春名:三日ぶり、だからかな
「少し早く着きすぎてしまったので、散歩がてらお迎えさせていただきました」
「あ、ありがとっ。ごめん、遅くなっちゃった」
「いえいえ、僕が早く出すぎたんです。三日ぶりに春名さんに会えるのが嬉しくて」
「──って、……も、もうっ!」
さらっとそんな事言われて、思わず顔が赤くなる。
あたしだって、春臣に会えるのはすごく嬉しい。
本当はもうちょっと早く出ようと思ったけど、三日ぶりだし、この間仲直りしてから初めて会うし、久しぶりのデートだって思ったらなんだかドキドキするし、準備してたら遅くなっちゃって……って、やだ、また顔が熱くなってきた。
顔を見られるのが恥ずかしくてふいっと横を向くと、
「歩くの、辛くないですか?」
心配そうに、春臣がしゃがんで顔を覗き込んでくる。
びっくりしてのけぞった弾みに転びそうになる──けれど、
「すみません、びっくりさせてしまいましたね」
あっさり、大きな手で支えられる。
「大丈夫だからっ!」
恥ずかしくて、つい、口調がきつくなった。
気にさせたかな、と思って、ごめんって言おうとするけれど、
「疲れたらすぐ言ってくださいね」
全然気にしていないようないつものニコニコ笑顔。
だから、うんって頷くと、春臣も頷いてくれた。
ペースは、いつもよりもゆっくり。
さりげなく下を見たり、声をかけてくれたりして、あたしが歩きにくくないように、砂利とかが少ない所を選んでくれてる。
考えてみたら、普段からそうだ。
あたしと歩くとき、春臣は他の友達とかと歩くときよりも、ゆっくり。
いつも車道側を歩いてくれてるし、一緒に買い物に行ったときとかは、あたしが見たいものを一緒に見てくれる。
……春臣は、いつだって優しい。
見上げると、ん? って感じで少しだけ首を傾げて、笑いかけてくれる。
──それが、かっこよくて。
好きだなって思ったら、ドキドキして、顔が赤くなるのがわかる。
だから、慌てて目をそらす。
たった三日なのに、顔見なかったからか、何だか凄くドキドキする。
色んな事があったからなのかな?
「……。」
もう一度春臣の事見ようとして、やめる。
耳まで熱い。
顔が赤くなったのがなかなか引かなくて、困る。
春臣に見られたら恥ずかしいし、やだもん。




