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STAND BY YOU!  作者: ぬこ@nuko_nuko


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5/13

春臣:騒ぎを起こし、申し訳なく思います。



 「大体なんだよその荷物。混んでるのに迷惑だろーが。杖つかなきゃ歩けないなら電車乗んなよ貧乏人」



 途端、春名さんの体が、さらに強張りました。

 ──いえ、僕の腕かもしれません。

 


 「迷惑をおかけします。大変申し訳ありません」

 「わかればいいんだよバカ」

 「いえ、今の謝罪はあなたにではありません」

 「は?」

 「不快な思いをさせてしまっている、同じ乗車中の方々です」

 「訳わかんねえよカス。調子乗ってんじゃねえよ」


 

 そう言って、彼が僕の腕を殴りました。

 大変混雑しているので、彼の腕が周りの人にもぶつかっているかもしれません。

 これ以上暴れられては、間違いなく迷惑になるでしょう。


 

 「すみません」


 

 もう一度、周りの人に小さく謝ると、彼の腕をつかみました。

 

 

 「何すんだよ!」


 

 そのまま指先に力を込め、動きを封じます。

 彼が反対側の手を振り上げようとしたので、そちらも封じさせていただきました。



 「動かないで下さい。これ以上動いたり騒いだりすれば、さらに力を込めます」

 「なんだと……っ! ──てぇっ!」

 

 

 あっさり大声をあげたので、力を込めさせていただきました。

 丁度そこでアナウンスが流れ、もうじき駅に着くことを知らせてくれます。

 

 僕達が下りようと思っているのは、もう少し先の駅です。

 どうしようかと迷っていると、春名さんが僕の胸を軽く叩きました。

 彼の肩を掴んだまま春名さんを振り返りますが、ほんの少し唇を尖らせたままで、言葉は出ません。


 

 「どうしました?」

 

 

 尋ねると、春名さんはゆっくりと口を開きます。

 そこで丁度電車が止まり、ドアが開きました。

 

 どうやらこの入り口から乗り降りする人は居ないようです。

 少し離れたところのドアから、数名降りていくのが視界の隅に入りました。

 騒いでしまい、ここから降りにくくさせてしまった事を申し訳なく思います。


 

 「離せって言ってんだよ!」

 

 

 彼が僕の足を蹴り、怒鳴ります。


 

 「春臣、離して」

 

 

 春名さんに唐突に言われ、思わず返事より先に手を離しました。

 ──その、途端。


 

 「あんたのほうがバカよ、バカバカバカ!」


 

 春名さんがそう言って、僕の前に立つと、彼を勢い良く両手でドアから追い出しました。

 思いがけない攻撃だったのでしょう、彼はホームに降り立って、そのまま尻餅をついています。


 

 「──なっ、なんだよ!」

 


 立ち上がってドアに手を伸ばそうとするのが見えました。

 春名さんに見えないよう、後ろから手を上げて見せると、一瞬彼の動きが止まります。


 そして、ベルが鳴って、ドアが閉まりました。


 

 「いーだ!」


 

 彼に向かってそんな事を言う春名さんに、思わず笑ってしまいます。

 

 7割ほどの乗客が降りたので、座席も幾つか開きました。

 なので、すぐ側の座席に二人で座ります。

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