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混魂転生  作者: 炒豆きな粉
第1章 出会い編
8/18

訪問の理由

ミーナの出番が少ない……

7月2日内容付け足しました。


社に戻ってきたコウたちを出迎えたのは朝の訓練を終えたミーナだった。


ミーナはコウとタマモを見つけると、駆け寄ってきた。

「お兄ちゃん!タマモお姉ちゃん!おかえり!………後ろの人達って誰?」

「ただいまミーナ。この人達は俺たちが行こうとしてる魔法学園のあるアルラスト王国の王様達だよ。社にあがってもらうからまずは自己紹介して」

「そうなの!だったら挨拶しないと!初めまして、コウお兄ちゃんの妹のミーナと言います」


ミーナの自己紹介を聞いたオーガンド国王達は微笑み、自分達についてのことをミーナに話した。


「うむ、私はコウ君が言った通り、アルラスト王国の王でオーガンド・アルラストという者だ」

「儂はベイオルフ・クライハードと言って、王国騎士団長を務めている」

「私は名前はリーリン・フォレストフォード、王国魔法士団長をしているわ」


3人が自己紹介を終えるとオーガンド国王がミーナに顔を向けた。


「君もなかなか礼儀がなっているじゃないか。誰かに習ったのかね?」

「うんっ!、じゃなくてっはいっ!コウお兄ちゃんに教えてもらいました!目上の人には礼儀を通すものだって」


ミーナがそう言うとオーガンド国王達は「ほぅ」と呟き、コウに目を向けたが、そこでタマモから声が掛かった。


「そんな事より国王よ、御主達は腹が減っておったのではなかったか?」

「おぉそうだったそうだった、君たちの礼儀正しで忘れておった!」


そう言って国王達は「お邪魔するぞ」と言ってから、社に入っていった。



ーコウー



国王達の後から社に入り、居間に案内した後、食事を机に運んだ。


この社の炊事は今、俺とミーナが担当している。


タマモは初めの頃より料理の腕は上手くになってはいるが、ミーナの方が腕は上だった。タマモは「年上としての威厳が〜!」と嘆いていたが、稲荷寿司を差し出すと元気になってくれた。


そして朝は必ず和食にしている。


この世界の朝食は洋食みたいな物が多いので、和食に比べて健康が偏りやすい。

なので俺たちは朝は必ず和食にして、体調を整えている。


今日の献立は味噌汁、米、ほうれん草のおひたし、漬物、里芋の煮物、鮭(らしき魚)の塩焼きというものだった。


米がここの村付近が生産地だった事を知った時は驚いたが、それ以上に元日本人として米を食べれることはかなり嬉しい。


ついでに鮭らしき魚は偶然川の下流の琵琶湖程もありそうな湖で見つけた。


和食を見た事のない国王達は味噌汁が特に気になったのか、


「この茶色いスープはなんだ?」


と聞いてきて「味噌汁というものです」と言うと、


「味噌汁とは聞いた事がないのぉ」


と不思議そうに言ったが、タマモがベイオルフに


「ちょっと毒味してみるがいい、かなり美味いぞ」


と言ったので、ベイオルフは一口飲んでみると目を見開き、


「おぉ!これはうまいっ!」


と言った。


それにつられリーリンさんも一口飲んでみると、


「美味しい!」


と答えた。


毒味が終わったので国王も飲んでみると、


「ほぅ、この味噌汁とはなんとも美味いスープだ。今まで食べた事のないほど美味い」


と顔を綻ばせて言ってくれた。


俺の方を向きどうやって作ったのか聞いてきたので、味噌と鰹節もどきを見せてあげた。


国王は少しばかり譲ってくれないかとお願いしてきたので、余分に余っていた予備の分を差し上げた。


差し上げる時に俺は国王にある質問をした。


「そろそろどこかの商会に売り出そうと思っているのですが、いいところはありますか?」

「ふむ…」


そう聞くと国王は少し考える素振りをした後、ある大型商会の名前を出した。


「それならばコーンウェル商会という王家御用達の商会がある。そこなら小さき時から世話になっておるし、大衆向けの商品も売っているので信用できる。王都に戻り次第、コーンウェル会長に商談をしてもらうよう掛け合ってみようか?」

