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STAND BY YOU!  作者: ぬこ@nuko_nuko


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1/11

春名:春臣と、手をつなげたらいいな



「出かけてくる」

「pinkydreamに?」

「ちがうっ!」

「予約した方がいいわよ、あそこ人気なんだから」

「行かないもん!」

「別に隠さなくてもいいのに、リッチないい時間が過ごせるわよー?」

「春臣と浴衣を見に行くの!」

「あら、デートなのね?」

「わ、わるいっ!?」



 準備を整えて、家から出ようとしたらお姉ちゃんが声をかけてきた。

 pinkydreamっていうのは、──って、それどころじゃない、もう行かなくちゃっ!

 

 

「はいはい、いってらっしゃーい」

「いってきますっ!」


 

 にやにや笑うお姉ちゃんにそう言うと、急いでドアを閉める。

 

 今日は、春臣と浴衣を買いに行く。


 ──あれから三日。

 じんじんする足と手の腫れは引いたけど、動かすとまだ、痛い。

 歩くのはちょっと大変だし、杖を手放せないから色々不便はある。

 

 でも、その間春臣と会ってないし、……やっぱり会いたい。


 本当はお見舞いに来てくれるはずだったんだけど、やめてもらった。

 だって、電話でそんな話してたら、いつの間にかお姉ちゃんが部屋に入ってくるんだもん。

 しかも、また変な本とか変な下着とか置いていくし。

 こんなんじゃ、春臣が来たとき、何をされるかわからない。

 

 だから、今日も家まで迎えに行くって言ってくれたけど、少しだけ家から離れた所で待ち合わせにしてもらった。


 

 「明後日は、杖無くても平気かな」

 


 明後日は、ずっと行きたかった花火大会。

 今日はそのときに着ていく浴衣を買う。

 

 花火大会は人もたくさんいるし、はぐれちゃうかもしれない。

 それに、暗いからきっと、周りからは見えない。

 だから──できたら、春臣と、……手をつなぎたい。



 「ん、まだちょっと痛いけど、明後日には平気、かな?」


 

 試しに杖に頼らないで足をついてみると、じわっと痛い。

 でも、一昨日に比べたらかなり楽だし、この様子なら明後日にはなんとかなりそう。


 

 今度はちゃんと杖をつきながら歩いて、角を曲がる。

 

 ここからもう少しだけ歩いて、次の角を曲がれば春臣との待ち合わせ場所。

 家を出る前に時計を見たら待ち合わせまで十五分しかなかった。

 

 春臣はいつも早く来てくれるから、もしかしたらもう来てるかもしれない。

 走れたらいいんだけど……でも、少しくらい早歩きはできるよね?


 

 「よい、しょ」

 


 杖をぐっと握って、体重をかける。

 転ばないように足元を良く見て一歩、二歩、三歩。

 意外とこの辺砂利が多いから、気をつけないと──って。


 

 「春臣?」

 「はい、おはようございます春名さん」

 

 

 視界に入ったのは、春臣。

 いつもの笑顔であたしの名前を呼ぶと、すぐ隣に来てくれた。

 

 

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