【Stealth】4 お世話になります
ピンポーン
「うん? 霧島。お前がチャイムを鳴らすなんて珍しいな」
2012年7月12日。木曜日。熊本、大分県では記録的な豪雨に襲われているこの日。
ピンポーン
「勝手に入れよ。霧島。空いてるぞ」
御鏡澪は欠伸をしながらドアに向かう。
今日は父も母も。いない。
ピンポーン
彼の友人はチャイムも鳴らさず、冷蔵庫を開けているなど良くあるコトだ。
既にこの家の住人と言っても過言ではない。彼の自室の合鍵も持っている。何故か。
「まったく。今更何を御丁寧に」
寝ぼすけの澪と違い、霧島は早寝早起きだ。なろう投稿も予約投稿で、毎日定時にあげている。
「ふわぁぁぁ……」
澪は脱ぎ捨ててしまったパジャマを纏い寝癖のついた頭をボリボリ掻きながら玄関に向かう。
「だから空いてるって言っただろ。霧島」
扉を開けて、目を見張る。
「おはようございます。Mioさん。はじめまして。と言うべきでしょうか。ホーリーです」
白いワンピースに白い帽子。朝の太陽を受けてサラサラと光り輝く黒い髪。
澪ですら見たことも無い、恐ろしく整った顔立ちの美少女。
「今日からお世話になります」
そういって、彼女は澪に頭を下げた。




