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混魂転生  作者: 炒豆きな粉
第2章 旅立ち
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宴会

久し振りの更新です

宴会の会場となっている社の中庭では、既に村人達がそれぞれ作ってきた大量の料理が並んでおり、皆が今か今かと宴会が始まるのを待っていた。


俺はと言うと、ルナやアルフレッドさん、セリスティアさんと話していた。


「まさかミーナちゃんがあの歳で昇華しちゃんなんて、世の中何があるかわからないわね〜」

「確かに、私もセリスも過去に昇華したことがあるけれど、それでも20歳は超えていたからね」


アルフレッドさんとセリスティアさんは二人とも過去に数度、昇華した事があるらしく、今回のミーナの件をすごく驚いていた。


「やっぱりお二人からしてもミーナの件はちょっと異常なのでしょうか?」


俺は二人に問いかけると、二人は頷いた。


「まぁ、異常というよりは、普通はその子に何があったのか心配になる所だけど…」

「コウ君がミーナちゃんを鍛えたのなら、何となく納得できるのよね…。コウ君、子供にしては強過ぎるけど、人に教える事がすごく上手だから。ルナもそう思う?」


セリスティアさんが横にいるルナに問いかけると、ルナは頷いてから首を傾げた。


「ん、確かにお兄ちゃんが教える事はすごくわかりやすい。…でも何でお兄ちゃんは、ミーナお姉ちゃんより先に昇華しなかったの?」


恐らく、アルフレッドさんとセリスティアさんも気にしていたであろうルナの疑問に、俺は答えた。


「タマモも言ってたけど、昇華はその人個人の経験によるものだから、早いか遅いかは人それぞれ違ってくるものだよ。だからもし 俺より先にルナが昇華しても不思議はないよ」


俺が答えていると、横から聞き慣れた声が掛けられた。


「その通りじゃ、コウはその事を良く理解している様じゃな」

「コウお兄ちゃん、ルナちゃん、見てみて!」

『足元には気をつけてきださいね、ミーナ』


声のする方を見ると、タマモとユキカゼ、そして綺麗に着飾ったミーナが歩いてきた。


ミーナの着ている衣装は、祭事に巫女さんが着ている様な感じの格好で、普段はポニーテールにしている髪も今日は降ろしている。


いつもの活発そうな様子とは違って、この格好もかなり似合っている。


「…お姉ちゃん…綺麗……」


ルナは瞳を輝かせてミーナに見惚れている。


「えへへ、ありがとう。お兄ちゃんはこの格好はどう思う?」

「いつもと違うけど、そんな姿のミーナも綺麗だし、可愛いと思うよ」


そして頭を撫でてやると、ミーナは尻尾をブンブンと振りながら「くすぐったいよ〜」と言っていたが、嫌がる素振りは無い。


「全くお主らは仲が良いのぉ…、まぁ、それに越した事は無いが、そろそろ宴会を始めるかの」

『それもそうですね』

「やっと始まりますか。旅をしていた私達は、あまりこの様な催しをした事が無いので楽しみですよ」


アルフレッドさんはかなり楽しみだった様だ。


「私はアルと一緒に居るけど、ルナはコウ君と一緒に居る?」

「ん、一緒に居る」


ルナはセリスティアさんの言葉に頷くと俺の隣に来た。


「それでは…」


タマモがパンッと手を叩いて宴会の始まりを告げた。


「皆の衆、約40年振りの宴じゃ!初めての者が多いだろうが、今日は存分に楽しむのじゃ!」




数時間後…


タマモの宣言と共に始まった宴会は大いに盛り上がり、用意されていた料理も殆どが空になった頃、俺はため息をついていた。


「はぁ…、どうしてこうなった…」


俺は今の状況に、もう一度ため息と共にこう呟くしかなかった。


「ヒック、お兄ちゃ〜ん…えへへ〜」

「むぅ…、もぉ一杯……ヒック」


何故なら、ミーナとルナが酒を飲んで酔っ払っているからである。


ミーナは2杯で潰れて俺に抱き付いて胸元に頭を擦り付けており、ルナはまだ潰れてはいないが白い肌がいつもより赤かった。


「本当に、どうしてこうなった……」


何故、二人が酒を口に含む事になったのかと言うと、視界の端で俺たちの様子を肴に余った料理と酒を飲み食いしている人達の仕業である。


最初はタマモが祝酒という事でミーナに酒を勧めてきた。


それからまだ成人(この世界では15歳)していないのでミーナは遠慮したのだが、タマモが「酒を飲めない者は良い女になれぬぞぉ?」などと言ったらミーナは目の色を変えて「飲む!」と言い出したのだ。


その後、何故かルナも参戦して周り(と言っても主に三人ほどだが)の煽てに乗って酒を飲んだ結果、今に至る。


アルフレッドさん達は止めに入ったのだが、タマモ達に捕まって酒を飲まされ、机に突っ伏している。


そして、その元凶達はというと……。


「はっはっは!ルナの嬢ちゃんはドワーフでもないのに酒に強いな!はっはっは!」

「確かに子供なのに良く飲むな」

「それに比べて、ミーナは2杯であれ程酔っておる。あれではまだまだ良い女にはなれないのぉ…、くっくっく」


元凶であるガッドさん、オルドさん、タマモは全員酔いが回っているのか顔が赤いが、本人達曰く、あれでまだほろ酔いというレベルの酔いだと言うのだから酒に強いのも程がある。


「貴方達は、どれだけ酒を飲めば気がすむのですか……」


俺の呟きが聞こえたのか、3人はこっちに話をふってきた。


「くっくっく、妾達はまだまだ飲むぞ」

「コウももっと飲め飲め!」

「まだ酒はあるぞ」

「…………遠慮します……」


前世では身内の関係上、少し酒を飲んだ事はあるが、コップ一杯程だった。

爺さんの記憶の中でも仕事上、あまり酒やワインを飲めなかった様なので酔った時の対応が出来ない可能性がある。


「はぁ…、俺は二人を寝かせに行って来ますよ」


そう言うとタマモ達は「男だね〜」等と言ってきたが無視してミーナを背負い、ルナの手を取って寝室に向かう。


「あ〜…お兄ちゃんの匂いがする〜。お兄ちゃん好き〜」

「むぅ…、私はまだ飲める……」

「絶対ダメ」


ミーナは頬をすり寄せ、ルナはまだ飲めると言っているが、こっちは体調に悪いし、これ以上飲ませて倒れられても困るので更々飲ませる気はない。


そのまま寝室まで運んで着替えさせるが、転生して肉体が若くなった事と、無心を心掛けたので性欲は湧かない。


二人を寝かし付けてから一息つき、空に浮かぶ月を見ながら俺はある事を思った。


(もう、二人にはあまり酒を飲まさないでおこう……)


恐らく明日の朝は二人は二日酔いで頭痛が酷いと思うので、他の人達の事も考え大量の二日酔いに効く薬を用意してから寝るとしよう。後片付けは明日にでもすれば良い。


そう思い、俺は大量の薬を調合した後に布団に入った。



ここだけの話、しばらく元凶の3人がドンチャン騒いでいたのでなかなか寝付けたかった。




恐らく前回の更新から約一月程経ちましたが、やっと更新出来ました。


もし楽しみにしていた人が居たら、待たしてしまって本当に申し訳ありません!

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