「お願いします」

「任せておけ。民にもこの食事を食べて貰いたいからな」


そこで話を終え、食事を再開した。

和食は大変好評であり、またいつか食べたみたいと言ってくれた時は作った者として嬉しかった。


食事後、国王からここに来た用件を聞いた。


どうやらタマモが半年程前に出した手紙が事の発端だった様だ。


「半年前に届いた手紙に【ベイオルフ程の実力を持つ無属性の子が居る】と書いてあってな、最近面白そう事が無くて退屈しておったので面倒な問題を終わらせ、大臣達にベイオルフとリーリンを伴うという条件付きで来る事を許可してもらったのだ」


溜まっている国務を全て終わらせ、大臣達に許可をもらってあの面子できたらしい。


何ともまぁ、フットワークが軽いというか何というか。さすが「賢王」と並び立つ程「祭人王」とも呼ばれる程に祭りや面白いことが好きな国王だな。


「だが、タマモはもう一つ手紙が届いておってな、それが今回の本題と言えよう」


タマモのもう一つの頼み事とはなんだろうか?と思ったが、俺とミーナの事を見た事から、なんとなくその頼み事が俺とミーナの事だとわかった。


「君たち2人は魔法学園に入ろうとしていると聞いた。そして、タマモからの頼み事とは今の君たち2人が学校に入れる程なのかどうかを見て欲しい、というものだ。なので特別に学校に入れるかどうか、テストしたいのだが、いいかな」


そう言い、俺たちに国王が質問してきたが、答えは決まっている。


「僕は大丈夫です」

「私も大丈夫です」

「わかった。では、早速テストを始めようか」


そして俺とミーナはテストをしてもらった。

問題は歴史、魔法理論、算数だけと基礎的なものだった。


魔法理論は以外と簡単で、『【ファイアーボール】の詠唱を書け』といった感じの問題だ。


そして問題を時間内に全て解き、見直しもして答え合わせをしてもらった時、すごく驚かれた。


何故なら俺とミーナは全問正解していたからだ。


普通は実技試験で成績が良ければ五割程答えられたら入学出来るらしいが、日頃からタマモに基礎から教わっている俺たちからしては拍子抜けだったというのが本音だ。


次に魔法実技のため魔法を見るらしい。


魔法学園の実技は年々でランダムで出されており、ある時は教師と対決する、またある時は土人形を崩すといったような試験らしい。そして今回は土人形の方にしてもらった。


リーリンさんに土人形を作ってもらい、それを破壊すれば、実技は余裕で合格らしい。


まずはミーナから始めることにした。


「それじゃあ行くよ!…【ファイアーボール】!」


ミーナの属性の火属性なので、下級魔法の【ファイアーボール 】を無詠唱で放った。


【ファイアーボール】とは、詠唱をすると掌に小さな火球を魔力で作り出し、標的に当たると小爆発する魔法だ。


しかし、ミーナが放った【ファイアーボール】はただの【ファイアーボール】ではなかった。


無詠唱で放たれた【ファイアーボール】は銃弾のように回転していて、土人形を爆発させることなく貫いた。


ミーナにこの方法を教えたのはもちろん俺だ。


【ショット】の練習をしていた時にミーナが偶然この方法を見ていて、やってみたいと言っていたので簡潔に教えてあげるとすぐに使える様になり、その後毎日続けて腕を上げている。


