ご飯
第7話!なるべくキチンと出せるように頑張ります。
白川と分かれた後、翔と美空は、街を歩いていた。翔が街の中身をそれほど知らなかったからだ。
「カケ兄って、ダンジョンに入ってたんだよね?」
「おう、そうだぞ。」
「丸一日?」
「ん?一日も入ってなかったと思うが。」
「だって、私たちが起きた日を1日目だとして、その1日目にはカケ兄居なかったもん。」
「うぇ?マ、マジで言ってる?」
「うん。」
そう、翔は、ダンジョンに入って丸一日、寝ずにモンスターを狩りまくっていたのである。彼はゲーマーであり、集中していると、夜が明けていた、なんてことも向こうの世界ではあったのだ。
「そ、そうか。うん、、全然気がつかなかった。ダンジョンの中は時間間隔が狂うな…。」
「ま、まあいいや。美空、ご飯どうする?ダンジョンで取れた肉ならあるけど。食べるなら、どっかで調味料買って、ぱぱっと作っちゃいたいんだが。」
「そういえば、カケ兄料理できるもんね。」
「ああ、それに『料理』スキルも取ってみた。」
「あれ?スキルって取れるの?」
「ん?知らなかった?」
「うん。」
「『ステータス』の残りSPって所をタップして、そこからスキルは買えるぞ。」
「わかった。やってみる。『ステータス』っ!」
名前:島原 美空
レベル:1
HP:700
MP:200
POW:90
VIT:90
INT:170
SPD:95
LUK:20
スキル:なし
残りSP:0
「素の値結構高いな。すぐ追い抜かれそうだ。てか、SP無いんならやっても意味ないんじゃないか?」
「それもそうだね。」
「とりあえず、俺がダンジョンで取ってきたもの売って、調味料買おう。んで、あ、そうだ。美空はどこで寝てるんだ?そして俺はどこで寝ればいいんだ?」
「今更だね…。今日は突然のことだから、カケ兄の部屋は用意されてないんじゃない?」
「だよなぁ。そもそも俺のこと分かる奴いるのかな?」
「で、と、とりあえず今日は私の部屋で寝ない?」
「そっちがそれでいいならいいが…。いいのか?周りに変な噂とか流れて嫌にならないか?」
「いいの!大丈夫だって!今日、カケ兄は私の部屋で寝ることに決定!」
「わ、わかった。じゃあ、調味料買って、美空の部屋で作って食べようか。」
「うん!」
そうして2人は、道具屋によって調味料を買い、美空の部屋に来ていた。
「よし、できたぞ~。『ダンジョンデトレタヨクワカランヤツノニクヲリョウリシタモノー』だ。」
「カケ兄ってネーミングセンスぶっ飛んでるよね…。」
「う、うっせっ。旨けりゃいいんだ、旨けりゃ。」
「「いただきます。」」
「「うっま!!!」」
そこから2人は無言でダンジョンの肉を貪るように食べていた。
「「ごちそうさまでした!」」
「ふ~、旨かったな。」
「そうだね!すっごくおいしかったよ!」
「ん~、俺ここまで料理できなかったしな。やっぱり『料理』のLvが10なだけあるか。」
そう、『料理』スキルは、料理中の細かな動作補助だけでなく、出来上がった料理の味を良いものへと調整するのである。それがLv.10なのだから、三ツ星レストラン並みのおいしさになるのだ。
「カケ兄…どんだけがんばったのさ…。」
「わからん位頑張った。それはそうと明日はどうする?俺はまた、ダンジョンに潜りたいんだが。」
「ダンジョンは生徒会長の命令で封鎖されているよ。勝手に入って死んじゃったら困るって。」
「なるほど、じゃあ明日は生徒会長の説得だな。」
「そうだね…。じゃあ寝ようか!。」
「おう、じゃあ俺は床に寝るから、おやすみ。」
「ダメ!カケ兄と一緒に寝るの!一緒に寝るの!」
「いや、それはダメだろ!?」
「ねぇ、ダメ?」
目を潤ませて美空は翔を見る。
「あ~、もう!泣くのは無しだ!わかった、一緒に寝る。」
「やった~!じゃあおやすみ~♪」
そういって美空は翔に抱きついて寝た。
「抱きつくのはって言う前に寝ちゃったな。安心したのかな。はぁ~、だいぶ心配かけたみたいだな。これからは心配かけないようにそばに居るからな。よし、じゃあ久々の睡眠を享受しますかな。おやすみ。」
こうして、翔にとって1日目、美空にとって2日目の夜は更けてゆく。
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