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STAND BY YOU!  作者: ぬこ@nuko_nuko


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12/26

春臣:もっと春名さんを見ていたいし、知りたいです。


 「浴衣、うれしい……ありがとう」

 「いえいえ」


 

 春名さんは、浴衣の入った袋をしっかりと握って、嬉しそうな笑顔です。

 エレベーターを待っている間や、人が沢山居るので立ち止まってしまう時などに、春名さんの目線が手元の袋に行きます。

 その度に、にっこり笑うのが、とても可愛らしいです。

 こんなに喜んでもらえて、僕も嬉しいです。

 

 

 「お昼何が食べたい?」

 「そうですね、春名さんは希望ありますか?」

 「パスタがいいな、クリーム系が食べたい」

 「では、そうしましょう」

 「うん! それはあたしがおごるからねっ?」

 

 

 でも、と言おうとすると、ね? ともう一度首を傾げて僕を見上げる春名さん。

 

 ──キラキラと目を輝かせている様子が可愛らしくて、思わず頭を撫でてしまいました。

 

 一瞬軽く口が開いて、それからほっぺたを膨らませます。

 顔が少し赤くて、それを隠すようにふいっとそっぽを向かれてしまいました。


 

 「お店、あそこねっ!」

 「はい、向かいましょう」

 「すぐよっ、すぐっ!」

 「了解しました」


 

 カツ、カツと杖をつきながら春名さんが足を速めます。

 その度に春名さんのバッグがゆらゆら揺れて、小さな背中にぶつかるのが見えました。

 浴衣の入った袋を手に持っているので、若干不便そうです。

 声をかけようとした所で、くるっと春名さんが振り返りました。


 

 「──春臣っ」

 「はい」

 「疲れたっ!」

 「バッグ、持ちますよ」

 「……ありがと」


 

 手渡してくれるのを受け取ります。

 それでも、浴衣が入った袋はしっかり持ったままの春名さん。

 喜んでくれているんだなと思うと、とても嬉しいです。


 

 丁度店の前についたので、中に入ります。

 冷房が効きすぎていることも無く、程好い温度に安心しました。

 

 ウェイトレスさんが持って来てくれたメニューを二人で眺めて、それぞれ注文を済ませます。

 ランチには少し遅い時間のせいか、店内にはそれ程人は居ませんでした。


 

 「今日はずっと天気いいのかな?」


 

 一瞬、何かを考えたような顔をして春名さんが僕に尋ねます。

 今日の天気予報は、確か一日晴れだったはずなので、そう答えると、安心したような顔をする春名さん。

 

 とはいえ、少しだけ何か気になっているみたいです。

 キーワードは、今日の天気、晴れだと安心、ですね。

 考えてみて思い浮かぶのは──浴衣、でしょうか。


 となると、買ったばかりの浴衣を、一度水洗いして乾かす時間ではないかと思います。

 少しだけ残念ですが、早めに引き上げた方がいいかもしれません。


 

 「今日は早めに戻りましょうか?」

 「──なんでっ!?」


 

 言葉を間違えてしまったようです。

 春名さんがびっくりした顔で僕を見ました。

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