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新世界の創世者は、魔王ではなく?  作者: ニャンコ
第二章 奥州平定
34/38

第六話 賤ヶ岳の戦い          其の四『Fallout』

忍者と魔法が融合した大活劇!

となる予定デス

頑張ってみるよー

やれるだけ

頑張ってみてよ

少しだけ

なんだかんだ言っても

単純に忍者アクションが好きなの

(//∇//)

◆略奪者たちの始末

まだ終わらない。


 屋根の上。

      トン

月叟が降りる。足音はほとんどない。

手には、同じ小太刀。


    月叟

「三人」


    クラ

「まだおる」


 遠くで悲鳴。月叟が息を吐く。


    月叟

「流石に、多いな」


クラは肩を回す。

      ゴキッ

    クラ

「せやな」


「さて」

    クラは小太刀を握る。

「暴れたるか」


    月叟

「証拠は」


    クラ

「残さへん」

    半笑いで


    月叟が笑う。

「忍びらしい」



◆別の通りで。


 羽柴兵が五人。

    羽柴兵

「逃げたぞ!」


子供を追っている。

子供が角を曲がる。

兵たちも曲がる。


その瞬間。

      ヒュン

屋根から縄。首に絡む。

      ギュッ

    羽柴兵

「ぐっ!」


 上から現れる忍び。

黒脛巾組。


足で兵の背を蹴る。左後ろ回し。

      ドン!

兵が倒れる。

もう一人。

刀を抜く。


その瞬間。地面の影が動く。

      ザッ

足払い。

   速いっ

兵が宙に浮く。

      ドサッ

喉元に小太刀。

      忍び

「寝てろ」

拳。

      ゴン!

兵の頭が揺れる。

兵は沈む。

 その拳には、特殊な手袋。

それもまた、力丸の術式。

 衝撃を増幅する。拳は痛めない。

この時は、骨を砕くためではない。

意識を奪うための打撃。

 忍びにとって、これは

        都合の良い武具だった。


 子供はもういない。

別の忍びが、先に連れ出していた。



路地。


 クラと月叟。

遠くに、暴徒の群れ。


    クラ

「……五人、か」


    月叟

「六人ですな」


    クラ

「多いな」

    クラは歩き出す。

     月叟も続く。


兵の一人が気付く。


    羽柴兵

「誰だ!」


    クラ

「通りすがりの、男前や」


    羽柴兵

「ふざけるな!」

    斬りかかる。

      ザッ

刀が振られる。クラは前に出る。

      キン!

刃を右拳で弾く。

そのまま、右肘。

      ゴッ

兵の顔が歪む。

回転。裏拳。

      ドン!

兵が吹き飛ぶ。

    クラ

「一つ」

 月叟は一歩。小太刀が走る。

      スッ

甲冑の隙間。脇。

刃が滑り込む。

    羽柴兵

「……あ」

    崩れる。

    月叟

「二つ」


    三人で一斉にクラに斬りかかる。

「おのれっ」


 刃よりも速いクラの前蹴り

      シュッ

一人吹き飛ぶ。

      と同時に小太刀一閃。

真ん中の兵士の右脇から、顔面を切り裂く

     シュバッ


    クラ

「三つ」

 

