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第41話【翌日の来客】


「し、親戚!?それほんとに言ってんのか……?」


 時間逆行(タイムリープ)をしてもそれまでの記憶を保持出来る能力運命探知(デスティニーホルダー)を俺が保持している事や、初めてサンボイルで会った時ももう既に俺の名前を知っていたマーニ。


 せれに対して何故かと尋ねると帰ってきた返答「それは小生がハヤトの親戚だからだ。」という言葉にあまりにも俺は衝撃を受け、つい大声を出してしまう。


 まぁ確かに……それなら俺が忘れていたというだけで小さい頃に会っていればマーニが俺の名前を覚えている事も不思議じゃないが……(サンボイルという街に懐かしさを感じたのも昔に親戚同士の集まりかなにかで訪れた事があるからだろう)


「おいおい……そんなに驚く事か?」

「いや、俺自身、ずっと親戚がいないと思っていたから中々衝撃的でな。」

「そ、そうかそうか。」


「――まぁとりあえず、さっきも言ったがこの世界はなにかがおかしい。小生はこの町にしばらく居ることにするからな。なにかがあればすぐに言うんだぞ。」

「あぁ、分かった。ありがとうな。」



 そしてその後、帰ってきたケティとセリエラに連れられマーニの歓迎パーティーをケティの両親が働く酒場でし、そのままその日は眠りについたのだった。


 ♦♦♦♦♦


 その翌朝。

 フレイラにマーニが来たからと言って、いつものルーティーンが変わる訳では無い。

 今日もいつもと同じ様に朝ごはんのパンとミルクを一緒に食べていると、

 

 そこでコンコンと扉がノックされた。


 誰だ?こんな朝から?

 まさかマーニだろうか?


 俺は立ち上がると扉へ向かい、予め扉の向こうに居るであろう人物に目線が合う様にしゃがむ。


「おはよ――って、!?お前かよ。」


 しかし、そこに立っていたのは予想していたマーニではなく、この町の先輩冒険者でもあるレイバーだった。


 ま、まさか今日こそ昨日予想していた様に依頼に誘われたりするのか……!?


 俺は一瞬身構える。が、しかし直ぐにその可能性は無いだろうと悟った。


 なぜなら、扉の前に立っていたレイバーはいつもの様な自信に満ちた表情では無く、真剣な――しかしどこか弱々しい表情をしていたからだ。

 レイバーがこんな表情をしているところ、前一緒に行ったオーガ討伐ではもちろん、冒険者ギルドでチラッと見かけた時もこんな表情をしている所を俺は見た事が無かった。


 まさか……なにかあったのだろうか?


「ど、どうした?」


 俺はレイバーにそう尋ねる。するとレイバーは真剣な声色で、


「あぁ、ほんとに早朝からすまないんだが、実は昨日の夜からイザベルが姿を消していてな。」

「イザベルって、ずっとお前と一緒に依頼を受けてる女の子だろ?」


 まさか、あの2人実は不仲でよく喧嘩をしたりするんだろうか?

 

「もしかして喧嘩かなにかをしたか?」俺はそう尋ねるがレイバーは首をブンブンと横に振ると「んな訳ねぇだろ!?俺とイザベルはずっと仲良いぜ。」不仲でイザベルが離れて行ってしまったのではないかという考えを否定する。


「じゃあ、他に考えられる説は?」


 というか、イザベルとは数回しか話した事が無いから(まず中々話してるところを見ないし)よく分からないが、あの子ってそんなフラフラ姿を消す様なタイプとはとても思わないけどな。


 どちらかって言えば24時間とこでもレイバーに着いていく様なタイプだろ。


 すると、そこでレイバーは俺の問いに答える。

 しかしなんと、出て来た回答の中には俺が何度か聞いた事のある様な言葉があった。


「あぁ、実は昨日の朝だったか?サンボイルって街で冒険者同士の大規模な殺し合いがあったって情報がギルドの中で広まってな。」


 ……ッ!!その話、もうこの街全体で広まっていたのか。


「そ、それで?」

「実はイザベルの両親がな、2人ともサンボイルに住んでるんだ。それでその殺し合いは俺が見た訳じゃ無いから真偽は定かでは無いが、話によると普通の住民も巻き込まれたらしいじゃねぇか。」


「それを聞いて1日ずっとイザベルが心配そうにしてたんだよ。それで俺は「それなら今日1日は休むか」って朝すぐイザベルを休ませる為に家に帰したんだ。」

「ふむふむ」


 その選択は正しいんじゃないか?俺だってそんな状態になったら「今日は休みにしよう、ゆっくり休んでくれ」って言うだろうし。


「そしてその日の夜、どうしてもイザベルが心配になった俺が家へ行ってみると、そこにイザベルの姿は無かった。そしてそのまま翌朝になり、今って感じだな。」

「なるほど……要するに、だから一緒に探してくれって事だよな?」

「あ、あぁ。ほんとにすまんとは思っている。……手伝ってくれないか……?」

「いや、それは全然良い。というか、前のお前たちとの合同依頼で色々助けてもらったんだ。今度はこっちから協力させてくれ。」


「……ッ!!ありがとう……!!」

「あぁ」


 まぁお金にも決して余裕は無いが……生活出来る分くらいはあるしな。


 でも、それにしても事情を聞いた限りやっぱりそれでイザベルが姿を消すのはおかしい気がする。

 とにかく、一度みんなを家に呼んでみるか。

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