【かくれる】1 御父様
「御父様。開けてくださいませ。暗いです。怖いです。お化けに殺されてしまいます」
「夜闇の中ブレーカーを切って、恐怖走らせていてるのは誰?
これが子を叱る父親だ。父は子の写真を腕にしっかりと抱きよせる。温もりを与えるように。
ふむ。娘が怖がり私の胸に顔を埋める姿が目に浮かぶようだ」
「お父様は、魔王でございます。王冠と衣をつけた恐ろしい魔王でございます」
「娘よ。大丈夫だ。それは夜に揺れる夜霧の影だから」
「かわいい娘 ぼくのパソコンでナニをしている
なろう投稿 楽しいか。 頭にお花がたくさん咲いているんだな
ママに言って素敵なおしおきを いっぱいあげるよ」
「お父様 お父様! 魔王が私に恐ろしいコトを囁きかけてくる
お父様には血も涙もないのですか」
「怖がるな 大丈夫だ
それは木枯らしが風に鳴っているんだ」
シューベルトのパロディを言い合ってバカ言っているアホ親子だが、これはこれで仲が良い。らしい。
とにもかくにも、唯は父に連行されてベッドに放り込まれた。
ちなみに、婦女暴行フラグは立たない。
「御父様の。ばかぁ」
『PC禁止。手書き敢行』の張り紙を見ながら、唯は悪態をついた。
そして、友人の『遥未来』から借りたスマートフォンを取り出し、投稿ボタンを押した。
「ふふふっ。甘いのです。甘いですよっ?! 」
まったく。懲りていない。




