表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
混魂転生  作者: 炒豆きな粉
第1章 出会い編
3/18

異世界へ

今家で慰めてくれるのは、犬だけです。(涙


-コウ-


目を開けると俺は祠の様な所に入っていた。


石造りで小さいが、何処か神聖さを感じる。周りからは、木々が風で擦れ合う音が聞こえることから、森の中であることがわかる。


体を起こそうとしたが、思う様に動かない。

自分の目に小さな手があることから、自分が赤子だということがわかる。


(最初から鍛え直すか)


コウがそう考えていると、遠くからこっちに向かって歩く一つの足音が聞こえた。


その足音は祠の前で止まり、足音の主の全貌を見る事が出来た。


着物に少し似ている服装のその人物は綺麗な顔立ちの女性であり、腰まであるロングヘアの金髪で、瞳は碧眼で頭に狐の様な耳を持ち、尾骨の少し上辺りから、九つの狐の尻尾が見える。


「御主がアウリスの言っていた未来を切り開く者か。妾はタマモと言う、見ての通り狐獣人だ。これからよろしくの」


タマモと名乗った狐獣人の女性はそのまま俺を抱き上げ、自分の住んでいる社に帰って行った。


その途中、赤子故なのか俺は眠りに落ちていた。



-タマモ-


アウリスの奴が久しぶりに夢に出て来たと思ったら、いきなり人族の赤子を育てて欲しいと言ってきた。


別に妾は人族に偏見などは無いが、一部の人族の事は嫌っておる。

この村には様々な種族が住んでいるが、人族は住んでいない。村の外からお忍びで来る国王はいるのだが。

何故アウリスが人族の赤子を育てて欲しいのか聞くと、


「その赤ちゃんは未来を切り開く者だからだよ」


と答えた。


「未来を切り開く者?その赤子がか?」


「うん!お兄さんなら種族間の問題を解決する希望になってくれるよ!」


「……その言葉から察するに、その赤子は転生せしものだの。それにしても、希望……か。その赤子がそうなってくれると、嬉しいのだかの」


種族間の問題を解決するのは、難しい事だ。


だかもし、その問題を解決できる者が居るとするのならば、それは時代が変わる時でもある。


「その赤子の前世は、ちゃんとした人格者だったのかの?」


「そうだね〜人格はちゃんとしてたよ、それに前世でもすごく強くて、頭も良くて優しいんだ!」


「御主がそこまで言うからには、信用は出来そうであるの。しかしその様な者に妾は心当たりがないのだが?」


「それはそうだよ。だってお兄さんの前世はこの世界とは別の世界だもん!」


「何じゃと」


それを聞いた瞬間、妾はアウリスに真剣な顔で重要なことを聞いた。


「他の世界の者を、無理矢理連れてきたのではなかろうな?」


「大丈夫だよ!だって本人のお兄さんが自分で決めた事だもん!」


「………なら、文句はない」


アウリスは即答し、言い切った。此奴が嘘がつけない事は、妾が良く知っている。


なら、この世界の未来を担う赤子を、妾に受け入れない訳にはいかない。

種族間の対立を失くすのは妾の悲願でもある。200年前、人族の自己満足で世界の敵にされた者達がいた。世界のした誤解をそれを人族の赤子が解決しようとしている。拒む理由など、ない。


「わかった。その赤子の世話、妾が直々にするかの。その方がいろいろと面倒がなくなる」


「そうだね、よろしく!そろそろ時間だから、またいつかね!」


「うむ、またいつかの」


そして妾は夢から覚めた。そして祠の森の方に一瞬違和感が生じた。


恐らくアウリスの言っていた赤子が来たのだろう。

そう確信した妾はいつもの服に着替え、祠の森に向かって歩いて行った。


この祠の森は不思議な感覚がする。その感覚のせいなのか、魔獣が寄り付こうとしない。


祠への道を進みながら、子供の時に来た時の事を思い出す。


妾が産まれる前からこの森は存在していたらしい。初めてこの森に来た時は、この感覚の正体を突き止めようとして、迷子になって親に怒られていた。今でもこの不思議な感覚の正体はわからない。


随分と懐かしい記憶だ。そんな思いを募らせていると、祠が見えてきた。


祠の中には人族の赤子がいた。


その赤子はイクスティアでは珍しい黒髪黒眼で、赤子特有の可愛らしさがある。転生者であるからなのだろう。既に自我を持っているのか、ずっと此方にその黒い目を向けている。


「御主がアウリスの言っていた未来を切り開くものか。妾はタマモと言う、見ての通り狐獣人だ。これからよろしくの」


妾はそう言って赤子を抱きかかえ、社へ向かって歩きながら、この赤子の事を考えていた。


(この赤子は未来を切り開くものとアウリスは言っておった。その切り開いた未来がどんな結末を迎えるかなど、誰にもわからぬだろう。だが、その未来の為にこの赤子の親代わりをするのは、面白そうだの)


そう思いながら帰っている途中、いつの間にか赤子は穏やかな寝息を立て、眠っていた。


タマモはその様子を見て、微笑みながら歩き、途中、村の者達に会い、赤子の事を聞かれながら社に帰って行った。










漢字試験、受けよっかな。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