 切り上げた小太刀、

返す刀で右側の兵を袈裟斬り

      ジュバァッ


    クラ

「四つ」


    月叟

「五つ」


 クラが蹴り飛ばした兵の喉元に

    月叟の苦無が突き刺さっていた。


 最後の一人。

     恐怖で叫ぶ。

    羽柴兵

「ば、化け物!」

    逃げる。

三歩。

四歩。

その瞬間。

      ヒュン

屋根から苦無。

      トッ

背中に刺さる。

      兵は前のめりに倒れた。

屋根の上に忍び。

 黒脛巾組。

    弥七

「六つ」


「かな」

    ニヤリと笑う。



 夜が深くなる。

北ノ庄城下町。火はまだ燃えている。

 だが

少しずつ、悲鳴は減っていた。

闇の中で

影が動く。


 小太刀。苦無。拳。

音もなく、暴力だけが消えていく。

誰にも見えないまま。


 黒脛巾組は、町を通り過ぎていった。


 北ノ庄城下町の夜。

火の粉が空を流れている。

 だが

先ほどまでの狂騒は、もうない。

暴徒は散り、兵も疲れ

町は、奇妙な静けさに包まれていた。

 路地。

瓦礫の影から、ひとりの忍びが現れる。

 黒脛巾組。

続いて、また一人。

さらに一人。

 やがて、数人の影が集まる。

クラ。月叟。弥七。

そして数名の忍び。

    クラが辺りを見回す。

「……しまいやな」


    月叟が頷く。

「城下は落ち着きました」


    弥七が言う。

「大きな火も、もう広がらんでしょう」


 クラは空を見る。

北ノ庄城が、まだ燃えている。

 その炎の下で、影が近づいてきた。

赤い仮面の男。


赤仮面。

     力丸だった。

 だが、様子が違う。

歩みが遅い。

 そして、顔色が悪い。

仮面の奥でも、それが分かるほどに。

 ナギが異変に気付いた。


    ナギ

(力丸……)

 赤仮面が止まる。ナギが近づく。


    ナギ

「どうした」


「顔色」


 赤仮面は、しばらく何も言わない。


 クラが、腕を組む。

    クラ

「また何かしたんか」


 赤仮面が、小さく息を吐いた。


    赤仮面

「……はい」


    ナギが眉を上げる。

「はい、って」


    クラが言う。

「言うてみ」


      暫く沈黙。


 やがて、赤仮面が言う。


    赤仮面

「影武者です」


    クラ

「影武者?」


    赤仮面

「討たれた影武者を、回収していました」


 一瞬、場が止まる。


    弥七が言う。僅かに表情が歪む。

「……回収?」


 赤仮面は、静かに続ける。


「影武者の甲冑には」


「致命傷を避ける付与を」


「さらに」


「仮死状態になる設置魔法を」


    月叟が目を細める。

「……仮死」


    赤仮面

「はい」


「討たれても、死なないように」


 一同は、驚きを隠せない。この男、

どれ程まで力を持っているのか!


