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第33話【時間逆行】


 サンボイルに到着し、早速冒険者ギルドへ向かうといきなり声をかけてきた金髪美少女のマーニ。「3人とも腹は減っていないか?家でご馳走するぞ。」俺たちはその言葉に甘え、マーニの家へとお邪魔する事になったのだった。



「――で、改めて聞くがなんでマーニは俺たちをこうして家に招き入れたんだ?」


 マーニの家に入り、リビングのテーブルに案内されてそこに座ったところで俺は早速そう尋ねる。

 さっきこいつは俺に「久しい」なんて言葉を使っていたが本当に会ったことがあるのだろうか?

 (ちなみに家の感じは見た目がサンボイル独特の石壁という事を除けば小さくもなければだからと言って特別大きいという訳でも無い。普通って感じだ)


 すると、マーニは腕を組んでこう返してくる。


「だから、小生はハヤトを待っていたのだ。そして運命に導かれるままお前はここへ来た。そういう事だな。」

「いや、どういう事だよ。」


 まぁその運命に導かれるってのには思うところもあるが……(デスティニーレコード)それでもこいつの言っている意味はただ単なる厨二病的な感じだろう。


「はぁ、まぁ分からなくても良い。とにかく、先程も言ったが3人とも腹が減っているだろう。料理をご馳走してやるからまぁ座って待ってろ。」

「あ、あぁ分かった。」


 そうして奥の恐らくキッチンであろう部屋に入っていくマーニ。


「なんか不思議な子だけど、良い子っぽいね。」

「全くです。一人称が小生だなんて女の子、普通居ませんよ。」

「あぁ、2人に同感だ。」


 だが、それでもサンボイルという全く知り合いのいない街の中でこうして話せる人間が居るというのは良いことだろう。どうせならこの機会にマーニには色々教えてもらう事にしよう。


 ♦♦♦♦♦


 そしてそれから数十分後、俺たちは適当に雑談でもしながら待っていると(やはりセリエラの事もあって集中は出来なかったが)そこでマーニが「待たせたな」そう言いながら大きな皿を持ってきた。


 皿の上には真っ赤なロブスター。だが、一般的なロブスターとは違い爪がそこまで大きくは無く、代わりにしっぽがものすごく大きい。


 なんだ?このロブスター。こんな種類見た事ないぞ。


「なぁマーニ。これはなんだ?」

「ん?あぁハヤトたちはサンボイルに住んでいないから分からないよな。これはサンボイルではよく食べられる「サンドロブスター」ってロブスターだ。」

「サンドロブスター?」


 すると、そこでセリエラが口を挟んでくる。


「サンドロブスター……聞いた事があります。確か本来のロブスターとは違い砂の中を泳ぐという」

「そうそう。知ってるんだな。小生はこのロブスターが大好きなんだ。」


「水じゃなくて砂の中を泳ぐから本来のロブスターよりも筋肉があって身もぷりぷりだぞ。今回はそれを蒸している。刺身でも美味いが小生はこれが好きなんだ」誇らしげに言うマーニ。


 へぇ〜身がぷりぷりねぇ。こりゃ楽しみだ。


「美味そうだな。じゃ、食べるとするか。」

「うんっ!私もうお腹が空いて動けないよ〜」

「そうですね、いただきましょう。」

「まだ何匹か蒸してあるからいっぱい食べてくれ。」


 こうして俺たちはサンボイルに来て初めての食事をした。(サンドロブスターは確かに身がプリプリですごく美味しかった。が、時々恐らく砂であろうものが口の中でジャリジャリしたな。何となくサンボイル以外で出回らない理由が分かった気がする。)



 そして、食べ終わり4人で雑談を始めると、これも冒険者のさがというやつなのだろうか、気が付けば魔法の話になって行った。


「え?マーニお前、魔法を使えるのか?」

「当たり前だろ?しかも小生は周りの人間は使えない特別な魔法を使う事が出来るぞ。」

「特別な魔法?なんですかそれは。」


 マーニのセリフにセリエラが食いつく。するとマーニは椅子から立ち上がり、両手を腰に当てると、


「あぁ、それは簡単に言えば「過去に戻る事の出来る魔法」だな!」

「……は?」


 いや、過去に戻れる魔法?バカ言ってんじゃねぇ。そんなのある訳無いだろ。

 しかし、対してセリエラは興味深そうに「時間逆行(タイムリープ)ですか、中々面白いですね」そう呟く。


「おいおいセリエラ、本当に信じてるのか?」

「信じてる。というより、信じてみたら面白い。というのが正しいですかね。それがもし存在したとするなら、後悔していた事、こうしていれば良かったと思っていた事をやり直せるんですから。」

「うんうんっセリエラちゃんの考え、私好きだなぁ!」


「確かに分かるが、こんな子供の言う事だしなぁ」

「だから!!小生は子供では無いと言っているだろう!!それに、本当に使えるんだからな!!」

「あーはいはい。そうだな。」


 俺はプンプンと怒りながら言葉をぶつけてくるマーニを軽くいなす。

 ――だけど、本当にそんな魔法があるとするのなら、きっと1番使いたいと思っているのは俺なんだろうな。

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