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STAND BY YOU!  作者: ぬこ@nuko_nuko


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3/14

春臣:予想外でした。




 「春名さん、大丈夫ですか?」

 「うん」

 

 

 思った以上に、電車が混んでいます。

 夏休みなので学生が多いのは仕方ないのですが、この混雑は予想外でした。

 普段はこれほどではないので、何かのイベントでもあるのでしょうか?

 

 だとすれば、予想されるのは割と開けている、二駅先です。

 なので、その辺りで大分空くと思うのですが……


 

 「春臣は、大丈夫?」

 「はい」


 

 カーブで、少し電車が傾きます。

 大変混雑しているので、ほんの少しの揺れでも、周りから押される感じがします。

 できれば春名さんを座らせてあげたかったのですが、あまりの混雑にそれは叶いませんでした。

 せめて人に押される事が無い様に、春名さんに壁際に立ってもらい、その前に僕が立たせてもらっています。


 杖を前に抱えるようにしているのは、周囲の人の邪魔にならないようにという春名さんの配慮でしょう。

 

 

 駅に着き、電車が止まります。

 

 残念ながら降りる人は極僅かで、さらに多くの人が乗車してきました。

 とは言え、すでにかなりの人が車内に居るので、新しく乗車してくる人もかなり大変そうです。

 

 強く押されるのを背中に感じながら、出来る範囲で壁に寄ります。

 これ以上寄っては春名さんが潰れてしまうと思い、体に力を入れ、姿勢を伸ばしたところで、後ろから小さく舌打ちをする音が聞こえました。

 

 思わず振り返ると、僕と同じ位の年齢かと思われる男です。

 音楽を聴いているのでしょう、その音が漏れ聞こえてくるので、舌打ちではなかったのかもしれません。

 

 

 「すみません、大丈夫ですか?」

 「うん、ありがと」


 

 春名さんと完全に密着した状態なので、息苦しくは無いか心配だったのですが、大丈夫だと言ってくれました。


 そこでまた、舌打ちする音が聞こえました。

 今度は、しっかりと。

 

 音漏れではないだろうと思いますが、振り返るべきか迷います。





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