46話
まずは、身分証と職を手に入れないと...。
取引の広場への帰り、話しながら戻ってきたが、そこは、冒険者と私、各々目につく果実や野草などを採取しながら戻ってきた。取引の広場にはすでにパルヒャーさん側の夜営の準備ができており後は、エクサーの夜営の準備と食事の準備だけの状態だ。取り敢えず、パルヒャーさんに、オークを狩ったのでその肉を今晩の食事に提供する旨と誰に渡せばいいのかを確認した。パルヒャーさんは、恐縮して、その肉を買い取ると言ってきたが、今回報酬は払うが予定にない人員である私が旅路に増えたことで、商隊の負担が増すのだから、無料で提供させてほしいと何度か、お金を払う、いや要らない、の応酬をした。結局のところ、今回の取引で余ってしまった小麦の袋3つ(多分鮎川が私に渡せといったんだろうが。だっておかしいもの。取引の物品余らかすなんて)と交換および食事の提供で相殺することになった。
楽しみだな~。実に初めてこの世界の食事だ。やはり固く焼しめたパンと干し肉と乾燥野菜のスープで、塩のみの味付けなんだろうか?今回は、オーク肉付くだろうけど...。本で読んだ通りの野営食...。怖いもの見たさという意味で楽しみだ。
結果、メニュー的にはそんな感じだったけど、過去の勇者たちによって、保存食、携帯食の味付け等が改善されており、そのまま食べても十分においしい干し肉ジャーキー乾燥野菜とオーク肉の煮込み(ハーブの風味が効いた塩味)、大変おいしゅうございました。え、パンは?って...期待(予想)通りだよ。歯、折れるかと思ったよ。周りからは食べ方わからない子みたいな生暖かい目で見られたわ!そこも改善しとけ、勇者~!
夜の見張りとかはどうすんだろうかと思い、ティーバールの下に行き確認する。
「夜の見張り?今回の旅路はエクサーとしてはしないよ。パルヒャーの旦那が連れている戦闘奴隷たちがやるからね。ああ、結界石は併用するよ。まあ、街道に出てしまえば、強い魔物がめったに出てこないから、結界石で事足りるんだけどね。ただ、怖いのは人間さ。だからあたしらは、盗賊や戦闘奴隷が対処できない事態なんかが起きた時の保険さ。」
あぁ、パルヒャーさんが連れて来たのは、商会直下の馭者兼戦闘部隊…てことは、やっぱりただの行商人なわけないよね。都市に着いたらその辺も探らないと知らないうちに面倒ごとに巻き込まれそうだ。
私は、彼らから少し離れた位置でテントを出し結界石で結界を張ってから就寝した。(まだ、お互いの信用度が足りないから、用心に越したことはないよね)
夜が明け、それぞれが出立の準備をあわただしくしている中、鮎川さんがこちらに近づいてきた。
「いよいよだね。ちゃんと生き延びなよ。後は、騙されないようにね。ここは、命がとても軽い世界だから、騙して殺して奪い取るってことも、前の世界では信じられないくらい簡単に起こるよ。まあ、君を殺す事ができる存在は少ないだろうけどね。だって、ゲームで言えば旅にも出てないのにレベル上限突破しているぶっ壊れキャラだよw。あと、これも君が使えるように調整しておいたから記念に持っていきなよ。」そう言って、鮎川さんが作った修行の空間を手渡してくれた。
「あなたの修行で、少しは生き延びていける確率が上がったんだから感謝しています。ただ、色々遊ばれた恨みは忘れない。ありがとうございました。こちらにも土産話をもって立ち寄らせてもらいます。」
そう言い、鮎川さんに頭を下げた。鮎川さんは黙ってこちらを見て、うなずくと
「ほら、出発みたいだよ。この世界楽しんでね。」そう言って送り出してくれた。
「おーい、シルエッティ!準備は済んだかい。出発だってさ。」ティーバールが駆け足で呼びに来た。
もう一度、鮎川さんに頭を下げ、私はティーバールの方に走り出した。
皆様、やっとプロローグが終わりました。
いや~、自分で書いてながら、長いこと長い事(;^_^A
いつになったら、都市に行くのかね~なんて思いながら書いてました...。
次話から本編予定ですが、何も決まってません...。
本編もどうかよろしくお願いします。




