空から君を眺めたら
連続投稿三度目
「綺麗」
唯は呟いた。声が上ずっているのは先日までの恐怖体験によるものではない。
友人の遥。彼女は「いいものを見せてやる」といって塞ぎこむ唯をあの珍妙な気球に乗せて両手を振って送り出した。
唯の乗る気球『こすもす』は雲を飛び越し、空を越え、やがて青く、暗い世界に向かっていく。
その眼下に広がる。青い星。白い雲。
「ここが、成層圏」
生身で見るのは。初めてだ。
「皆さん。聞こえますか」
唯は通信装置からメールを送る。地上で彼女を見守った人たちから思い思いの言葉が届く。
「唯。いいものをあげるよ」「唯さん。ユーザーページを開いてごらん」
霧島と澪からのメッセージに唯は不思議そうな顔をした。
空から眺める地球の景色は、唯の言葉でも表すことは出来ない。
何か書きたいとは思うが、陳腐な言葉しか浮かばないだろう。
唯の細い指が、父から新たに贈られた携帯電話に触れる。
トップページの上に表示される。小さな赤い文字に気がつく。
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