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新世界の創世者は、魔王ではなく?  作者: ニャンコ
第二章 奥州平定
33/38

第六話 賤ヶ岳の戦い          其の三『Rogue Nation』

この話は、悲惨な話です

戦争の、戦の闇の部分を

少し、描いてみました。

気分が滅入ります。

 夜になる。

北ノ庄城は、炎に包まれていた。

 天を焦がす火。

煙。

崩れる櫓。


 そして

城下町。

 戦の終わりは、いつも同じだった。

兵が町へ流れ込む。


    羽柴兵

「酒はどこだ!」


    兵

「金を出せ!」


    町人

「やめてくれ!」


店が壊される。

戸が蹴破られる。

泣き声。

怒号。


 羽柴軍は勝った。

柴田軍は負けた。戦は終わったのだ。

 だが

勝った兵は、時に賊になる。

男は殺され、女は辱められ

年寄りも子供も容赦はない。

阿鼻叫喚。

この世の地獄。

略奪と凌辱。

 勝った側の権利。

      とばかりに、襲いかかる。


    兵の声がする

「向こうに女たちが逃げて行ったぞ」


    別の兵

「あっちの商家は、壊れてないぞ」


 わらわらと、暴徒たちが群がって行く


 その声の主は、黒脛巾組忍たち。

暴徒たちを誘導し、集めて鎮める。

被害を最小限に。



 その時。

町の路地で、刀が抜かれる。

 柴田兵だった。

敗残兵。傷だらけの男。


    男

「……ふざけるな」


    羽柴兵

「まだいたか」


    羽柴兵が笑う。

「落武者が」


男は刀を構える。


    男

「勝家様は」


    男

「最後まで武士だった」


「ならば、我らも同じだ」


 羽柴兵が襲う。

 男は斬る。

一人。二人。

 だが、すぐに槍が突き立つ。

男は崩れる。

 それでも、刀を握ったままだった。


 その姿を、羽柴兵たちは見る。

兵の一人が、吐き捨てる。


    兵

「……行くぞ」


    別の兵が言う。

「もう終わった戦だ」


 兵たちは、その場を離れる。

暴徒には、ならなかった者もいた。

 勝家の最期を、見ていた者たち。

あの最期の姿は。

    死して尚、民を守っているのだ。



 だが、すべての兵がそうではない。

町の別の場所。

悲鳴が上がる。


    兵

「女だ!」


女が逃げる。

兵が追う。


 その瞬間。闇が動く。刃が光る。

証拠は残さない。銃は使わない。

 忍者刀、いやナイフか。


一人。

 首が落ちる。


 尋常な切れ味では無い。

そして、閃光の如き技の冴え。


    兵

「な……」


 もう一人。喉が裂ける。

既に背後に居る。

 殆ど姿を捉えられない。

残った兵が振り向く。

 そこに立っていた男。


 見えた。

かに思えたその刹那、視界が落下していく

      ボトリ

 既に、落とされていた。


 クラ。

小太刀を振るう。血が落ちる。

 クラは、溜息ためいきをつく。


    クラ

「……しゃあないな」


 月叟が現れる。


    月叟

「ひどい有様ですな」


    クラ

「戦の後っちゅうんは、こんなもんや」

 クラは小太刀を拭う。


    クラ

「さて、暴れたろか」


    月叟

「よろしいので?」


    クラは、笑って

「証拠さえ」


「残さんかったら」

    いや、怒っていた

「ええ」


 月叟が笑う。


    月叟

「フッ…」


「忍びらしい理屈です」


    クラ

「うちら、忍びやし」


 二人は歩く。闇の中へ。



 その夜。

城下町では、奇妙なことが起きていた。

 暴れる兵。

だが、次の瞬間

消える。

路地に入る。   戻ってこない。


    兵

「どこ行った?」


    兵

「知らん」


 闇の中で音がする。

短い悲鳴。斬撃の音。

      チュィーン

 そして、静寂。



 屋根の上。忍びが見ている。

黒脛巾組。

一人が呟く。


