結論
【3月】
むー。むむむ。
『ひよちゃん、今日もうホワイトデーやで、緊張しいひん!?』
『うん、そうだね!』
更紗とこっそりメモを回しあう。こういうとき斜めの席は便利だ。
後ろの奴はほとんど空気と思っていいはず。
私の隣もほぼ不登校に近いし。
あーそれにしてもホワイトデーのお返し、あとお腹減った。
グキュリュキュリュキュリュー、お腹が鳴る。
残り授業時間10分、手紙回しと睡眠に集中しよう。
チャイムが鳴る。「さーら……」
うおおおおおおおっっっっっ!!!!!!!!
こ、これは……!!更紗さん…!!!
「はい、これ。チョコありがとう。」
「え、ええ!うん!ありがとう!」
更紗ーーーー!!!!!くっそーーー!!!!こんちくしょうおめでとう!!!!!
ニヤけながら2人のやり取りを見つめる。紙吹雪を散らしたいのを我慢しながら。
やがて彼が廊下に出ていくのを見ると、更紗の肩を抱く。
「よかったじゃん!!!」
白い小さな袋を手に持っている彼女は本当に嬉しそうだった。
「うん!!よかった!!」
満面の笑みを浮かべる。
それが心からのものであることがすぐに分かる、私もにっこりと頷いた。
「ひよちゃんも、望月さんからもらえるといいなあ!」
そう言われ、晴れだった自分の心に少しだけ暗雲が立ち込める。
今日は彼の姿をまだ見かけていない。
朝のチャイムぎりぎりに廊下を走っていくのが常だと言うのに。
まぁたまたまだろう、不安の塊を心の底に押し込める。
「だね!ありがとう!!」
結局、彼はずっと学校に来ないまま2年生を終了した。
ホワイトデーはうやむやになり、春休みに塾で会った時には「よ、久しぶり!」と声を掛けられたけど。
釈然としないぞ!!
事実を我ら2年3組の打ち上げの際に更紗に伝えると本当に残念がっていた。
ま、しょうがないよね!




