【Stealth】8 「とっとと出て行け」「何故ですか」
「いいから、とっとと出て行ってくれ」
そわそわと澪の部屋の勉強机の椅子に勝手に座って澪を心配そうに見つめる唯に澪はそう言った。
この女はありえないほど可愛いが、電波だ。
出遭って間もなく、澪はその結論に達した。
濡れタオルを顔に被せられたときは尚更。
「で、でも体調が宜しく無いとMio様が」「君のせいだと思う」
温厚な澪にしては珍しくキツイ台詞を吐いた。同情する。
というか、唯は胸は完璧にまったいらだが、顔立ちもまた完璧な美少女である。
そんな美少女に見つめられながら眠るのは健全な青少年には苦行であろう。
まぁ、電波に見つめられたまま寝る危険性のほうが今の澪の頭を支配しているのだが。
「そ、その、Mioさんが元気になるモノを作ってさしあげます」「いらない」
「Mioさんが眠れるように、子守唄を唄ってさしあげますね」「いや、いらない」
「では、せめてMioさんが安心できるように添い寝を」「いら……えっ?! 」
意を決したようにスタスタと歩く唯。
澪のベッドのスプリングが軽くきしんだ。
「(えっと)」
後ろから澪の身体に軽く抱きつく柔らかい感触。
「(これは。なんというエロゲ? )」
現実だ。澪。戻って来い。そしてチ●コもげろ。
「おやすみなさい。Mio様」
そういって唯は微笑み、自分も瞳を閉じた。
唯は寝つきが良い。すぅすぅと寝息が澪のうなじにかかる。
「(寝ているッ 寝ているよッ??! ナニこのコッ?! どうなってるのっ?! )」
というか、こんな状況で寝れるワケがない。
唯の寝息が軽く澪のうなじを刺激する。
柔らかい腕が澪の胴と細い腰に絡み付いていていい香りがする。
というか、胸が完璧に背中に当たっている。まったいらだが。
よくわからねぇけどチンポ祭だっ! チンポバンザイッ! チンポ犯罪ッ!
ハッスルハッスルッ マッシブマッシブッ ローリングローリングロンダリングイェエェェェッ!
とはならないのは、澪の澪たる所以である。
何とか唯を起こさないようにベッドから抜け出し、大きな大きなため息をつく澪。
「そりゃ、一度家に遊びに来て欲しいと書いてしまったのは迂闊だったけどさ」
なんでいきなり来る。しかも「しばらくお世話になります」と来たものだ。
安心しきった寝顔を見ると、本当に美少女だ。
「襲っちまうぞ」柄にもなくそんなことを言ってしまう。澪は苦笑した。
澪だって十七歳の健全な少年である。
女子に「可愛い」と抱きしめられまくるが異性として認識してもらえない日常は少々辛い。
「う……ん。御父様」
唯が軽く寝返りをうつ。スカートから白い太ももが大きく露出して、澪の心臓が高鳴った。
「ちょ、ちょ、ホーリーさん」
慌ててタオルケットをかけてやろうとする澪。そして彼は見た。
唯の白い足と、白い下着。そして白い下着で隠された青くなった痣。
澪は黙って自室を出た。
あの痣を見れば、そうせざるを得ない。
澪よ。片意地を張るのもいいが、股間も硬いぞ。




