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STAND BY YOU!  作者: ぬこ@nuko_nuko


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14/17

春臣:いつか春名さんを、家に招けたら。

 もしかしたら、早く帰りたいと思われてしまったのかもしれません。

 

 そんな事は断じてありません。

 出来るならずっと春名さんと居たいと思っているんですから。


 

 「ゆっくりしていたいのですが、夕方は電車が混んでしまうかもしれません」

 

 

 なので、そう言いました。

 実際夕方になればまた電車は混んでしまうでしょう。


 来る時の様な事はそうは無いでしょうが、やはり空いている時に帰る方が何かと安心です。


 

 「あ、そうだよね?」

 「はい。欲を言うともっと春名さんと居たいんですけどね?」

 「──あ、あたしもそうだけどっ」

 

 

 その代わり明日、少し早めに待ち合わせしませんか? と言うと、嬉しそうに頷いてくれました。

 待ち合わせ場所は今日と同じで言いかを尋ねようとした時、ウェイトレスさんが頼んだ物を持ってきてくれました。

 湯気を立ててとても食欲をそそる香りが漂います。

 まずは、一口食べてからの方がいいですね。


 

 「──おいしっ」

 「良かったです。こちらもとても美味しいですよ」


 

 ぱあっと顔を明るくして嬉しそうに笑う、この笑顔がとても僕は好きです。

 実際に料理を作った方がこういう反応を見る事が出来たら、さぞかし嬉しいのではないでしょうか。


 

 「一口交換しよ?」

 「はい」


 

 二人で少しずつ取り皿に分け合いました。

 春名さんが頼んだ物はカルボナーラで、僕が頼んだのはペスカトーレです。

 沢山の貝やエビが乗っているので、殻から外して取り分けます。


 

 「春臣、食べるの上手だね」

 「そうですか? ありがとうございます」

 「あたし貝外すのあんまり上手にできないの」

 「ここをこうして、軽くまわすようにすると楽ですよ」

 「やってみたい!」


 

 春名さんの皿に、一つ貝を乗せます。

 すると、真剣な表情をして僕が言った通りにフォークを使い始めました。

 丁寧にぐるぐると回して──


 

 「ほんとだ! できた!」

 「キレイに取れましたね」

 「うんっ! ありがと、じゃあこれ春臣にあげるね」

 「ありがとうございます」


 

 春名さんが、僕の皿に分けてくれました。

 今まで難しくて頼めなかったんだけどこれからは大丈夫、と言うのを聞いて嬉しくなります。

 春名さんの家では、余り魚介類のパスタは作らないそうです。

 理由を尋ねてみると、お姉さんが貝を外す手間を嫌がるからだと教えてくれました。


 

 「もし宜しかったら、今度僕の家に来ませんか?」

 「春臣の家?」

 「はい。一度夕食を食べに来て下さい」

 

 

 実は、母がパスタやグラタンなどがとても好きで、週に一度は作ってくれるんです。

 身内を褒めるのは何なのですが、なかなかの腕前だと思います。

 春名さんが来て、一緒に食べてもらえたら、母もとても喜ぶのではないでしょうか。


 

 「──って、いきなりお食事お呼ばれっ?」

 「もちろんきちんと前もって話をしておきますよ?」

 「で、でも、緊張するっ」

 

 

 だってあたしあんまりキレイに食べられないし、と慌てる春名さん。

 十分キレイだと思うし、何よりおいしそうに食べてくれる姿が、作り手冥利というやつではないかと思います。

 そう伝えると、一瞬考え込む表情をして、口を開きました。

 

 「女の子、連れて行ったこと──ある?」

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