戦闘開始
今回は戦い話です!
戦闘シーンを書くのは初めてで下手くそかも知れませんがどうぞよろしくお願いします!
それでは6話目スタートです!!
僕達は森の南側に移動していた。後ろには魔法部隊が高台を作った。
いよいよ戦いが始まる。護身用の剣が手汗で滑る。
「大丈夫だって晴。俺達が絶対に守ってやるからよ。それに今の俺、結構強いんだぜ?」
湊が笑いながら僕を励ましてくれる。
「怪我しても私が治してあげるよ!!」
小林さんが笑いながら言ってくれた。可愛い.....
「ありがとう湊、小林さん。」
「森の西よりゴブリンの群れが見えました!!!」
「よし晴、魔力を解放しろ!!!!」
「.....はい!」
体の穴という穴から魔力を解放するイメージをする。
「ゴブリンの群れがこちらに進行を変更!!向かってきます!!」
「第一次魔法部隊、詠唱を開始しろ!!!!」
魔法部隊が詠唱を始めた。高台には色とりどりの魔法陣が、まるで花のように広がっている。綺麗だ。
詠唱は数秒で完了した。
ゴブリンの群れが姿を現した。それはおぞましい数が横に数十mは広がっている。
「魔法部隊、攻撃開始!!!」
フェルゲンさんの合図に魔法部隊が攻撃を開始した。
その光景は圧巻の一言だった。目の前に広がっていたゴブリン達が一瞬にして消え、代わりに血の海が出来上がっていた。
「第二次魔法部隊、第一次魔法部隊と交代し、詠唱を開始しろ!!」
その行動は何一つ無駄がなかった。
「第二次魔法部隊、攻撃開始!!!」
またあの光景だ。それでもゴブリン達は攻め続けてくる。
まるで死ぬ事を恐れていないように。僕達はその光景にゾッとした。
「あれがゴブリンロードのアビリティだ。催眠。ゴブリン達を自分の思った通りに動かせるアビリティだ。だからゴブリン達は仲間があんなに死んでも恐れず向かってくるんだ。」
「酷いアビリティですね。」
湊が少し怒ったような声で言った。
「そうだな。だが、ゴブリンロードさえ討伐すれば催眠は解ける。」
「それではゴブリンロードの討伐を最優先ですか?」
「そうだ。そしてその役目を氷堂、お前にして貰う。」
「俺が合図したら真っ先にゴブリンロードの所へ行って討伐しろ!あと、ゴブリンロードにはホブゴブリンやゴブリンメイジと呼ばれるゴブリン達がいるから気をつけろよ。」
「了解です!晴ごめんな。お前の事ずっと守れねぇみたいだわ。」
「いいよ。それに僕もずっと湊に守られるのは嫌だしね。早く倒してこの戦争終わらせよ。」
「当たり前だ。また晴の部屋で喋ろう。」
僕達は頷き合った。
「よし、魔法部隊が大量のゴブリンを殲滅してくれた!現段階のゴブリンの数はざっと二万ぐらいだろう!!後は俺達がゴブリンを殲滅する番だ!魔法部隊はこれから援護に入る!お前達!!!この戦い生きて帰るぞ!!!」
「おぉぉおおおおお!!!」
「戦闘開始!!!!」
フェルゲンさんの言葉で全員が動き出した。
この世界の人間の戦いは凄かった。
人間1人に対してゴブリン達が多数で襲うが、全て返り討ちだ。
斬撃を飛ばす人もいれば、魔法を使いながら戦う人もいた。
だが数というのはそれだけで力だ。数十分が経つとだんだんこちらに疲れが見えてきた。
そして、1人の騎士が殺された。ゴブリン達は何度もその騎士を短剣で刺している。
その姿に何人かの騎士が怯んだ。その瞬間、騎士の胸に短剣が刺さっていた。そのまま騎士は地面に倒れ込んだ。
一瞬の出来事だった。全てが順調だと思われていたが、形成が逆転した。
「フェルゲンさん、行ってもいいですか?」
湊が悔しそうな顔をしながら言った。
「あぁ。頼む氷堂。」
フェルゲンさんが苦々しい顔をしていた。
「紫垣、晴を頼んだぞ」
「早く行け。」
「晴、行ってくる。」
「さっさと倒してきてよ、湊。」
湊は笑って頷いた。
目の前が一瞬光った。湊がいた場所には黒い煙だけが残っていた。
――――――――
湊は雷の速さの中、ゴブリン達を次々と倒していった。
雷神脚。雷神のギフトの力で雷の如く移動できる。
目の端に騎士が6人ほどのゴブリンにやられかけてるのを見つけた。
1匹が短剣を振りかざしていた。湊は一瞬にして騎士の元まで移動して、短剣を薙ぎ払った。
ゴブリン達が湊の事を確認した時には、頭が地面についていた。
一瞬の出来事である。これが人間族で7番目に強い人間である。
そのまま、湊は雷神脚を使い移動する。
ピンチな仲間がいれば、助けて敵を撃つ。
たった人間1人の介入で形成は逆転した。
目の前から火の玉が飛んできた。それをギリギリでかわし敵を探す。
ボロボロのローブを着て、杖を持ったゴブリンがいた。
あいつがゴブリンメイジっていうやつか。ちょっと厄介だな。
次は左右から無数の矢が飛んできた。
「ちっ、めんどうだな。」
一旦後ろに下がり距離を置く。
左右には弓を持ったゴブリンが無数にいた。
「あれをやるか。」
ゴブリン達の頭上に雲が多い被さり始めた。
天候操作。雷神のギフトの力で天候を操れる。
「建雷命。」
ゴブリン達の頭上に巨大な雷が落下した。3つの雷の柱ができた。
