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STAND BY YOU!  作者: ぬこ@nuko_nuko


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10/26

春名:かっこいいし、優しい。でも、だから。



 「だって──」

 

 

 春臣と初めて会った時、かっこいい、って思ったもん。

 

 少しだけ困ったような、だけど優しい目だった。

 付き合うようになってからも、春臣の目はいつだって優しいし、笑顔だってそう。

 

 

 「何でしょう?」


 

 でも、かっこいいと思った、なんて言えない。

 

 嘘じゃない、でも、恥ずかしい。

 かっこいいなって思っただけで顔が赤くなってくるのがわかる。

 

 あたし、春臣のことを怖いなんて思ったことないし、目つきが悪いって思ったことだってない。

 

 じっと見られると、ドキドキする。

 でも、困っているときは、安心させてくれる。

 かっこよくて、優しくて──って、やだ、考えてたらもう顔が熱い。



 

 「……何でもないよっ! そろそろ二十分になっちゃうから行こっ!」

 「そうですね、店員さんには二十分ほどで戻ると伝えましたから」


 

 だから、慌ててアイスティーを飲み干す。



 「どの浴衣にするか、決まりましたか?」

 「うん! 金魚の柄のにする」



 どの浴衣も可愛くて、すごく迷う。

 でも、春臣の浴衣は、藍色だって言ってた。

 

 金魚の柄のやつは、生地の色が藍色。

 

 あたし、金魚柄は好きだし、藍色も好き。

 それに、──春臣と同じ色の浴衣、着たい。


 初めての、花火大会。

 初めて一緒に、浴衣で……デート。

 

 そう思ったら、また顔が熱くなる。


 さっき、春臣と手を重ねたとき、すごく大きかった。

 ケガをしたとき、軽々とあたしのことを抱き上げてくれた。

 電車の中で怖かったときも、あたしのことを守ってくれた。


 春臣は、いつだってかっこいいし、優しい。

 それに、落ち着いてる。


 ……でも。

 ううん、だから。


 あたしばっかり赤くなってる顔とか、余裕がないところとか、見られたら恥ずかしい。

 だから、春臣に顔を見られないよう、急いで歩く。


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