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悪魔の契約 アラル=バラシンの章  作者: コロコロコロネ
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7章 強くなるとは

アラルたちは新しくティーナを仲間に迎えタティネルよりドーネル王国へと向かったのだった。あのお祭り騒ぎだったタティネルで聞いた情報によるとドーネル王国は武具で有名な国であるらしく、戦争準備の状況などを考慮しつつできれば武具に関しての勉強などもできればこの先の戦いにおいても安心できるのではないかと考えたのであった。

タティネルの時とは違い、堂々と関所を通り入国したのだった。治安が悪い――と聞いていたのだが、町は血気盛んでとても賑わいを見せていた。流石は武具で栄えるといわれている町。いろいろな武具が取り揃えてあった。その中でもアラルが人一倍興味を惹かれたのは法具屋だった。法具とは一度使えば効果を失う物がほとんどの言うなれば効果アイテムのようなもの。買いたいものが沢山ありすぎて他の3人を他所にアラルは法具にのめりこんでいたのだった。

「この法具の効果は何なんだ?」

店員を捕まえて離さないアラルに若干引き気味の店員は、「店の奥に武具等の講習所がございますので、そこで勉強されてはいかがですか?」と提案したのだった。

3人の意見を聞くこともなく2つ返事でその店員に着いていくアラルを見て、『こんな一面もあるんだな。』と新しいアラルの一面を見つけた3人であった。

「いっつもクールなのに、人が変わったみたいだね」

サランの言葉に笑ってついていくフォーティー。

「これがオタクってやつなんじゃないですかね。コレクター魂に火が付いたのかも」

「でも、店の物全部買うとか言い出したらどうするんですか?」

不安な表情を見せるティーナに対し、まぁそんなことはないだろうとアラルの常識を信じるしかないフォーティーであった。

熱心に武具に関して勉強しているアラル。それを興味なさげに後ろの席から見守る3人。アラルは紙に何やらびっしりとメモをとっているようで、講師の話も熱心に聞いていた。こんな生徒はいなかったのだろう、講師も白熱しアラルと2人だけの変な世界ができていたのであった。

そんなこんなを終え、アラルたちは再び外に出る。これからの旅のため、鬼気迫る戦いに勝利するためにここで武具を買おうと。アラルの熱意に押される形で皆は渋々従うのであった。

「これと、あれは必須だろ…。それに武具もそれなりに立派な…」

アラルはブツブツと呟きながら一人でさっさと店へと入っていく。とりあえずフォーティーはアラルの横に寄り添いアラルの買った物を自分の異空間にしまい込んでいくのだった、と――。

「うわぁ!」

アラルの叫び声が店内に響き渡ったのだった。

「どうしたんですか?」

アラルの慌てようにフォーティーは尋ねる。

「金が…全然足りない…」

買いたい物を片っ端から買っていたアラルは金が底をついていたことに気づかなかったのだった。

「これじゃあもう武具は買えませんね。タティネルであんなに稼いだのに…」

アラルの常識を逸した買い物っぷりにフォーティーは苦笑いするしかなかった。

「いや…、未来のためにここで妥協する訳にはいかない」

アラルは拳を握りしめると、何かを決意したようだった。そして店内のぬいぐるみコーナーにいたサランたちを回収し店を出たのであった。

「アラル、あのぬいぐるみ可愛かったから買っていい?」

幼気な少女のお願いだが、それを聞いていたフォーティーだけはアラルの答えを知っていたのだった。

「もうお金がありません。なのでここで絶対に稼がないといけません」

「でも、ここは危ないからって言ってタティネルで仕事したんでしょ」

「状況は刻々と変わるのです。皆の武具もちゃんと選んであります。あとはそれに必要な資金を調達するだけ」

「何、その変な喋り方?」

サランはブーブー言っているのであった。

「その必要な資金にサランちゃんのぬいぐるみも入れてあげて下さいね」

ニッコリしながらそう提案するティーナにサランは満面の笑顔で抱き付いたのだった。

とりあえずアラルたちはお金を稼ぐためにドーネルの寄合所へと向かうのだった。道中、誘惑は多岐に渡った。その誘惑とは露店である。サランのお願いを全無視していたアラルに痺れを切らしたのかサランは力ずくでアラルを止めるのだった。