    忍び

「うちの中隊長」


「本気や」


    別の忍びが言う。

「今日は、暴れて良い。か」


 忍びは、闇に消える。



 夜は深くなる。

北ノ庄の城下町。

火。

煙。

怒号。


 だが、それでも町は、

        完全には壊れていない。

 誰かが守っているからだ。


 影の中で。

その中心に二人の男がいた。

クラ。

月叟。


    クラが言う。

「……戦は終わりや」


    月叟

「ええ」


    クラ

「せやけどな」

    クラは町を見る。

「この後始末が」


「いっちゃん厄介なんや」


 遠くでまた、悲鳴が上がる。

クラは歩き出す。


    クラ

「行こか」


    月叟

「ええ」


 闇の中へ。二人は消えた。


 夜は、まだつづく

凌辱される、北ノ庄城下町。

火が揺れている。

         パチ……パチ……

燃える家屋。

崩れる梁。

     戦は終わった。


 だが

町はまだ終わっていない。



 路地。

羽柴兵が三人。酒瓶を持っている。

獲物を求める略奪者プレデターたち


    羽柴兵

「くそ……」


「戦に勝ったってのによお」


「大して旨みがねえなあ」

    獣、いやケダモノである


一人が笑う。


    羽柴兵

「町にゃ女がいる」


戸を蹴る。

      ドン!

中から女の悲鳴。


 その瞬間。

屋根の上。

     影が動く。

      サッ

小さな光。

      ヒュン

“何か”が飛ぶ。

      トッ

羽柴兵の喉元に刺さる。

 苦無くない


    兵の目が見開く。

「……っ」

    崩れる。

      ドサッ


 残り二人が振り向く。


   羽柴兵

「な、な、なんだ!?」


 言い終わる瞬間ときには、

その背後に

      スッ

     影が立っている。

 クラ。

手に握られているのは

短い刃。

小太刀。

 次の瞬間。

      ヒュッ

一閃。

  刃が、兵の首筋をなぞる。

浅い。だが

     骨まで達している。


    羽柴兵

「ぎ……」

    落ちる。

      ボトリっ

 もう一人が槍を構える。

    羽柴兵

「てめぇ!」

    突き。

      ビュッ

 穂先が走る。

クラは半歩だけ動く。

槍が衣の横をかすめる。

 クラの手が、槍の柄を掴む。

      ギュッ

引く、と同時に兵の体が前に出る。

 瞬間。

拳。

      ゴン!

兵の顎が跳ね上がる。

 そのまま

手刀。

      ゴッ

兵は崩れ落ちた。


 静かになる。

家の中。女が震えている。

 クラは振り向かない。

    クラ

「……もう大丈夫や」

女は声も出ない。

クラは小太刀を払う。

    シュッ

血が石に落ちる。



 黒脛巾組の装備は、 

        通常の忍びとは異なる。

腰にあるのは、短い刃。

小太刀。

   しかしそれは、ただの刃ではない。

力丸の術式が、付与されている。

鉄を通し

骨を断つ。

だが、重さは増えない。

忍びの動きも、奪わない。

 強化、軽量化、耐久力向上。

所謂いわゆる付与魔術。


 それが

黒脛巾組の武具だった。



 クラが、月叟が、

そして、黒脛巾組の忍び達が、

 いつしか、略奪者たちを一掃してゆく

敗者は、奪われる。それが戦の習い。

勝敗は兵家の常。しかし、民草は違う。

 何の為にそうするのか。

考えることもなく、そうしていた。

 クラが、月叟が、

そして、他の忍びたちも

 これは、作戦には無い。

そうすることが、己自身なのだ。

         そう言わんばかりに




      つづく



落ち込んでばかりはいられないので、

坊丸くんたちに、働いてもらいました。

 カッコイイ、アクションシーン!

ちゃんと伝わると良いなあ

(*^▽^*)

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