見知らぬ地
2話目です!まだまだ小説を書くのに不慣れですがよろしくお願いします!
きっと僕は死んだのだろう。辺り一面真っ白の世界、でも不思議と孤独感がない。どちらかと言えば心地よい。
今日の光景が蘇る。親父に暴力を受けたこと、朝の風が気持ちよかった事、氷堂君や小林さんと話せた(挨拶した)こと、紫垣に呼び出されたこと...
「こんな事なら名前呼んどけば良かったな...」
「まだ呼べる」
とても優しい声がした。真っ白の世界が一面草原になり花が生え、世界を色付けた。
ぶわっと風が吹いた。そこに一人の女の人が立っていた。緑色の髪をした美しい女性だ。透明感のある肌に綺麗な目、鼻はスっと通っていてそれでいて大きくない、少し小ぶりな口は可愛さをも思わせる。女神。その言葉しかこの人を言い表せないと思った。
「だ、だれ!?」
「これは私からの贈り物。あなたにだけの贈り物。」
女性の手から魔法陣が浮かび上がった。魔法陣が粒子状になって僕の体の中に吸い込まれていく。手でそれを追い払おうとするけど、どんどん吸い込んで行く。全てを吸い込むと女性はその場から消えていた。
意識がだんだん遠のいていく。最後に現れた女性が言っていた意味を意識が途切れるまで考えていた。
ーーーーーーー
意識がはっきりしてきた。目を開けると氷堂君が手を振りかぶっていた。
「起きろ晴!!」
「ちょ、ちょっとま、くはっ」
パチーンという音が響き渡った。僕ってこういう起こされかたしかされないのかな...。
それにしてもビンタってこんに痛かったっけ?グーパンされてるかと思ったよ。
「うわぁぁあ、すまない晴!!」
「ううん大丈夫だよ」
起き上がるとすぐ近くに小林さんが眠っていた。良かった、小林さんもいる。その横に紫垣もいた。よく見ると僕達と同じ制服を着た人がたくさんいた。
辺りを見回すと、等間隔に建てられた柱、何を表しているか分からない壁画、そして人の形をした石像があった。
多分ここはどこかの神殿なのだろう。
「晴、上見てくれよ」
「上になにかあ.....」
それは僕達が今いる場所が、僕達の知っている世界では無いことを物語っていた。
魔法陣だ。僕らの頭上に直径50メートルにも近い魔法陣が描かれていた。
「い、一体これはな、なに」
「俺もよく分からない。いきなり目の前が白くなったと思えばこれだ」
(魔法陣...夢で見たのと似ている。何か関係あるのかな?)
「あのさ、氷堂君は」
1人の女子生徒が起き上がった。
「ここはどこ...きゃぁぁぁぁぁああ!!!」
上を見上げて叫んだ。(分かるよ、あんなの見たらびっくりするよね)
その声で生徒達が起き上がった。そして全員上を見上げてパニック状態になってしまった。
氷堂君が落ち着くように声を出すけどみんなの声がデカくて通らない。紫垣でさえ唖然としている。小林さんは...まだ眠っている。(君のその図太さ見習いたいよ)
背筋に悪寒が走った。体がガクガクと震えている。全身の細胞が危険だと知らせている。
今までパニックだった生徒達全員が静まり返り、分からない恐怖に怯えている。僕もその1人である。
そんな時1人の声がした。
「ようこそ、みなさん、異世界アマナンドへ。私の名はエドマンド・アルベール。神王国家イツアムーナの王でございます。」
恐る恐る声がした方を見てみると、そこには齢60ぐらいのおじいさんが立っていた。横には鎧を着た護衛の人が何十人も並んでいる。
エドマンドさんは僕達の反応を確かめつつ、話を続けた。
「今からみなさんの身に起きた出来事を全て話します。そして、この世界のことを」
読んで下さってありがとうございます!書くのが下手ではありますがやっぱり小説を書くのは楽しいものですね。次の話は説明会なので少しややこしくなるかもしれないのですが、出来るだけ分かりやすく書こうと思っているのでこれからもよろしくお願いします!