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Rainbow Lovers  作者: 森田かよこ
3/3

Purple lover

蒼の家は、蒼が小学生の時から父子家庭で、1つ下の弟がいる。

それなりに責任感が強く、弟を溺愛しすぎている。

だから、家のことでいつも手一杯なのも、よく知ってる。

知ってか知らずか、彼に告白できる先輩も、後輩もとてもうらやましい。

気にしなければいいのだけれど。

それでも、その状況知っているだけに、

どう考えても負担になってしまう私の気持ちはいつも迷子になってる。


「いっそ玉砕してくるか。」


「いやいやいや、家隣だよ?さすがにその勇気ない。」


結局は、それを言い訳に、本当に振られてしまったら、

もう話すことも、つながりがなくなってしまうことを考えると、

ただただ踏み出せないだけなのだ。


朱音からの、ヘタレだねー、という言葉がいつものワンパッケージな会話だったのが、

珍しく今日は続きがあった。



「さくら、今日放課後空いてる?」



端的に言うと、朱音の彼氏に親友がいて、是非紹介したい、という話が進んでいて、それが今日なんだと。

朱音は朱音で、彼氏関係はそれなりに経験はあるはずだけど、年上は初めてで、

ましてや彼氏の友達に紹介されるなんてシチュエーションは初めてらしく、珍しくビビったのだとか。


「恋愛スキルの低い私がいても、より好感度下がらない?」


できれば、いや、どうにか遠慮したい気持ちしかないのだけど、運よくなのか運悪くなのか、今日は空いているし、

朱音にとって、今回はほんとにいい恋しているんだなーというのが伝わってきていただけに、協力したい気持ちもあった。

そんな時に出会ったのが、啓太くんだった。




第一印象は、紹介される友人としてきたはずなのに、すごくめんどくさそうな顔してるから、高校生って怖いって印象だったんだけど、

朱音の彼氏さんと話す姿を見て、すごく仲がよさそうで、2人がしっかり信頼してるんだなって思った。

ふと、くしゃって笑う笑顔がすごく幼く見えて、今まで出会ったことないタイプに胸が鳴る。

正直すごく顔が好みで、ほんとにかっこよかった。



それから、なぜか朱音の彼氏と一緒にいるときには私もいてしまって、その時にはやっぱり啓太くんもいて、

2人にしてあげよ、って、連れ出されたのが会って3回目の時だった。

絶対遊び慣れてる。

そんな予感がしなくもないくらい、一緒にいるのが楽しくて、好きだなーって思った。

だから、



「俺の彼女になる?」


って聞かれたときは、本当だったら喜びたいところだけど、冗談かもしれないと、迷ってしまった。


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