雷生成。雷神のギフトの力で雷を生成できる。威力も決めることができる。
前から異様な力を感じた。
「やっとボスのお出ましか。」
ゴブリンロード達が森から出てきた。
「早く倒さないとな。」
現段階のゴブリン達の総数は一万程。状況はこちらが優勢だがいつ逆転されるかわからない状況だった。
「それじゃ、さっさと決めにいくか。」
雷神脚でゴブリンロードの元まで行き、そのままの勢いで首を切り落とそうとした。
だが、湊の剣はゴブリンロードの首に達するまでに弾かれた。
湊は距離をとった。巨体のゴブリンが八体、ゴブリンメイジが三体、そして黒色の巨体のゴブリンが一体、後は王冠を被ったゴブリンロードだ。
俺の剣を弾いたのは、この黒色か。巨体がホブゴブリンだとすると、こいつはなんだ。
「困惑しているようだな。人間よ。このゴブリンはオーガと言ってな、ゴブリンの上位種だ。」
湊は驚いた。ゴブリンロードが話したのだ、それも片言ではなくしっかりと。
「私が人間の言葉を話すのがそんなに不思議か?お前達は我々を見くびりすぎだ。我々は常に進化を遂げている!その証拠に今も我々の同士がホブゴブリンになろうとしている。」
まずい。もしゴブリン達が進化すれば形成は一気に逆転される。早くこいつを倒さないと。
「御託はいいから、早く来いよ。」
「オウニ ムカッテソノクチ ユルサナイ」
ホブゴブリン達が襲ってきた。
「やめろ、お前達!!」
ゴブリンロードが叫ぶが、時すでに遅し。
ホブゴブリン達の斧や剣をかわし、首を切り落とした。2体目にいこうとした時、氷塊が飛んできた。
後ろに避けて、一息つく。ゴブリンメイジが厄介だな。
ホブゴブリン達の動きは単純で力任せだが、奴らは嫌なタイミングで魔法を撃ってくる。後ろから殺気がした。
慌ててしゃがんで避ける。首があった位置に剣が一閃する。
黒色の巨体、オーガだ。大剣を振りかざし、その風圧で煙が立ち上がる。
煙に紛れて、次は石の塊が飛んできた。
やばいっ!左腕にもろに当たってしまった。
左腕の骨が折れた感触がした。幸い、骨折ぐらいなら、俺のアビリティで治るが、数分はかかる。
右手1本でこの人数はやばいか。いや、まだ魔力は残っている。まだ大丈夫だ。
剣を地面に突き刺す。
「雷沼。」
雷を作り、剣を通して地面に流す。
この技は近ければ近いほど、ダメージが大きくなる。遠くても、動きを一瞬止めるくらいにはなる。
ゴブリン達の動きが一瞬止まった。
湊はすかさず雷神脚で移動して、ゴブリンメイジ三体を倒した。オーガは近かったので数十秒は動けないだろう。
ホブゴブリン達が動けるようになり襲ってきた。攻撃を避けながら居合の体制に入る。
「雷神一閃。」
剣に電流がながれ、二体のホブゴブリンの体を真っ二つにし、電流が流れる。
「雷神華。」
流れた電流が華のように放電され、四体のホブゴブリンの胸を貫通する。
雷操作。雷神のギフトで雷を操れる。
最後のホブゴブリンが斧を振り上げるが、頭上から大剣が振り下ろされ、体が半分に割れた。
オーガは怒り狂って、敵と味方の判断も分からなくなっているらしい。
戦いは冷静さをかけた方が負けんだよ。
オーガの動きは単調になっていた。湊はそれを全て避けて、オーガの右腕を飛ばした。
おぞましい叫び声が響いた。湊は左腕も飛ばした。
オーガが湊を睨む。憎悪に満ちた目だ。
「悪いな俺も死ぬわけにはいかねぇんだわ。」
オーガの首が空に舞った。
「次はお前の番だ。ってあれ?いないし。」
ゴブリンロードは森の中に逃げていた。
「王なのに味方をおいて逃げるのか.....」
湊はすぐさまゴブリンロードを追った。
数十m先に王冠が見えた。湊は治った左手を前に出した。
「雷神槍。」
手から雷の槍が放電される。それはまっすぐゴブリンロードを貫いた。
生死を確認するために近づいた。
「お前達の...まけだ。」
「負け惜しみか?」
「私を...殺し...ても止まら...ない。」
「どういう事だ!!」
「や...くめ.....はたしま.....した。」
湊は嫌な予感がした。すぐさま森を出てみると。
「これはどういう事だよ!!?」
ゴブリン達は戦いを辞めていなかった。目の前で大量の仲間が死んでも、怯むことはなかった。
さらに、黒色の巨体が数体いた。戦況は絶望的だった。
「晴が危ないっ!!!」
湊はオーガに目もくれず晴達の元に移動した。
頼む無事で居てくれ。
戻るとそこには、数人の魔法部隊と傷だらけのフェルゲンさん、怯えた顔をしていた晴、片腕が無くなった紫垣。そこに悠亜の姿はなかった。
そして、全員が向いている方に元凶がいた。
ピエロの顔に体からはコウモリのような羽が生えている。
「いやいや、遅かったですね?雷様?キャハハハハハハハ。」
ピエロは狂った様に笑っている。
「初めまして、私は強欲の王。フリードと申します。どうぞお見知り置きを。ちなみに私は魔族です。」
ピエロはニンマリと笑った。
氷堂君がかっこよすぎますね。
それと氷堂君で7番目なら上位の人達の強さが気になりますね!!
読んでくださってどうもありがとうございました!