ストラーダ 宰相目線
短めです。
俺は今悩んでいる。
ライガイヤの弟子のストラーダの事だ。
あいつ………可愛いんだ。
兎に角可愛い。
最初に見た時は可愛い顔をした少年ぐらいにしか思えなかった。
城の中での生活にあいつがなれてきた頃少し話してみてあいつの頭の良さに驚き微笑ましく思った。
それから少しずつストラーダの事が気になり出した。
それが昨日、ライガイヤに女装させられてるストラーダを見て確信した。
ストラーダは女みたいで、なおかつ可愛い。
「宰相様?大丈夫ですか?」
「………ビルフール。」
「悩み事ですか?僕で良ければ聞きますよ?」
今は俺の執務室で今後の国の在り方についての話し合いの真っ最中だった。
ビルフールに国王に俺だ。
ライガイヤも呼んだが来るとは思えない。
ライガイヤはストラーダ以外に興味がないからだ。
今、ライガイヤが国の仕事をしているのもストラーダのおかげである。
ストラーダに良い顔するためにやっているらしい。
「悩みって訳じゃない。」
「ですが、心ここにあらずですよ?」
「………」
ビルフールは心配そうに俺の顔を見ていた。
「………ストラーダの事だ。」
「ああ………彼、可愛いですよね。」
ビルフールはさも当然と言う様に言った。
「………昨日、ライガイヤに女装させられてたんだ。」
「?………それは………可愛かったでしょうね。」
「………そうなんだ………可愛かったんだ。ライガイヤに誉めてやれって言われて………ドン引きされた………」
「何を言ったんですか?」
「………今のお前なら抱けるって……」
「ああ、それは引きますね。」
俺は机に突っ伏した。
「それしか思い浮かばなかったんだ‼」
「もう少しましな言葉は無かったんですか?」
「髪の毛の長いストラーダは女にしか見えなかったんだ!そしたら………それしか思い浮かばなかった。」
「ポンコツ。」
ビルフールの呟きに殺意が浮かぶ。
「でも、そうかもな………ライガイヤがあんなに入れ込んでんだからそんぐらいの魅力ぐらいはあんだろ?」
さっきまで話に入って来ていなかった国王が突然そんなことを言った。
魅力。
そうかも知れない。
あれが女なら全力で口説く。
ライガイヤはそれが男であっても惹き付けられているって事なのだろう。
「髪の毛の長いストラーダ君見たかったな~。」
「あ、俺も俺も!」
ビルフールと国王がそんなことを言ってはしゃいでいるとドアをノックする音が室内に響いた。
声をかけるとかえって来たのは今まで噂をしていたストラーダの声だった。
入室の許可を出す。
そして入って来たのは髪の毛の長いままのストラーダ。
甘い匂いをさせて笑顔で俺のところまで来ると、菓子の詰まったバスケットを差し出した。
ああ、化粧してなくても可愛い。
俺の気持ちは正常みたいで、国王もビルフールもストラーダに見いってしまっている。
少しの会話。
髪の毛を切るつもりだと聞いた時はガッカリしたし、ビルフールに上目使いになってしまってドキドキさせていたのを見ればイライラした。
ストラーダの持ってきたクッキーが今までに食べたことがないほどサクサクで旨すぎた。
それから程なくしてライガイヤがイチャイチャするからと言ってストラーダを連れ去った。
イライラがおさまらない。
国王もビルフールも何だか顔がひきつって見える。
「ストラーダ君を助け出す事を考えましょうか?」
ビルフールの言葉に国王は驚いた顔をした。
「お前がそんなことを言うなんて珍しいな。」
「ストラーダ君は優秀な魔法使いですから、ライガイヤ様のせいでつぶれてもらっては困るんですよ。」
「………」
「ライガイヤに勝てる気がしないぞ?」
「問題はそこなんですよね………宰相様何か良い作戦を考えて下さい。」
「………考えよう。」
俺達はそこでフフフフと笑いあったのだった。
ストラーダ君、魔性の少年?




