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already dark, however still blue ‐血鎖絶ち斬れ不退の純青‐  作者: 浮城燈往
エピソード3 魔女の鳥籠
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6‐5 志緒の抵抗

 上半身を起こすと、一度、伸びをした。頭を掻き、胡坐をかいた脚の上で一度、手を組んだ。

「――起動」

 星の刻まれた志緒の眼が、仄かに輝き始める。

「ちょっとあの子の具合を見てくるの」

 そう言って【魔女】が出ていってから、間もなく一分。だが、彼女の目指す先には既に目的の人物はいない。《機関》の少女が降りた階段は二階で終わっており、いまは一階へ続くルートを探してあちこちうろうろ彷徨っていた。“選別”の能力を持つ【魔女】であっても、この入り組んだ建物の中から探し出すのは一苦労だろう。諦めて戻って来るにしても、まだ猶予はあると見た。

 範囲を広げる。前線基地には梅島琴羽他、いまのところ動きはない。

 さらに拡大。……《ディヴィジョン》一体いない、澄み渡った青い空。異常な光景だ。“青海波”の脅威によって雑魚が逃げ散っていなければ拝めない景色だろう。最期に珍しいものが視えたな。

 その空を、一台のヘリが横切っている。戦闘の必要がないせいか、極力まで引き上げた速度で。

 メリサは、あの中に乗っている。

「……まあ、キミに看取られるなら、悪くない最期かな」

 志緒は目を閉じた。深く、息を吐き出す。

「でも、まあ。望んでない終わり方だね。ちょっといらっとする」

 ごろん、と仰向けに倒れ込むと、薄らと目を開いた。

 視神経の奥で、噛み合うような感覚。途端に、宙にいくつものウィンドウが浮かび上がった。志緒は指でぱちぱちと操作すると、最後に表示された承認ボタンをとん、と叩く。

「……どうせ、死ぬのなら」

 宙に投影されたいくつもの映像の中から、先ほどと同じヘリが映ったものを引き寄せた。窓が直前に来ても、さらに拡大し続けると、内部の様子までが伺い知れる。ここからでは知る由もないはずの光景の中から、一人に目を留めた。星が曲がり、光が尖る。

「アンタの大事なものを、道連れにしようかな」

 拘束されたメリサの横で、俯いた、それでいて凛とした眼差しをした、まだ幼さの残る少年。

 【魔女】が待ち焦がれる人物を、射抜くように。


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