そこには美味しそうな焼き鳥の店。

「絶対無理、お前は焼き鳥食わなくても生きていけるだろ」

「いーーーーやだ。焼き鳥食べないと死んじゃう」

「うそつけ」

「うーそじゃない!」

とうとう2人言い合いを始めてしまったのだった。店の前で行われている喧嘩は店主の大迷惑となっていた。皆が関わらないようにとその店の付近を避けて通りだしたのだった。痺れを切らした店主が表に出ようとしたその時だった。

「焼き鳥を一本貰えますか?」

その身に黒いマントを纏い全身を隠している人物は焼き鳥を買うとそれをサランに渡したのだった。それに唖然としたアラルだったが、ここは素直に甘えることにした。

「なんか、すいません。サランもお礼を言え」

「ありがとう」

「いいえ、少し気分がよかったから、どうぞ」

サランは多少ビクッとした。

フードの女性が品物を渡そうとした手は魔物の手だったからだ。サランに品物を渡すと手をすぐに隠しそのフードを被った女性は去っていった。

「優しい魔物だったね。アラルもあの魔物を見習わなくっちゃね」

「何を!お前の食ってるもの皆で分配するぞ」

「えー、無理」

サランはそう言うと即座にティーナの後ろに隠れたのであった。

「でも意外ですね。人語を喋れる魔物とはすなわちオリジナルのことなんですよね。優しいオリジナルもこの世にはいるってことなんですね」

フォーティーの言葉にアラルは目を見開いた。

「何だって!」

アラルは咄嗟に今来た道を戻るが、そこに先ほどの全身マントに身を包んだオリジナルの姿はなかった。『オリジナルについて少しでも知りたかったのに…。』

見失ってしまったものは仕方がない、今はそれより何よりやることがある。金だ。

ドーネルの寄合所にてアラルたちはとりあえずティーナの登録から行うことにした。更新も兼ね皆で行くことに。アラルは現状維持のランクD、フォーティーはランクEよりDへと昇格、サランはランクFからランクEへと更新したのであった。そしてティーナが魔力を測る水晶に手をかざしたときだった。水晶はみるみる内に黒ずんでいき割れたのだった。驚いた寄合所の職員は少しお待ちくださいとだけ言い残し、その場を去っていったのだった。

しばらくして部屋へと入ってくる一人の女性。彼女の名はスタニ=カーソンといい、ドーネル王国での寄合所の所長をしている人物だった。

「ティーナ=グランパさん、あなたがこの水晶を割った方ですね」

「は、…はい」

ティーナはおどおどしながらもそう答える。

「水晶が割れたくらいで仰々しいな。寿命かなにかだったんじゃないのか?」

アラルのいちゃもんにも凛とした態度を崩さないスタニ。

「水晶に寿命などはございません。この水晶はレベル1万まで測ることのできる水晶です、それが割れたということはあなたはそれ以上であるということ」

その言葉に一同は騒然とする。現状アラルのレベルが6千程度。そしてレベル1万とは国の隊長相当を意味するのだった。故に国家を揺るがす危険人物であるという認定をされ、すぐさまヘラレス王国への連行対象となるのだった。

「ティーナに害はない、それは俺が保証する。それだけではダメなのか?身分証だって実績だってあるんだ、少しは信頼してくれても…」

アラルの言葉を遮るようにスタニは言葉を被せる。

「もしティーナさんが暴走した場合あなた方にそれを止める術がない以上、保証とはなり得ません」

「だが、この世界にはレベル1万を超える登録者だっているんだろ。差別すんな」

「彼らはそれ相応の実績を残し、世界に認められていますから。それこそが寄合所の頂点であるランクS。実績のない強者は危険人物としか認識されませんし、寄合所で新規に登録することは不可能です」

