表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/13

短剣の使い道と魔法

(かける)美空(みそら)は生徒会長のもとへ行ったあと、再びダンジョンへ潜っていた。お昼ごはんは、翔特製『ダンジョンノ以下略』であった。かなりおいしいので、なかなか離れられないのである。ダンジョンにてまず翔が行ったことは、糸に短剣をつけることであった。


 「この『黒の短剣』ってのは持ち手の後ろに穴が開いていて、なんだかクナイみたいだな。まあ、そのおかげで糸を通せるんだけどな。」


 「カケ兄、短剣に糸をつけて、どうするの?」


 「ん?まあ、見とけよ。」


 そうして翔はモンスターに向かって走り出す。その間に、糸をつけた短剣をモンスターに向かって投げる。否、正確にはモンスターの向こう側の地面である。モンスターの頭上を通り越して、地面に突き刺さる短剣。翔の腕は投げた後、糸をピンと張れるように手元にある糸を掴んでおき、翔の頭上に持っていく。そして、


 「『ギロチンカッター』」


 一気に腕を振り下ろす。ピンと張られた上、スキルによって強化された糸はピアノ線なんかよりももっと鋭く、カーボンファイバーで作られたワイヤーよりも高い強度を持っている。『ギロチンカッター』を喰らわされたモンスターは音も無く頭から真っ二つに切られ、消えてゆく。


 「ふ~、なんとかなったな。」


 「おぉ!かっこいいよ、カケ兄!」


 「ん~、だがまだいける気がするな。」


 2人はさらに潜り、4層まで到着した。


 「そういや、魔法スキル取ったけど、使ったことねぇな。使ってみよ。」


 ちょうどモンスターが現れた。


 「ちょうどいい。『アクアバレット』」


 文字通りの水の弾丸が現れ、敵を貫いてゆく。


 「なんか、体から抜けていくような感覚があるな。ちょっとこの感覚つかんでみるか。」


 そうして、翔は走り出す。モンスターを見つけは水の弾丸を撃っていく。だが、


 「おわっ!?」


 5体目のモンスターを倒したところで、翔は倒れてしまった。


 「な、なんだ?急に体から力が抜けて…。ま、まさかMPが尽きたっていうのか!?うっそだろ!?」


 そう、翔はMPを空にしてしまった。だが、


 「お?なんか体に力が戻ってくるな。MPが回復してるのか?」


 MPとは結構早く回復するのである。一度尽きて、5秒ほどすると回復が始まるのである。さらに翔の総MPは現時点で90と美空と比べてかなり少ないのである。だから、完全回復までの時間が短く、体の硬直時間も短いのだ。


 「魔法を糸から出せたら便利そうだよな~。やってみるか?」


 魔法も戦闘術スキルと同様に自分で考えたものが使えるのである。スキルを使って強くなるのに必要なのは、そのスキルでどんなことがしたいのかという想像力である。長年、ゲーマーでオタクであった翔にはその辺がとても強いのだ。


 「『水魔法』と『糸術』をあわせて、いや、『風魔法』を使ってみるか。技のベースはさっきの『ギロチンカッター』で後は…。」


 数十秒後、


 「よっし、できた!さっそく試しうちじゃー!」


 哀れモンスター。出てきてはサンドバックに使われるという悲しきモンスター生だったのだ。


 「いくぞ!『ギロチンカッター絶対真空(エアリウム)』!」


 先ほどの『ギロチンカッター』もなかなか驚異的だが、『絶対真空(エアリウム)』となった『ギロチンカッター』も驚異的だ。『ギロチンカッター』の形にもっていき、そこに『風魔法』を併発させ、糸の周りを絶対真空にする。その状態で振り下ろすので、空気抵抗を受けずに敵を倒すことが出来るのである。


 「いいねいいね!MP的にも多分問題ないだろ。そこまで体から力が抜けてる感覚しないし。よし、かえろ。結構楽しかったな。他の属性でも考えてみよ。」


 翔は魔石を拾い、地上へと帰ってゆく。1人で。美空は翔が魔法に没頭しそうになったときに帰ったそうな。美空も短杖を使ってある程度試しうちしたので、満足したようだった。

 

 「帰って、飯食ったらまた考えよう。楽しみが出来てよかった。」




読んでいただきありがとうございました。評価、コメント、ブックマークなどしていただけたら有難いです。おととい、PV100越えありがとうございました!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