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混魂転生  作者: 炒豆きな粉
第1章 出会い編
2/18

魂混転生

多少変えました。

-草薙 輝-


「んっ…」


気が着くと、俺は辺り一面が真っ白な場所にいた。

確か俺はトラックに轢かれて、恐らくほぼ確実に死んだはずだ。だが、俺には意識がある。しかし目覚めてみれば、見たことのない場所にいた。


「何処なんだ、ここは………」


全くわからない。だが慌てても意味がないので、冷静に現状がどの様なことになってるのか思考する。


自分はトラックに轢かれた、そして死んだとしよう。しかし仮に死んでいたとしてここは何処だ?病室ではないことは明白だ。


しばらく考えてみたがさっぱり分からない。


何か探してみるかと思った時、後ろから人の気配を感じ、振り向いた。


そこには老人が立っていた。しかし輝はこの老人が只者ではない事を、その気配から察していた。


「ほぉ、この距離で気付くとはなかなかじゃないか」


少し驚いたと言うのかの様に、手を叩きながら老人はこっちへ歩み寄ってきた。


「あなたは誰ですか?」


「儂はしがない老ぼれだ。君の好きな様に読んでくれたら良い」


老人はそう言い、歩みを止めた。そこで俺はこの老人、いや、爺さんに気になっていた事を聞いた。


「………だったら爺さんって呼びます。………爺さん、貴方は何者ですか。その気配は何度も修羅場を掻い潜ってきた強者の気配です」


そう言うと、爺さんは静かに俺の目を見て、俺が本気で聞いている事がわかったのか、小さくため息をついた。


「………よくその年で、気配の見分けがつくな。少年には驚かされる。だったら隠しても無駄だな。………儂は死ぬ前までは、とある国でエージェントをしていた」


「………なるほど、だからそれほどの気配を貴方から感じるわけだ。…それに、貴方も死んでしまったのですか」


「………………君も、か。………武に置いて惜しい者を亡くしたな」


お互いに沈黙しあって、少しの間が出来た。


そして俺は、爺さんとの会話を続けようとした時、俺の後ろに気配を感じた。


「「!ッ」」


一瞬で背後の気配を感じた俺は、跳びながら身を捻って背後を向き、地面に着いた瞬間に爺さんと共に

構えた。


そこには少女がいた。


綺麗な顔立ちで水色の髪と金の目を持ち、簡素な白いワンピースと可愛らしい外見だが、その身から圧倒的な神々しさを感じる。


俺と爺さんが警戒している中、少女が口を開いた。


「………二人共、かなりの反応速度と反射神経ですね。………私はこの空間を管理しているアウリスと言います。二人にお願いしたい事があるので、話を聞いてくれませんか?」


俺と爺さんはお互いに目線だけを合わせ、彼女に敵意がない事を確認して、構えを解いた。


「……わかった。それでそのお願いってのはどんなことなんだ?」


「………もっと警戒されると思ってましたが………」


「儂と少年ぐらいなら相手が敵意を持っているかいないかなど、すぐにわかる。………それに君もそんな堅苦しい言葉遣いをせずに、いつもの喋り方をしても良いのだぞ」


その意見には俺も賛成だ。アウリスの喋り方は何処か肩苦しさが感じられる。


「……うん、わかった。だったらいつもの喋り方で話すね」


そしてアウリスは見た目相応の口調に変わった。


「それで私のお願いの前に、二人は自分が死んだこと……その…気づいてる?」


「あぁ、実感はないけどね」


アウリスが聞いてきた質問に 正直に答える。


「そう…。今の二人は魂だけの存在で、このままでは消滅してしまうの。でも二人の様な魂は強くて、私のお願いを叶えてくれるかもしれないと思ったの」


「そのお願いって何なのじゃ?」


「簡単に言うと、ある世界の問題を緩和して欲しいの!。その世界の住人では、どうすることも出来ないから、二人に頼むしかないの…」


「つまり、その世界に転生して、問題を緩和して欲しいってことか」


「そうなの。…図々しいのはわかってるけど、もうこうするしかなくて………、だからっ「「別に良いぞ」」…………えっ!」


「だって生き返してくれるんだろ?。だったらお願いされたら聞かない道理はないよ」


「まぁ儂は長く生きたから、このまま消えても良かったのだが、少年と同じ様な感じだな」


「………本当に良いの?私達の問題を押し付けちゃって」


「これは俺の自己満足でもあるから気にしなくて良いよ。だからその問題は聞いたら、早速転生させてくれ」


輝がそう言い、爺さんが同意する様に頷く。

二人は正義など偽善でしかなく、ただの我が儘や自己満足同意思っている。だからこそ二人は己の信じるものを貫き、ここまで強くなったのだ。


「……わかった。だったら二人共私の手の上に手を置いて」


二人の意思を感じ取ったアウリスは、自分の両手を差し出し、二人もアウリスの手の上に自分の手を置いた。


瞬間、二人が転生する世界、イクスティアの問題が頭に入ってきた。


その問題とは、種族間の関係を良くすることであった。


「あ!」


そこでアウリスが驚いた様な声を上げた。


「どうした?」


「その……二人の魂が強すぎて………今の私の力だと、一人しか……送れないの…」


そう言ったアウリスは暗い顔になった。


「……つまり、俺か爺さんのどっちかしか、イクスティアに行けないのか……」


どうしたものかと考えていると爺さんが俺の肩に手を置き、「君が生きなさい」と言った。


「………良いのか爺さん?そうすると爺さんは……」


「あぁ、わかっている。だが、私は仕事上、あまり普通の人と話す機会がなかったのでな。それだったら君の方が適任だ」


「…爺さん………」


爺さんは本気でそう思っている目をしている。

ここで爺さんの意思を曲げるのは、爺さんに対しての侮辱だ。


「………わかった。俺がいきます」


俺は爺さんの意思を尊重した。


「頼んだぞ。……しかし、君に押し付けてしまったのに何も渡せないのは癪だ。………………アウリスよ、さっきの記憶を移す方法を使っても、一人は送れるか?」


爺さんはアウリスに記憶を移したらどうなるかを聞いた。


「………ギリギリだけど、一人だけなら」


「だったら、少年に私の記憶を渡してくれ」


「………爺さん。何でそこまでしてくれるんだ?」


「……何故だろうな。儂にも分からん。だが、そうしたくなった」


「そう…ですか」


しばらくの間、静寂が空間を支配したが、爺さんが「やってくれ」と言い、アウリスが了解した。

アウリスが爺さんに両手をかざすと、爺さんから光が出て、俺に当たった。そして俺は爺さんの記憶を見て悲しくなったが、今は悲しんでいる場合ではない。


爺さんの体が薄れている。しかし爺さんは穏やかな顔をしていた。そして俺に向いて


「……君との語らいは、楽しかった……。またいつか、来世で語り合おう………」


そう言って、爺さんは消えた。


「……そうだな、だからその時が来るまで待っておいてくれよ、爺さん、いや、リチャードさん」


俺は涙を堪え、リチャードさんとの再会を約束した。


「………アウリス、俺をイクスティアに送ってくれないか」


「………わかった。向こうでお兄さんを育ててくれる人には、話をつけておくよ。またね、お兄さん」


「あぁ、またな、アウリス」


そして俺の意識は遠のき、イクスティアに転生した。






自分の才能の無さが辛いです。

他の作者の才能が望ましい。


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