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Review(レヴュー)!  作者: 鴉野 兄貴
小説家になれない!

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55/149

3 澪さん! 僕は君をっ! ハァハァ(← ? )

 「……」

悠馬は『Mio』を待っていた。

Mioはメッセージボックスからメッセージを送ったり感想を書いたりすると可能な限り早く返信をしてくれた。

この数日で何度もメッセをかわしたり小説の書き方、心構えなどの薫陶を受けた。

しかも先日、Mioさんの友人の『フォッグ』さんからレビューまでもらった。


ただの推薦文。アクセスが増える程度。


 なめていた。

他人が他人の書いたものを他人に薦めるために書いた文章。

悠馬にとってはMioのブログに紹介されたことを含めて2回目。


 『フォッグ』のそれは自分の書いたものの世界観を表現するにとどまらず、

自分の書いた世界。そのものが広がった気がした。

続きの執筆を早くしたくてたまらない気持ちに初めてなった。


 なんども『フォッグ』氏が書いたレヴューを読み直し、

改善するたびに読み直して感想をくれるMioの丁寧な返信に胸を高まらせた。


 Mioに出会ってからどんどん跳ね上がるPV数とユニークアクセス。

増えていくPにお気に入り数。感極まった彼はMioに『師匠とよんでいいですか』と送った。

しばらくすると『そんなにたいしたことは書いていません。ほとんどフォッグ君の薫陶ですから』と謙虚な返事が返ってきた。


 『フォッグ』。

ジジくさい口調で書き込む年齢不詳のヤツ。

多くの逆お気に入りユーザーを持ち、複数の日刊連載を確実に完結に導く。

完結作品が多く、個々の完成度が高い。

そしてMioと同級生らしい。まさか恋人だろうか。落ち込む悠馬。


 『じゃ、友達になってくれませんか』 

駄目元で返信を送ってみる。拒絶されたらどうしよう。

いや、拒否されてあたりまえ。でもあきらめられない。


 何度もF5を押す。夏のうだる暑さの中、

時間と玉のような汗だけが流れたころ。


 『俺、友達。フォッグしかいないんですよ』

嘘みたいな話だが、その返信にはMioの電子メールアドレスとスマートフォンの電話番号が書かれていた。

「よっしゃああああああああああああああああああああっ?!!!! 」

彼は即座に『ネトゲ事故板』に立て直された自分のスレに報告レスを書いた。

「Mioたんの電話とメアドゲットー!!!!!! 」と。


 

 「Mioさん。声も綺麗だったなぁ」

初めて聞くMioの声は心配げに震える少年のような甘い声だった。

緊張して声が出ない悠馬以上にあがっている少し低めのソプラノ。


 悠馬は落ち着きを取り戻した。ここは年上の威厳を見せるべき。

「きょ、巨乳はいい天気ですね! 」「今、こちらは夕立が降っています」

なんの会話だ。


 色々話した。フォッグは同級生で彼女にとって唯一の友人らしい。

「俺、人付き合い苦手なんです」Mioはそう言った。

「フォッグ君は誰にでも馴れ馴れしくて。おかげでクラスで浮かずに助かっていますけど」


 しかし。悠馬にとっては『フォッグはMioの恋人か』のほうが重要度が高い。

「フォッグに恋人? いないいない。アイツ不細工だもん」

判断に困る返答だが、Mioが恋人がいないという以上、信じるべきであろう。


 「どんな関係? だから親友だって。

空手部の部長を譲ってもらった。というかおしつけられてさ。聞いてくださいよ悠馬さん。

えっとですね。俺その、口でしゃべるのが苦手で、ウザかったらごめんなさい。あのですね」

会話を続けていくと、Mioは緊張がほぐれたのか、色々な話をしてくれたが。


Mioの多くの話は、『フォッグ』に関わる話だった。



 「え? 遊園地にいかないか? あ。行きます。となりの県なんて偶然ですよねぇ。

遊園地なんて久しぶりだなぁ。悠馬さんはどうですか? 」


 自宅の電話の受話器を置いた悠馬はまだ見ぬフォッグに闘志を燃やした。

「俺は負けねぇからなっ! フォッグさん!  恋もッ! 小説も! 」


 「恋はいいから仕事を見つけてくれ」

隣にいた老いた母が冷たい突込みを放った。


「明日ハロワいきます」「今行け」

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