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第52話【これからの動き】


「いつって、今私たちは初めてのスライム討伐を終えて冒険者ギルドに帰ってきたところじゃん。」


「今はいつだ?」という俺の質問に対してケティは当たり前の様にそう答える。


 その返しで、今がいつなのかを理解する事が出来た。

 どうやら俺は、冒険者になってすぐ、初めて受けた依頼のスライム討伐を終え、これからギルドに戻って受け付けのお姉さんにその事を報告して報酬を貰おう!という場面まで戻って来たみたいだ。


「大丈夫ですか?ハヤトさん。いきなり人が変わったみたいですけど」


 鋭いな、セリエラのやつ。確かにお前らから見れば今冒険者になったばかりの俺と、色々な出来事を経験した俺が入れ替わったよ。


 だが、そんな事ふたりに言える訳が無い。


「あぁ、大丈夫だ。少し目眩がしてな。変な質問をしちまっただけだよ。」

「ふ〜ん、ならいいけど。――あ、それかまさか、さっきの事、まだ根に持ってる〜?」


 するとそこで、ケティが意地悪そうな顔をしながらそう聞いてくる。

 ん?さっきの事?ダメだ、過去に戻って来たばかりだからなんの事か分からん……


「さっきの事って――なんだ?」

「あれ?てっきりスライム討伐で自分だけ全然活躍出来なかった事を根に持ってるのかと思ってたけど」

「……ッ、!!」

「ちょっとケティさん、そんな堂々と言わない方が良いと思いますが。」


 ……そうだ、思い出したぜ。確か初めての討伐依頼では俺、全然活躍出来なくて帰り道もため息連発だったんだよな。

 あぁケティ、お前の言う事は合ってるよ。めちゃくちゃ根に持ってたよッ!!


 ――だが、まぁ?今の俺ならスライムなんてチョチョイのチョイだし?とりあえずは流すか。


「まぁまぁ、セリエラも注意してくれてありがとうな。俺は全然根になんて持ってないから。そんな事よりも早くギルドに入ろうぜ。」


 俺がふたりの間に入ってそう言う。

 すると、それを聞いたケティは驚いた表情をして、


「スゴい、なんだかハヤト、すっごく大人だよ……!?まさか私の発言に食い付いて来ないなんて……!!」

「お前は俺を気性の荒いモンスターかなにかだと思ってるのか……?変な事言ってないで、ほらさっさと行くぞ。」

「は〜いっ」「はい」


 全く、前の俺ってそんなんだったか……?


 ♦♦♦♦♦


 そしてそれから冒険者ギルドへ入り、受け付けのお姉さんに倒した証であるスライムのコアを3つ渡した。


「はい、では報酬の銅貨9枚となります。」

「ありがとう。」


 俺はそれを受け取ると、ケティ、セリエラに3枚ずつ渡して分ける。

 これ、確か前は自分が全然活躍出来なかったからとかで俺だけ1枚にしてふたりに4枚ずつ渡したんだよな。


 だが、それじゃダメだって事に今の俺は気付いた。

 

 だってよ?その日活躍出来たからいっぱい渡す。活躍出来なかったからちょっとで良い。


 なんて事にしてたら何度も依頼を重ねて行く上でパーティー内でも上下関係が出てくるだろ?

 ギルド内でもそういう、先輩後輩みたいな上下関係のあるパーティーを何度か目にした事があるが、そういうの俺は嫌なんだよな。


 俺の望む理想のパーティーは「全員が平等」そんなパーティーだ。だから、今の俺はこうして均等に報酬を分けるって訳だな。



「うわぁっ!!すごいよ!私たち!冒険者としてお金を稼いだよ!!」

「ケティさん、落ち着いて下さい。」


 俺から報酬の銅貨を受け取ったケティが、ぴょんぴょんと飛び跳ねながら喜ぶ。

 それをセリエラもなだめるが、そんなセリエラも嬉しいのだろう、頬がほんのり赤らめていた。



 そしてそんな光景を見て、俺は改めてこのふたりを心の底から幸せにしたいと思う。


 ……そうだ、俺はただ過去に帰って来たんじゃない。

 ふたりの――いや、みんなの笑顔を取り戻す為に、あんな惨劇を起こさない為に来たんだ……!!


 だから、そこでまずはひとつずつ惨劇の起こる原因を潰して行く事にした。

 ――時系列的に、まず俺たちが経験した大きな事件。それは水の都ナビレスで起きたゴブリン・ロードだな。


 それがきっかけでウェイリスさんは俺たちの前から姿を消し――そして襲って来た。

 だからまずはウェイリスさんに接触して、いち早くナビレスでゴブリン・ロードが起きる事を知らせないと……!!


 きっとゴブリン・ロードを未然に防ぐ事が出来れば未来は変わり、ウェイリスさんもあんな風にはならないはずだ……!!


 だが、今の状態では俺たちとウェイリスさんは下級下位の駆け出しと上級冒険者の立場だ。接点が無さすぎる。

 だからまず俺はウェイリスさんの情報を受け付けのお姉さんに聞く事にした。


「なぁ、ひとつ質問なんだが良いか?」

「はい?大丈夫ですか。」

「ウェイリスさんが今どこに居るか、知ってるか?」


 俺がそう聞くとお姉さんは少し驚いた様な表情をする。


「ウェイリスさん、とは上級下位の、ですか?」

「あぁ、そうだ。」

「あの方は近い内に遠征へ行くので、今は恐らくご自宅でその準備中かと。」

「なになに〜?なんの話してるのっ?ハヤト。」

「どうしたんですか?」


 なるほど、確かに初めて会った時も遠征から帰って来た時だったっけ。だが、今家に居るというなら話は早い……!!


 俺は「何の話をしているんだろう」と寄ってきたケティとセリエラの顔を見ると、こう言った。


「よし、突然だがお前ら。ウェイリスさんの屋敷へ行くぞ。」

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