ネバーランドの苺 エピローグ
「美幸~~~~~~~~!!!!!!!! 」
義樹の声が聴こえる。あ~ベタな死に方しちゃったなぁ。
美幸はマヌケ面をして泣きじゃくる義樹と両親を『見ながら』、
「うっわ~。引くわ」とか言っていた。
「あのさ、小谷野」
小谷野には聴こえてないだろう。彼は人前では泣かない。
「ありがとう…… 」
そういって美幸は頭を下げる。
「小谷野。お前は自分を非力でどうしようもないとか想ってるようだけど」
死ぬ前に言いたかったな。喋れなくなるのは想定外だった。せめて遺言でも残しておけば。
「お前は。怪獣じゃなくて。俺にとっての。……ヒーローだったぜ」
巨体に似合わない。気弱で、シャイな医者には到底向かない男。
声を出さず、職務を全うしている。そんな。デカイデカイ。小さな青年。
……でも、一番、一番、『仲間』に好かれていた。
「しみったれたのは嫌いなんだが? 」
そういって困る美幸。小児病棟の仲間たちまで泣いている。気にするなって言ったのに。
「俺、小さい子を泣かす趣味はないんだけどなぁ」女顔だが、美幸の中身は漢であった。
「あ~あ。さっさと死神こねぇかなあ」どうせ自分は地獄行きだろ。
子供の頃はよくカエルを義樹と捕まえてはケツの穴にストローで爆破させたり、爆竹で爆破してみたり、投げてみたり(以下略)。
クラスメイトの弱いものいじめをする女子を茶巾にしてパンツをずり下ろして尻に蹴りいれてみたり、
弱いものいじめをする中学生の自転車の空気を抜いてみたり(以下略)。
「ガチャ」扉が開かれた。
変な花のマークを胸につけた怪しげな男女(女性のほうは凄い美少女だ)が美幸の病室に入ってくる。
「……えっと、フラワー教と申します」
???????????
……美幸もそうだが、小谷野も義樹も美幸の両親もボケーとしている。
ちなみに、フラワー教というのは小児病棟に現れては謎の奇跡だかなんだかを披露して消えていく不思議な二人組で、小児病棟での噂話でよく聞く存在だ。
「今日は」
まさか、命をもう一つもってきたとか、バカなこといわねえだろうな? このキチガイ女。
そういう商業作品を示唆することをいったら削除されても知らんぞ。もう死んだから関係ないけど。
「命を。70億ほど持ってきましたっ! 」
『はいっ?????????????!!!!!!! 』
美幸は。美幸の両親は。小谷野は。義樹は。絶句した。
(Fin)




