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新世界の創世者は、魔王ではなく?  作者: ニャンコ
第一章 本能寺の変
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第二話 魔王、隠居す          其の一『魔王の告白(前)』

ようやく第二話です。

いよいよ妄想モードが加速していきます。

キャライメージが伝わってたらいいなあ。

自分で書いたモノって、客観視するの

ムズいですねー。もっと上手くなりたーい

 織田信長の活躍したころ、海を渡ってきた奇怪な妖術者の群れが『ギヤ○の鐘』を求めて各地を襲撃した。世界制覇を狙うマン○党の仕業である。強烈なエネルギーの製法を秘めたギヤ○の鐘三つ。日本の平和を願う信長は、マン○党の野望を粉砕すべく、飛騨の国から○○の忍者を呼んだ。その名は……『○○参上!!』


 ――と、なにやら名調子が聞こえてきたような、ないような……。

 だが真実はもっと冷たい。

もっと現実的で、もっと血の匂いがする。


 天下は、笑い話ではない。

           夢物語でもない。

 それは、地獄だ。


 そしてその地獄の中心で、

“第六天魔王”織田信長は、

        燃え落ちるはずだった。

 ――本能寺にて。


 ◆地底の静寂


 地の底に広がる空間は、

         あまりにも広かった。

 人の声も、足音も、

すべてが吸い込まれていくような静けさ。


 岩肌は滑らかに削られ、ところどころに設けられた溝が水路となっている。

 水は音もなく流れ、地底に不似合いな淡い光を反射していた。


 松明でも行灯でもない。

 炎の揺らぎとも違う、白い光。


 光源が見えないのに闇がない――

   その異様さが、まず人の心を削る。

 その中心に、艦が三隻。

 関船に似た輪郭を持ちながら、

        決定的に異質な“何か”。

 蘭丸――森長定は、

        無意識に喉を鳴らした。

(……こんなもの、在っていいはずがない)

 武士の世界に、武士の理屈に。

 いや、戦国という時代に。


 坊丸――森長隆は、

     普段なら真っ先に茶化す男だ。

 だが今は違った。

 その目は鋭い。騒がず、慌てず、

     ただ眼前の“力”を測っている。


 豪傑の顔。


 そして目上に対する礼を欠かさぬまま、

    坊丸は静かに信長へ向き直った。


「……お館様。恐れながら

    ――ここは、いったい……」


 信長は答えない。

 白装束のまま、乱れの少ない佇まい。


 本能寺の炎を潜り抜けてきたというのに、その気配は揺らがない。

 眼光は鋭く、どこか遠くを見ている。


 ――魔王。


 だがその魔王は、

 艦すら“当然”のように受け入れていた。


  蘭丸は、その点に背筋が冷たくなる。

(信長様は……知っていたのか?)