    クラが、深く息を吐く。

「お前なあ……」


 赤仮面は、黙っている。項垂うなだれたまま。


    クラ

「お前、それ」


「完全に独断やろ」


    赤仮面

「はい」


    クラ

「忍びに…影武者に、」


「そんな甘い事する奴おるか」


      沈黙。


 やがて、

    クラがため息混じりに言う。

「……アホやな」


    ナギが笑う。

「本当に」


 月叟も、小さく笑う。


    クラが肩をすくめる。

「けど。お前らしいわ」


 赤仮面は、黙ったまま。


 だが、

    ナギが気付く。

「……では、なぜ」


「なんでそんな顔をしている」


 赤仮面は、しばらく動かない。

やがて、ゆっくりと話しだす。


「最後の影武者を、回収に行きました」


炎が揺れる。


「……違いました」


    クラ

「何がや」


    赤仮面

「死んでいました」


空気が変わる。


    ナギ

「……嘘」

    驚きを隠せない。

 力丸が、独断でやって手抜かりなど

それは、ありえない。


    赤仮面

「私も、そう思いました」


 その声は、わずかに震えていた。


 そして、赤仮面が話す。

      回想。


 北ノ庄城内。焼けた石。倒れた兵。

そして、一人の男。

 甲冑を脱いだ、勝家の影武者。

腹には、深い十文字。

 その側で、女が倒れている。


 赤仮面が、しゃがむ。手を当てる。

動かない。

もう一度。確かめる。

それでも

    動かない。


    赤仮面の声。

「……なぜ」


 男の腹を見る。深い。十文字の切腹。

だが、それ以上に

 赤仮面は、ある事に気付く。

甲冑。付与術式の甲冑が無い。

    赤仮面の声。

「……脱いだ」

      沈黙。

 赤仮面が、ゆっくりと

          女の手を見る。

そこに、短刀が落ちている。

 赤仮面は、それを拾う。

刃に触れる。

微かな、残留思念が感じとれる。

 赤仮面は目を閉じる

赤仮面の指が、短刀の刃に触れる。

微かに残る、残留思念。

 赤仮面は、目を閉じたまま。

         読み取っていく。



 ゆらめく炎。

北ノ庄城の奥。影武者の男が立っている。

柴田勝家の甲冑。

 だが、

男はゆっくりと、それを脱ぎ始めていた。

兜。

籠手。

胴。

 次々に外され、地面に置かれる。

付与された装備。

 力丸の術式が刻まれた甲冑。

斬られても致命傷にはならず。

必殺の手応えを、斬る者に感じさせる。

その際、仮死状態に入る。条件付発動魔法。


 それを、男は迷いなく脱ぎ捨てた。

その背中に、声がかかる。


「……何をしている」

    女。

お市の影武者だった。

 女は、甲冑を見てすぐに理解した。


「死ぬ気か」


    男は振り向く。少し笑う。

「よく分かるな」


    女は、眉をひそめる。

「答えよ」


「なぜ脱ぐ」


「なんのつもりか」

    必死さがある。


 男は、少しだけ空を見た。

遠くに燃えている景色。

    男が言う。

「戦は、終わった後が荒れる」


 女は黙って聞く。怒っているのか。


    男

「勝家様も、お市様も」


「死んだと思わせる」


「そこまでは策通り」


    男は、静かに続ける。

「けどな、それだけでは足りぬ」


    女が低く言う。

「……何をする気だ」


 男は、落ちている刀を拾う。

ゆっくり

鞘を払う。

      刃が炎に光る。

「勝家の切腹を見せる」


「一切の疑問の残らぬ切腹を」


    女の目が見開く。

「……馬鹿を言うな」


 男は、静かに笑う。


「武士はな。最期を見て終わる」


「最期でもって、語る」

      炎が揺れる。


「柴田の兵は、それを見て最後まで戦う」


「羽柴の兵は、それを見て武士を知る」


「暴れん」 

    微笑みを向けた。

     強がって見せた。

      覚悟を伝えた。


    女は、男を睨む。

「お前、死ぬつもりか」


男は答えない。

代わりに、甲冑を足で押す。術式の甲冑。

 それは、完全に脱ぎ捨てられていた。


 女は理解する。

       この男はもう決めている。

    それでも

「……やめよ」


    男は、小さく首を振る。

「出来ぬな」


    女が言う。

「忍びは、生きて帰るものだ」


「忍びは、死に様で語るのか」


「忍びは……」


    男は笑う。

「今日は、武士の真似事をな」

      沈黙。


 炎が、二人の間で揺れる。

女は、ゆっくり言う。


「……なぜ」


「なぜ、そこまでする」


 男は、少し考える。

それから、肩をすくめる。

何も言わない。何も言えない。恐らくは、

 言葉に出来ない、この男の衝動。

それらしいことを、言ってみるか。


「まあ、影武者はな」


「死ぬものだろう。名前も残らんし」


「最後くらい役に立ちたい」


「いくらかは、無駄死にが減るだろ」


 女は黙る。その顔は暗い。

やがて、男が言う。


「行け、お前には仕事がある」


 女は動かない。男は振り返らない。