不可能という言葉にカチンときたアラルは少し考えを巡らす。実績が必要だということ。ピコンと閃いたアラルは不可能を打ち破れそうな提案を持ち掛ける。

「依頼ボードにあったんだが、ドーネルとコスタルを隔てる森にいる魔物の主の討伐、あれはランクSの対象依頼だよな。それをこなせばそれが実績となる、もし失敗してもそれは森の中、戦争の準備万端なドーネル王国にもそれほど被害はないはずだし、ただ俺たちが死んで終わり。紙の風化具合からして誰も手を付けていないか、まだ成功者がいないか。くすぶっている案件なら尚更じゃないか、それで手を打ってくれないか。俺たちにもチャンスをくれていいと思うんだが」

アラルの提案に対しスタニは少し考えるようなしぐさをみせる。正統ではない依頼を受諾して死なれてはこちらとしても問題となるからだった。

「成功したら公開すればいい、ドーネルにて新たなランクSが誕生することは願ってもないことだろ。そして逆に、だ。失敗したらそれはもみ消してしまえばいい、だから、依頼を正式に交わす必要はない、終わった後の後付けで構わない」

「それ程までに彼女を信頼する、…ということなのですね」

「あぁ」

スタニはゴクリと唾を飲み込むとアラルの表情からそれが本気であると確信できた。

「分かりました。私の権限においてこの提案に乗りましょう。こちらとしましても森の主の討伐は願ってもないことです。戦争準備という現状でなければこの依頼は既に終わっていたかもしれません。これも何かの縁、あなたたちに任せましょう」

その後、スタニからこれから討伐に向かう魔物の詳細を聞いたのだった。

依頼の内容はドーネルとコスタルの間にある森に住まう魔物の討伐。理由としては森での採集作業中にその魔物に襲われ国民が迷惑しているからだということだ。3段階に上がれず魔物化してしまった新悪魔なんだとか。新悪魔崩れの魔物であるため、理性はないが力は3段階の悪魔に匹敵する強さだという。推定レベルは2万以上。その根拠として過去に討伐に向かったSランク組織が壊滅したからだった。その組織で一番強かった者のレベルが2万だったそうだ。

笑うしかない現状ではあったが、この世界での最強はレベル36000、名前は伏せられているため分からなかったが、いずれ分かることだし、これから先レベル2万相手にへこたれている訳にもいかない。この世界の中心であるヘラレス王国での大会で優勝、それはこの世界の頂点に立つくらいでなければ果たせそうにない。それにその先にある俺の目的もまた到底果たせないのだから。

(ここは踏ん張り所だ。幸いアイテムに関しては十分に揃えてあるし、この依頼の報酬であれば消費したアイテムと買いたかった武具を買ったとしてもおつりがくるぐらいだ。)

アラルたちは意を決しこの依頼に挑むことにする。

ドーネル王国から北上し、森へと入っていく。流石は誰も近づかない森、入ったそばから魔物たちが襲ってきたのだった。とりあえずは前衛2人として1人は後方で温存。疲労の具合を見てローテーションという形をとることにする。

「恐らくアイツがこの森の主でしょうね」

フォーティーが警戒を高めながらそう皆に伝える。まだ視界に入るギリギリの位置ではあるが異様な魔力を放っている魔物がいるのだった。2足歩行の悪魔系の魔物のような風貌。

