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STAND BY YOU!  作者: ぬこ@nuko_nuko


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4/13

春臣:とても、不快です。



 

 「どうか、した?」

 「いえ、大丈夫ですよ」

 


 心配そうに春名さんが僕を見上げます。

 丁度僕が壁になるので、先程の音は聞こえなかったのでしょう。

 余計な心配をかけたくは無いので、良かったと思います。


 なら、よかった、と小さく春名さんが言うのに頷くと、ドアが閉まりました。

 さらにその反動で強く押されるのを感じます。


 ──そしてまた、舌打ちをする音も、聞こえました。

 

 どうしようかと一瞬迷った途端、


 

 「つめろよバカ」


 

 と、斜め後ろから聞こえました。

 春名さんがびくっとして顔を上げます。

 声が大きかったので、聞こえてしまったのでしょう。

 


 「僕ですか?」

 「混んでるんだから周りの迷惑考えろよ、ボケ」


 

 振り返るや否や、そう言われてしまいました。

 

 

 「な、何よっ!?」

 「春名さん」

 


 春名さんが抗議の声をあげました。

 それを止めようとした途端、また後ろから声がします。


 

 「人居たんだ? ちっちぇー。そんじゃ見えねえわ」


 

 胸元の春名さんが、体を固くします。

 ぐっと唇を噛むのがわかりました。

 彼は、春名さんが僕の影に隠れて見えなかったために、もっと詰められるのではないかと思ったのでしょう。


 そうだとしても、勘違いをしたのは彼で、春名さんが辱められるいわれはありません。

 


「大体、ちっちぇーやつって邪魔なんだよな」

 


 右手で春名さんの肩を抱くようにすると、その肩が震えているのを感じます。

 とても不愉快です。

 


 「──あなたも、僕から見たら、"ちっちぇー"ですが?」


 

 彼の身長は僕の口元よりも、少し下ほどでしょう。

 髪を盛り上げているので若干水増しはされていますが。


 

 「あ? でけぇからっていい気になんなよ。迷惑なんだよ」

 「あなたの声の大きさも迷惑です。これだけ人が居る中での騒ぎですから」

 「ごちゃごちゃうるせえな」

 「人と会話する時位、その耳元の物を外してはいかがですか。先程から音が漏れていて不快です」

 「持ってないからひがんでんだろ。タダで音聞かせてやってんだよこっちは」

 

 

 大抵音漏れだなんだ言うヤツは、自分じゃこういうの買えないからひがんでるんだよ、と彼が続けました。

 

 自分の声の音量がわかっていないのか、意図的なのかわかりませんが、結構な大声です。

 どちらにしても彼の言い分は、あまりにも勝手ではないでしょうか。


 

 ですが、さらに言い返したところでますますうるさくなるだけでしょう。

 これ以上春名さんの耳に不愉快な言葉を聞かせたくありません。

 

 周りの方にも、これ以上の迷惑は──

 

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