそう心の中で告げれば、ルミエから頷くような気配がする。


(あれは同胞の加護の光だ。やっぱり力持ちの同胞だね)


ルミエの言う『力持ちの同胞』とは要するに強大な力を持つ古き精霊のことだ。属性はわからなくてもそれだけは確かだ。


(リリも、大司教様にこの事を内緒にしてもらった、ってことよね?)


(そうじゃないかな?あの子なら、きっとそうするでしょ)


そうして、彼女の父であるアラモンド公爵もその事を秘することにしたのだろう。セシリアの父であるヴェルリンド辺境伯と同じように。


(・・・リリは、私と同じなのかしら?)


(同じって?)


(私がルーナだった事を覚えてるみたいに、リリも前は別の誰かだったのかしら)


(それはわからないなぁ。本人に聞いてみたらいいんじゃない?)


それが出来ればこんなに心配せずに済むのだが、人間の事情は精霊の守備範囲外なことを知っているセシリアはため息を吐くだけにとどめた。


大司教がセシリアの時と同様に沈黙の誓いを立て、公爵もまたリリアナを守る為に沈黙を選んだのなら、学園に入る事によってある程度の時間稼ぎが出来るだろう。

前世の記憶があるセシリアがそれとなくリリアナをサポート出来れば、2人共に自由を得られる可能性もなくはない、かもしれない。


(まずは明日、リリからさりげなく、加護のことを聞けたらいいのだけれど・・・)


心の中で呟いた独白を聞きとがめた相棒がポツリと呟いた。


(ねぇ、セシリア)


(なに?)


(それって、プライバシーの侵害っていうやつじゃないの?)


この精霊は、人間社会やその事情にはとんと興味がないくせに、一体どこからそういう言葉を覚えてくるのか・・・


痛み出した頭を抱えて、セシリアの口からは超弩級に深いため息が吐き出されたのだった。

第32話を読んで頂き感謝申し上げます!

この後も楽しんで頂けたら幸いです。


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