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お泊まり………?

残酷描写ありです。苦手な方は逃げて下さい。

「ストラーダ様、家にお泊まりしに来ませんか?」

「へ?」


モアさんからのお泊まりのお誘いが来た。


「父も母も喜びますから、何時でも!勿論今日でもかまいません。パジャマで女子トークなんて素敵じゃないですか?」

「………………先生が許してくれるかな~?」

「………………ライガイヤ様が説得できたら是非。」

「うん。」


モアさんの苦笑いに私は頷いて見せた。






「先生!」


先生の居る執務室を開けると珍しく先生1人だった。


「なんだいストラーダ君?」

「モアさんの家にお泊まりしてきて良い?」

「………?」

「先生!自分がモアさん大好きなの知ってますよね?行ってきて良いでしょう?」

「えぇー………嫌だな~。」


先生は机に突っ伏した。


「先生、立って‼」


先生が渋々立ち上がると私は先生に抱き付いて言った。


「お願い。」

「……………………………………………帰ってきたら、またハグしてくれる?」

「するする!頭ナデナデもしてあげる!」

「………………解った。」


先生は眉間にシワを寄せたままでそう言って私にキスを落とした。

私は唇が離れると先生を見上げて言った。


「嬉しいからもう一回してもいいですよ。」


先生は驚いた顔の後嬉しそうにフニャッと笑うと私の唇に自分のを重ね、抱き締めた。

暫く抵抗しないでされるがままになっていると一気に舌を入れられ思いっきり先生の脇腹に膝をねじ込んだ。


「だ、誰がベロチューして良いって言った?」

「………どこまで許してくれるのかな~って………かなり痛い!」

「優しくしたら調子に乗りやがって‼」

「道君、口が悪いよ………」


先生は寂しそうに苦笑いを作った。

私は先生を突き飛ばして椅子に座らせると先生の唇に軽くキスをした。


「でも、今日はモアさんの家にお泊まりするのを許してくれたから。」


先生は顔を真っ赤にしていた。

何だか勝ったのかも知れない。


「道君………好きすぎて辛い。道君は?」

「先生の事は尊敬してます!」

「………早く俺の事好きになって。」

「………」

「無視しないで。」

「………お泊まり準備してきまーす‼」

「スルー?」


先生の声は聞こえないふりでやり過ごしたのだった。





1日分のお泊まりセットをバッグにつめて準備万端。

私は先生のほっぺにキスをして言った。


「行ってきます。」


浮かれていたと今は自覚している。


「………今日はサービス満天だな。」

「嬉しいので。」

「………早く帰って来いよ。」

「はーい。」


私は手をふって先生のもとを後にした。





モアさんの実家のお店の近くまで来た所で男の人に声をかけられた。


「すみません。」

「はい?」


振り返ると若い男がニコニコしながら私の肩を掴んだ。

?あれ?この人どっかで見た事がある。

そう思ったその時、頭に強い衝撃を受けた。

消え行く意識の中で後ろに居た私の頭を殴った人物の顔を見た。

ああ、王宮魔法使い様の弟子の一人だ………

私はそこで意識を手放した。




次に目が覚めた時私は暗い部屋の中だった。

しかも、椅子に縄でぐるぐる巻きにされて居る。

ああ、私は誘拐されてしまったんだな………

それからが辛かった。

真っ暗なせいで何時か?どころか、何時間たったのかも解らなかった。

先生がくれた監視用のネックレスは首からさがっていなかった。

どうしよう………

頭が痛くて考えがまとまらない。


「起きたか?」


真っ暗な部屋に薄暗い光が灯った。

魔法の明かりだ。


「お前さえ居なければ………」


男が二人、部屋に入って来たのが解る。

男の一人が私のそばまで来ると思いっきり右頬を叩かれた。

痛い。


「あまり顔を殴るな、売れなくなる。」


もう一人の男の冷静な声に背筋が凍る。

私は誘拐監禁の上売られるのか?


「こいつさえ居なければビルフール様は………それに、宰相様だって…………」


王宮魔法使い様と宰相様?


「僕だって………」


なんなんだ………先生の事でなら解るが、その二人の事でこんな目にあうなんてわりに合わない………

私はぐったりと下を向いた。

しかし、それも許されないようで男の一人が私の髪の毛をつかんで上をむかせた。

髪の毛がブチブチと千切れる感覚に小さな声が漏れる。


「女顔だからって国の重要人物達にばかり取り入りやがって、女ならまだ生産性がある。重要人物の子供を産む女は重要だ。けど、お前は違う………………女だったらこんな目にもあわずにすんだのにな………」


またも右頬を叩かれた。

ああ、これはヤバイやつだ。

殺されないけど、死んだ方がマシって目にはあわせられる。

抵抗するのは逆効果だろうか?


「………先生………」


思わず口から声が漏れた。

私の髪の毛をつかんでいる男はさも可笑しそうに言った。


「この建物は強い結界がはってある、魔法は一切使えない。魔法が使えないと言う事は魔法でお前を見付けるのは無理だ!残念だったな。」


もう、ダメかも知れない?………いや、何故か先生なら助けてくれるって自信がある。

私はかなり先生を信じているみたいだ。


「絶望で声も出ないか?」


悪役然とする男に私は呟いた。


「先生を………甘く見ない方が良い………あの人のストーカー力は半端ない。」

「ほざいてろ。」


男は私の髪の毛を掴んだまま前に引っ張り、私を縛り付けた椅子ごと前に倒した。

髪の毛の抜ける感覚と顔面から倒れた衝撃で私は意識を失った。

頭の片隅で先生を呼びながら………


ストラーダ君拉致監禁です。

先生~早く助けてあげて~‼

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