心配
「……ねぇ、琴姫っ!」
「ん?何?」
「…僕達にちゃんと頼ってね!!」
「え?」
悲しそうに笑っている蒼
そんな蒼を見た私は呆然とするしかなかった
蒼と会ってそんなに時間は経ってない
だけど蒼は “来る者拒まず去る者追わず” の人だと思ってた
他人には…いや、あの3人以外の人には興味がないんだと思っていた
だから私に対してそんなことを言うのが信じられなかった
現に私以外の人も蒼が言った言葉を聞いて驚いている
「なんだよー!みんなしてそんな顔して!」
「いやだって……」
「とにかく頼ってよね!僕たちは “仲間” なんだから!」
「あ、はい…」
蒼は私の言葉に満足したのか満面の笑みで笑っている
さっきまで驚いていた3人も優しく笑っていた
多分蒼は私がまとう雰囲気を感じてこんなことを言ったのだろう
嬉しい。純粋にそう思った
私のことをちゃんと見てくれている人がいるなんて…
今までの人たちは私のことを深く見てくれる人なんていなかった
私の表面上だけしか見てくれなかった
だから嬉しいという感情と共に驚きという感情もあった
普通の人ならこう言われたらすぐに頼る人もいるかもしれない
でも私はそんな言葉だけで信じるとか無理
“言葉だけの約束なんて簡単に破れる”
私のおばあちゃんが口癖のように言っていた言葉
そんなことないってずっと思ってた
だけどある時おばあちゃんの言っていたことは本当だったって気づいた
だから私のことを心配してくれていようが私があなた達を頼ることはない
確かにこの学校に転校して “優等生” という仮面ははずれた
これからはその仮面をかぶることはそうそうないだろう
だけど私には “仲間思い” という仮面をはずすことは出来ない
本当の私は仲間思いではない……はず
それ以上に “人を信頼する” ということは私にはあの日を境に今までも、もちろんこれからも出来ないと思う
私はこれからも今まで通り仮面をかぶって生きていくんだ