「ティーナは後衛でサランを守りながら、隙を見て攻撃に参加してくれ」

「はい」

「行くぞ、フォーティー。覚悟はできてるな」

「もちろんです。アラルの買っていたアイテムのおかげでほとんど疲労はありませんから」

前にいる魔物を蹴散らしながら、目標となる主に一直線に向かう2人。

「因みになんですが、アラルはスキル持ちなんですか?」

「何だ、スキルって?」

「魔力技とは違う生まれ持って備わる能力のことです。大体の強者というのはそれを保有しています」

「ないと思うぞ」

「そうですか、それではまだスキルに目覚めていないということですね」

「そうか…。お前は持っているのか」

「持ってますよ、それこそ先ほど使った能力です。名を危機感知といいます。名前の通りなのですが、自分に死の危険が迫った時知らせてくれる、予知能力に近い能力ですね。自動発動なのでどうにも都合よく使いこなすということはできないのですが」

「だが、それはこちらとしても好都合。一緒にいれば死の危険はかなり減る」

「現在、ずっと警告が鳴り続けてるのですが…」

「それは仕方ない。あいつを倒すまでの辛抱だ」

推定レベル2万以上。対してこちらはレベル6000に4500、そして後方にレベル10000以上。真正面からだと確実に負ける。周囲の魔物を一掃するまではアラルとフォーティーで主の足止めをする。ティーナの手が空き次第追撃してもらう算段だ。流石はティーナというべきだろう。彼女が加わることで形勢は一気に逆転し勝利を収めたのだった。

かなり疲弊した3人。サランが回復薬を渡し、一息つくのだが――。

「あの…」

フォーティーが申し訳なさそうに口を開く。

「何だ?」

仰向けになり大の字になっていたアラルは起き上がりそう尋ねる。

「まだ、警告音が消えないのですが…」

「「「は…?」」」

フォーティーの言葉に声を揃えた3人。

「嘘だろ…」

アラルはその視界に倒したはずの魔物と同じ姿をした魔物を捉えたのだった。

「1体ではないですね。さっきのがこの森の主ではなかったのですか?」

ティーナは冷や汗をかきながらそう尋ねる。

「何ですかね、これは?流石に複数体は無理ですよ」

フォーティーも目を見開いたままフリーズしている。

くはっ。そうこの危機的状況で笑い出したアラル。

「そりゃそうだよな。何か引っかかってたんだ。ランクSのチームがこの程度で負ける訳がないだろうな、と。一番強かったのはレベル2万かもしれないが、その他の奴らが弱小である訳もない。そもそも主なんていなかったんだよ。皆同じ姿してっから恐らくは勘違いしたんだ」

「アラル、これはもう撤退するしかないんだよ。早く、転移の札を…」

焦るサランだったが、フォーティーが転移の札を出すよりも早くアラルは姿を現した魔物へと突っ込んでいったのだった。

「うっそ…」

慌ててアラルの後を追うフォーティー。暴走するアラルを止める術はなくティーナたちもアラルを追いかけることに。アラルは真正面から強大な魔物とぶつかる。フォーティーはアラルの状態を見ながら、アラルに回復薬を投げたり、共に戦ったりを繰り返した。ティーナは後方でアラルを注意深く見守り、回復薬を投げたり、隙を見て攻撃魔法を放っていた。サランは狂ったように戦うアラルを見て少し恐怖を抱いたのだった。

森に入ってから2週間が経つ。周囲を一掃しては姿を隠し休息をとった。そんな戦いが毎日続いたのだった。

「これが、最後だ」

3人がかりで倒していた魔物を今ではアラル1人で倒すくらいにまで成長していたのだった。フォーティーの危機感知の作動頻度も減ってきており魔物のほとんどを掃討できたようであった。それに、買い貯めていたアイテムも底をついていた。

「もう周囲には危険を感じません。十分依頼は果たしたはずですからもう戻りましょう」

「そうですよ。私だって、これ以上は無理だと思います。アイテムがない状況ではこれ以上の戦闘は無理です」

「そうだよ、アラル。もう帰ろ」

だが、アラルの気は全然収まっていなかった。獣王の寺でケルザと戦った。今でこそ強くなりはしたが、それでもケルザの足元にも及ばないだろう。こんなんじゃ全然足りない。もっと、もっと…。