ただ、言う。


「……見るなよ」


「これは、勝家の死」


「お前に見せるモノじゃない」


 女は、少しだけ俯いた。

その目が、揺れている。

 だが、男は気付かない。

    女が、小さく言う。

「……わかった」


 男は、振り向かない。

 女は、その背中を見る。

ほんの一瞬だけ。決死の覚悟の背中を。

 そして、小さく呟く。


「ならば、せめて」


 男は、その言葉を聞いていない。

もう、歩き出している。

 女は、小さく笑った。


「……遅いな」


その目に涙が浮かぶ。

 女は短刀を握る。

そして静かに呟く。


「想いも……告げておらぬのに」


      炎が揺れる。

 女は、顔を上げた。

    その目は、覚悟の目。

「……ならば、最後まで影でいます」

              決死の。



 そして、あの場面



勝家は、自らの腹に刀を突き立てた。


    羽柴兵

「な……!」

    兵が凍りつく。


    勝家(影武者)が叫ぶ

くと見よ、これが勝家の切腹じゃ

         武士もののふならば後学とせい」

    十文字腹。


 彼は、死ぬ命は請けていない。

彼の意志が意地が、

    優しさが多くの犠牲者を

      少しでも救おうと決死の想い

 一心にそれだけを



この凄絶な光景に、誰も、何も出来ない。

 当然である。

切腹。しかも十文字に腹を掻っ捌く。

 後世に遺る凄絶な死に様である。


 ただその時、女が駆け寄る。泣き叫ぶ。


「あなた様……!」


 それは、心の中からの叫び

今生こんじょうでは、遂げることのない想い。

    全身全霊を持って叫んでいる。

(お慕い申しております)

    

 そして

その女も短刀を抜き

     自らの胸に突き立てた。


 想いを遂げる最期の術。


 偽物の勝家、偽物の市。

ただ、このくのいちの想いだけは、本物であった。



 赤仮面の目が、ゆっくり開いた。



回想が終わる。



    赤仮面が静かに言う。

「私が視たのは、ここまで」


      沈黙。


 炎の音だけ。

    クラが空を見る。

「なるほどな」


    ナギが重い口を開く。

「……それで」


「暴動は小さく済んだ」


    月叟が頷く。

「勝家の切腹を見せつけた」


「柴田勢の、あの士気」


    弥七が低く言う。

「疑いようがねえわな」


    クラが赤仮面を見る。

「お前の策やない」


    赤仮面

「……はい」


    クラ

「あいつの戦や」


    ナギが小さく笑う。

「ほんま、アホやな」

    忍びに泪はない。しかし


      少しの沈黙。


    クラが言う。

「……せやけど」

      炎が揺れる。

「ええ死に様や」


 誰も、否定しなかった。

その夜。

 北ノ庄の戦は、静かに終わった。


それが

      作戦の余波フォールアウト

 





 それから数日後。

羽柴陣営。

 羽柴秀吉が戦後処理をしている。


    家臣からの報告。

「上様に、ご報告申し上げる」


「柴田勝家殿、自刃にて討死」

「お市様、自刃にて討死」

「茶々姫、初姫、江姫、ともに無事保護」


「また、麻阿姫も無事保護」


    秀吉

「そうか、それは上々」


「と、言わねばならんの」


「利家殿にも、顔が立つ」

    満面の笑み、とはいかなかった。


    秀吉が、ぽつりと

「妙な戦であったな」


    家臣

「は?」


    秀吉

「勝家殿がな、何人もおった」


「夢でも見たかのようじゃ」


    家臣は笑う。

「混乱の中でございましょう」


    秀吉も笑う。

「そうじゃの」


「いや、夢といえば………」

    秀吉は、それ以上は話さなかった。


 そして

秀吉が城を見る。燃え尽きた北ノ庄。

    秀吉が静かに言う。

「だが……」


「見事な最期であった」

    誰のことかは言わない。



◆城下の裏路地。


 黒脛巾組。影武者たちが

      変装を解き

         静かに歩いて去る。

 誰も振り返らない。



 北ノ庄城は落城。

柴田勝家、お市の方自刃。

三姫は羽柴秀吉に保護された。


――歴史は、そう記している。



 遠くに去る忍びたち。

その裏にあった影を知る者は、いない。




      つづく



不覚であります。

自作で泪が止まりません。

もう素人の情けなさよ(;_;)


ここは、かなり時間がかかりました。

だってぇ

泪がでちゃう


さて、妄想タイムです。

名もない役ですが

柴田勝家の影武者

あの歴史に遺るアレです

あの人は、

あのオジサマの声で聴きたいのデス

平田広明さん。

あー妄想で死ねるっ

_:(´ཀ`」 ∠):


では、あの女性は?

もちろん、お市様の影武者

こちらも名もない役ですが

花守ゆみり さん。

ああっ

もう


とにかく、これは我ながら良く出来た

と自惚れたい話なのデス


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