田舎 ー後編ー
「かっかわいい…」
きがつけばそう言っていた
その娘は「で?お母さん…この人が私の『代わり?』」
お母さんは「こらっ」と少し怒る。
それもそうだろう…これから黒騎士として『死にに行くようなもの』なのだから。
でも、これしか選択肢がなかった…
もう少し考えればあったかもしれない。
「ねぇ…カナン…」
カナンというのは俺の偽名。
死んだ兄の名前に少し反応をした美少女。
「兄の名前を…へぇ…名無しね…」
名無し?
ゆっくりとその娘は「私はカレン。」と自己紹介をする。
「よろしく…」とだけ言っておいて俺は名前の似た感じから本当に兄弟だったのだと思う。
カノン…か…
なんか懐かしい。
「ねぇ…余所m……にいさま」
いま余所者って言いかけたな!!!!
「なんだ」不機嫌にそう答える
「貴方が私の代わりに黒騎士になるとかいってるけど…」
母親は、はっとし「こら!!」と言う
しかし気にせずに続ける
「貴方がどうしようと私は自分の意思で黒騎士になる。」
唖然とした。
おそらくだが『兄の敵だ!!!』とでもいうのだろうか。
「なぜなら亡き兄の為!!!」
ほらね
俺は兄のふりをしてこうカレンに言う。
「争いは何もうまないぜ。ほら兄さんだって行きたくて戦場に行ったわけじゃないだろ」
俺かっこいい
「いや父の敵で行った」
まじかよ!!!!!!!!!!!!
そのうち母も「敵」とか言い出すんじゃないだろうか。
「ともかく…やめておけ…兄だって死んでほしいとは思ってないだろ。」
「むぅ…」
「ふぅ…」
ゆっくりと説得する姿をみて母親が安堵したらしい。
たしかに娘を戦場に行かせたくないよな。
俺が父親だったら反対する。
兄でもだ!!!!
ーカレンの回想ー
「まったくあの余所者は何しに来たんだ」
だけどなんか嬉しかった。
この街にはろくな男子がいない。
みんな私を止めずに「いけばー」だの「そんなことより酒場いかない?(おそらく売り飛ばす)」
そんな事しか言わない。
でも反対してくれたたった一人の…
でも私は敵をうつ。
何がなんでも。
そして戦争を終わらせる。
続く
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