だが、行こうとするアラルはサランに抱きしめられる形で止められたのだった。

「アラルは何に縛られているの?私だって強くなるから、…だから、…だから、もう、…止めよう」

泣きながらアラルを止めるサラン。

「アラル、あなたはいったい何者ですか?この森での成長速度、尋常じゃないですよ」

フォーティーもこの2週間でのアラルの行動に疑問を持っていた。

「みんな仲間なんですよ。全てを一人で背負う必要はないんですよ」

ティーナの悲しそうにアラルを説得する。

「アラルは一人じゃない」

サランのその言葉にアラルは冷静さを取り戻すのだった。強くなるとはいったい何なのか。ケルザより強くなるんだという一心で戦っていた。だが、その代償として仲間たちを不安にさせた。一人じゃない、そう、…分かっていたはずなのに、…自分の想いを止められなかった。

アラルは皆を見る。そしてしゃがみ込み、強く、サランを抱きしめたのだった。

「すまなかった、サラン。もしまた俺が暴走したときはまた止めてくれな」

「また、なんて言わない。しない努力をするんだよ」

「はは、すまない」

その時、フォーティーの警告音が鳴る。

「また、出ました」

「え!?かなり倒したのに…どこから来てるんですか」

アラルたちは2週間かけて森を一回りしたのだった。だが、その魔物の拠点らしきものは見つけられなかった。新悪魔の魔物化である以上完全に掃討することはできない。

「森の外での被害は聞いていない。ということはこの森をさまよっているだけで本当は無害なのかもしれないな。ただ、見つけた対象に襲い掛かってくるだけなのかもしれない」

「それはまた…、無害か有害かは判断が難しいところですね」

「フォーティー、お前は後方でサランを守りながら転移の札を用意しておけ。ティーナは俺と共に前衛だ」

アラルとティーナは魔物に向かい走り出す。と、フォーティーが違和感を感じる。最近ではアラルが魔物と対峙した瞬間には警告音も小さくなっていた。にも関わらず、アラルたちが近づけば近づくほど警告音は音量を増していった。

「アラルーーー!!戻ってきなさいぃいい!!!」

「ちっ、そうだった…」

サランの叫び声が森中にこだまする。その言葉に魔物に突進していたアラルは反転しティーナを抱きかかえるとそのままフォーティーの下へと戻る。

「頼りになりますね、小さな指揮官」

「へへ…」

フォーティーはサランに笑顔を見せると帰還したアラルたちと共に転移したのであった。ドーネル王国の寄合所に戻り、倒した魔物をフォーティーの異空間から取り出す。異空間には生き物は入れられないが、死体なら入れることができるのだった。

「こんなに…。森の主ではなかったのですか?」

驚きを隠せないスタニにアラルはやれやれといった表情を見せる。

「恐らく森の主と呼ばれていた強さの魔物は複数体いてどれも桁外れの強さだった。新悪魔の魔物化をなくさない限りこいつらがいなくなることはないだろうな」

「そうだったんですか。だからランクSのチームも負けてしまったんですね」

言葉を言いきってスタニはハッとした。

「ランクSのチームができなかったことをあなた方はやり遂げた…」

「だな、そういうことになる」

「これは認めるしかないでしょうね。ティーナさん、あなたをランクSとして登録いたします。リーダーはアラルさんでよろしいのですか」

アラルは周りを見渡すが、皆うんうんと頷いていた。

「では、アラルさんたちのチームをランクSのチームとして認定いたします。寄合所の組織としては頂点のランクとなります。なにとぞ節度ある行動、そして世界のために力を奮ってもらえればと思います」

その後アラルたちは依頼の報酬をたんまりと貰い、即座に武具などの買い物に出かけたのだった。

「ぬいぐるみ」

サランの呟きにアラルはハッとする。

「分かってるよ」

「それならよろしい」

サランはニッコリとしながらアラルと手を繋いだのだった。

この時のアラルたちはまだ知らない。世界に名が売れるということの本当の意味を。


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