 少なくとも、

“脱出の手立てがある”ことは知っていた。

 だが、この艦を――この場所を、

      どこまで把握していたのか

そして。

 この場で最も落ち着いているのは、

          信長ではなかった。

 力丸――森長氏。


 少年の姿をしていながら、

    背に宿る空気は古強者ふるつわもののそれだ。

 深紅の差し色が地底の光に沈み、

        表情は淡々としている。

 まるで本能寺の炎も、死線も、

     歴史のうねりも――

     「些事」だと言わんばかりに。


 白髪の老人――錦之介が、静かに一歩引いて控える。

繁盛しない店の親爺おやじにしか見えぬ風体ふうていのまま

 だがその眼だけは違う。

 並の武芸者では見破れぬ忍び。

 謀を用いて討つ、千里眼の男。


 信長が彼を「半兵衛」と呼ぶ理由が、

    蘭丸には少し分かった気がした。

 頭の切れ方が、常人のそれではない。


 そして――つき。


彼女は端に座り、俯いたまま沈黙している。

 町娘のような装いだが、その所作には、どこか武家の気配が滲んでいた。

この場の異様さを前にしても、

            口を開かない。

 呼吸すら音を立てぬように、

          静かにそこにいる。


 ◆席へ――魔王の言葉を待つ者たち


 艦へ乗り込む前に、地底の一角に設けられた小広間へと移った。

 石を削って作ったような卓と座。

        簡素だが、無駄がない。

 まるで最初から、ここで話すことが決まっていたかのように。


 信長が座す。

 その横に錦之介。

 対面に蘭丸と坊丸。

 少し離れて力丸。

 つきは端で俯いたまま。


 誰も、軽口を叩ける空気ではない。


  坊丸が背筋を伸ばし、低い声で言う。

「……お館様。

 まずはご無事で何よりにございます」


 礼儀は完璧だった。

 だが、その奥に抑えきれぬ疑問がある。


    蘭丸は言葉を選ぶ余裕すらなく、

              ただ問う。

「信長様……本能寺は……」


    信長は淡く笑った。

「本能寺は燃えた。

   儂も燃えた。――それでよい」


その言い方は、あまりに割り切っていた。

 まるで

 「そういう手順だった」と言うように。


    蘭丸の胸に、

      言いようのない焦りが湧く。

「……よい、とは……?」


    信長は指先で卓を軽く叩いた。

       乾いた音が、地底に響く。

「儂は“死んだ”ことにせねばならぬ」


    坊丸が静かに頷く。

「……追手も、

     そのつもりで動いております」


 光秀勢は討ち漏らしを探している。

 だが、信長を討ち取ったと信じている。

 そこに悲愴感はない。

 ただ、残党狩りのような手つき。


 京の都は赤く染まり、燃える本能寺が

      時代の終わりを告げていた。

 ――いや、

 終わりと始まりを同時に暗喩していた。


    信長は言った。

「よいか。ここから先の話は――

          天下の話ではない」


 蘭丸は、息を止める。

 坊丸もまた、動かない。

 豪傑のように構えたまま、

        ただ主君の言葉を待つ。


  信長は、ゆっくりと全員を見渡した。

     特に蘭丸と坊丸、この二人を。

     そして、僅かに表情を緩める。

「驚くであろう。

 ……いや、驚かせてしまったな」


 蘭丸の喉が震える。


    信長は続けた。

「儂は天下を欲している、と。

       そう思っておる者は多い」


    坊丸が、低く問い返す。

「……違うのでございますか」


    信長は答える。

「違わぬ。だが――それは“手段”だ」


    蘭丸が眉を寄せる。

「手段……?」


   信長の眼が鋭くなる。魔王の眼だ。

「戦国の世は、

      修復不能なほど乱れておる」


 言い切る声。迷いがない。


 その一言で、

    蘭丸の胸の中の“希望”が軋んだ。

修復不能。つまり、放っておけば滅びる。


    信長は続ける。

「猶予は無い。

    この国は、外から狙われておる」


    蘭丸は思わず口にした。

「……外、とは……」


    信長は短く言う。

「海の向こうだ」


    坊丸が言葉を継ぐ。

「……みん。 あるいは南蛮の国々……」


    信長は頷く。

「そうだ。奴らは土地を奪い、

        民を奪い、信仰を奪う」

 その口調は、脅しではない。

         現実を告げる口調だ。


    蘭丸の背中に冷汗が流れる。

(信長様は…なぜ、そこまで確信している)


    信長はさらに言った。

「儂が魔王と呼ばれようと構わぬ。

      旧きものを焼こうと構わぬ」

    白装束の袖が、僅かに揺れる。

「儂が優しければ、この国は滅ぶ」


    坊丸が、唇を引き結んだ。

「……」


 豪傑の表情のまま、しかし目上への礼を崩さずに、ただ受け止めている。


    蘭丸は震える声で言った。

「信長様……では……天下統一は……」


    信長は、静かに頷いた。

「備えだ」

       たった二文字が重かった。

 天下統一は夢ではない。

 ただの野望でもない。

     ――防衛。

 この国を守るための、最短手順。


 蘭丸の中で、信長のこれまでの行いが

       一本の線で繋がり始める。

 恐ろしく、冷酷で、合理的な線。

 だが、そこに“守る意志”があることも

           分かってしまう。

   信長は言った。

「だから急いだ。

 天下を一つにせねばならぬ」


    そして、ふっと笑った。

「……だが、疲れた」


 その笑みは、魔王のそれではない。

 一瞬だけ、ただの男の顔だった。


 蘭丸の胸が締め付けられる。

 力丸は黙っている。

 錦之介も黙っている。

      ――二人は知っていた。

 最初から。


 蘭丸は、その事実に気づいてしまい、

         目を逸らしたくなる。


    信長は最後に、断言した。


「天下布武は、儂の夢では無い」


 


       つづく


そうそう、りっきゅんが

しれっと転移魔法使ってたんですけど

京で潜った抜け穴から、すっごく遠いところ

に、出てるんですよ。第二話を読んでいくと

なんとなく、わかってきますよー^ ^

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