ミーナが無詠唱で【ファイアーボール】を放ったのを観たリーリンさんは驚いていたが、


「もし中級魔法が使えたら首席だって間違いなく取れますよ………あぁ、問題なく合格です。それでは次はコウ君、やってみてくれる?」


と言って、土人形を元に戻した。


ついでにリーリンさん達は俺が無属性である事は既に説明されていたらしいが、それでもこの人達は無属性だろうと人を見下す事はしなかった、なかなか稀有な人達だった。


なので俺は気兼ねなく無属性魔法を発動できる。 俺は無属性魔法の【ショット】を無詠唱で放った。


今回は最近できる様になった着弾後に爆発する弾を強くイメージしているので、発車後、土人形に当たった後に土人形は跡形もなく吹き飛んだ。


それを見たリーリンさんに、


「おぉ!これは新しい無属性魔法と言っても過言ではないですよ!コウ君、この魔法に名前は付いてますか?」


と聞かれたので、次からこの魔法を【グレネード】と呼ぶ事にする。


もちろん、俺も合格できるだろうと言われた。それを聞いたミーナは俺にハイタッチをしてきたので俺もハイタッチし返すと、国王が俺達にある提案があると言い、


「うむ、確かにこの実力ならば合格できるであろうが、悲しい事に魔法学校の教師には無属性というだけでおとす輩もいる。恐らく君が合格するとその者らにとって面白くない事だろう、君の合格をなかった事にしてきてもおかしくない。そこで私は魔法学園に君たちの推薦状を書こうと思っているが、どうするかね?」


そう聞いてきた。俺はその言葉を聞いて少し考えた。


(確かにその可能性は充分にある……、今の内に障害は排除しておくに越した事はない)


「では、お願いします」

「あぁ、君らの様な逸材を、他人の勝手で潰されるのは惜しいしわたしはそういう事が嫌いだからな、君たちには絶対に手出しさせんよ」


そう言って、国王は拳を固く握り締め、約束してくれた。


俺はこの国王の事は個人的には好意的な感情を持っている。この人は義を重んじており、種族問わず人々からも好かれており、この人になら支えたいと思う人達も珍しくないだろう。


恐らくベイオルフとリーリンさんも俺と同じ様な思いを持って、この人のに支えているのだろうな。


その後、ベイオルフから普段俺たちがやっている訓練をやらせて欲しいと言われたので、昼までその訓練を共にこなした。その時ベイオルフも氣功が使える事が判明した。


最初に一通りの訓練方法を聞いた時にベイオルフからは、


「ふむ、既に騎士団の先鋭部隊の訓練内容と同じくらいの訓練だぞ、これは……我らが王国軍も負けては居れぬな」


と言っていた。


その後、訓練の前後にやっていたラジオ体操を見てラジオ体操に興味を持ったらしく、ラジオ体操を教えてあげた。


ラジオ体操はするとしないでは怪我人の数がだいぶ減らせる。


どうやらベイオルフはラジオ体操が気に入ったらしい。そして考え込む様に腕を組んだ後、俺に


「コウ君、このラジオ体操を騎士団に取り入れてみたいのだが、良いだろうか?」


と聞いてきた。別に俺が作った訳でもないし、広めても害は無いので許可した。


そして昼飯の食べ、午後の訓練をして、リーリンさんに幾つか珍しい魔法を見せてもらって、新しい無属性魔法のアイデアの出し合い等をしたりと今までにない程、充実した1日を送った。


そして、国王達が夕方頃に時間が来たのか


「では、そろそろ帰らせてもらおう」


と言って一度俺たちが王都に行った時の確認をした後、馬車に乗って帰っていった。


ついでに馬車に乗る直前に、


「王都に来たら、一度王城に来てくれ。そこで推薦状を渡す。それと息子や娘達にもあって貰いたい」


と、ちゃっかり王子と王女様達と会う事を了承させられた。


「なんか面白い人達だったね、お兄ちゃん」

「そうだね、あの人達は個人的にも好感が持てるし、王都に行った時にまた会いに行こうか」


そうして俺たちは馬車が見えなくなるまで見送った後、社に戻り夕飯を食べて風呂に入り、眠りについた。
















はいそこ!最近タマモの出番がないとか言わない!

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