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新世界の創世者は、魔王ではなく?  作者: ニャンコ
第二章 奥州平定
29/38

第五話 奥州統一へ(ニ)        其の五『作戦会議』

凄まじい軍事力と情報網を併せ持つ

黒脛巾組。

一年足らずでここまで?

いえいえ、そんなハズありません

 地下の密議室。

重定の前に並ぶ忍びたち。


クラ

ナギ


 そして


第一中隊隊長 弥七

第二中隊隊長 守亮

第三中隊隊長 月叟

第四中隊甲小隊隊長 つき



    重定が発する

「出立は明日」


    珍しく弥七が反応する

「……早いな」


    守亮が説く

「奥州から越前まで、今から出立しても間に合うかどうか、というところでしょう」


    守亮

「馬でも十日は掛かりますね」


    クラは、もありなんの顔

「せやな」


    重定は云う

「馬ではない」


     静まり返る部屋。


    続けて重定の言葉は

「移動は、小次郎殿の助力を受ける」


    ナギが思考する

「……」


    そして静かにナギは問う

「どこまで」


    重定、微かな笑み

「あわら」


    守亮は、補足する

「越前ですか、だとすると」


    重定が間を埋める

「そこから先は徒歩」


    弥七、守亮を見ながら

「二日ってトコだな」


    重定が応える

「そうだ」


    半笑いのクラ

「奥州から越前まで」


    クラ真顔になり

「一日で飛ぶんか」


    重定は、微かな笑みのまま

「違う」


 忍びたちは黙る。

つきだけが微かに笑う。


    重定

「瞬く間に」


    つき

(そう、あの方なら)



◆作戦説明


 重定は地図を広げる。

越前。

北ノ庄城。


    重定が発する

「今回の任務。北ノ庄城潜入」


「お市様救出」


「可能ならば」


「柴田勝家殿も救出」


    ツッコむクラ

「可能ならば言うな」


    ナギ、冷静に話を続ける

「ですが」


「救出が悟られては終わりです」


    重定

「その通り」


「よって」


「勝家殿、お市様」


    重定の眼光が刺さる

「共に自刃したと」


「羽柴勢に思わせる」


    月叟

「……その手でいくか」


◆第一中隊の作戦内容


    重定が告げる

「第一中隊」


    弥七

「は」


    重定

「二個小隊を以て、城内潜伏」


    弥七は頷く。

「御意」


    重定、続けて告げる

「残り二個小隊は、城下潜伏」


    弥七、微かな笑み

「退路確保」


    重定

「その通り」


    弥七は問う

「誘導も担当する」


    重定、目力で訴える

「絶対に、救出を悟らせてはならぬ」


 最大にして、最重要であることは、

         言わずもがなである。


    弥七

「心得た」

    弥七も多くは云わぬ



◆第三中隊の作戦内容


    重定、続けて告げる

「第三中隊」


    月叟

「は」


    重定

「撹乱に一個小隊」


「勝家影武者」


    クラは、思わず漏らす

「……ほう」


    重定、続ける

「複数用意する」


    月叟

「羽柴を迷わせる、撹乱の肝ですな」


    重定、微かな笑み

「左様」


    重定、続けて告げる

「さらには、代わりの死体を準備」


    守亮の補足

「自刃と見せるか」


    重定の笑み

「その通り」


    ナギ

「お市様も」


    重定

「同じく」


    重定は告げる

「そして」


「別の一個小隊は、子供たちの誘導」


    クラは困惑する

「誘導?」


    重定が応える

「羽柴勢が、確保したように見せる」


    弥七、面倒な事を、と言いたげ

「……」


    守亮が補足する

「秀吉に手柄を残す」


    重定

「そうだ」


    月叟

「それは、

羽柴殿の気性を汲んで、と言うことで」


    ナギ

「子供たちは生かされる」


    重定

「その通り」


    クラ

「無駄に喧嘩売らんわな」


「羽柴殿もアホやないと」


    重定、続ける

「残り二個小隊は、城下に於いて

          各所で事故を演出」


    弥七、微かに笑う

「逃走支援か」


    重定

「左様」


    守亮

「念には念を、ですね」


◆第四中隊作戦内容


    重定は、表情を崩さず続ける

「第四中隊」


つきが顔を上げる。


    重定、続ける

「甲小隊」


    つき

「はい」


    重定の眼光が刺さる

「城内潜入、女中として」


「火中での任務となろう」


    ナギ、真顔

「お市様の側に」


    つき

「はい」  


    安堵の顔から真顔のナギ

「残りの小隊は、私が指揮しましょう」


    頷く重定

「つき、城内、城下、城外」


「離れるな」


    つき

「承知」


    重定は続ける

「残り三個小隊は、第三中隊と連携」


「撹乱」



◆クラの役割


    重定は云う

「クラ」


    クラ

「はいはい」


    重定

「総指揮を執れ」


    クラ

「やっぱりか」


    重定は、無表情

「各小隊長と連絡、必要に応じて動け」


    クラ、不敵に笑う

「遊撃やな」


    重定は、応える

「そうだ」


    ナギ

(この男が一番危険だ)


◆第二中隊の任務内容


    重定は真顔

「第二中隊」


    守亮

「は」


    重定

「米沢残留である」


    守亮は、思考する

「……」


    重定が説く

「拠点警護」


「さらに」


「情報統括」


    守亮

「全ての情報を」


    重定

「お前が束ねろ」


 守亮は静かに頷く。


    守亮は、守備の全権を任された

「承知」




 黒脛巾組が外へ出る時

残る者は、影の要石となる。

 守亮こそが、

その役に最も適した男であった。



    最後に重定が告げる

「参戦する者」


「全員」


「フル装備」


 フル装備とは、想定される全ての最悪を

覚悟せよ、との意味も含まれている。

 忍びたちが静かに立ち上がる。


    クラ、不敵に笑う

「明日か、早いな」


    重定

「明日だ、失敗はゆるされん」


    クラ

「ほな、北ノ庄」


「盗みに行こか」


    ナギ、微かに紅潮している

「盗むのは、人ですね」


    つき

「……」


(歴史の影)




 こうして

黒脛巾組は、中央の戦へと向かう。

 それは、歴史に残らぬ、残してはならぬ

影の参戦であった。


 密議が終わる。


    重定

「以上」


 忍びたちが静かに頷く。

クラが腕を組む。


    クラ

「ほな」


「明日、越前か」



◆翌朝


 既に出立の準備は整っている。


    守亮

「奥州から越前まで十日」


「馬でもそれほどは掛かりますが」


    月叟も微かに紅潮している

「だが」


「重定殿は、 

  小次郎殿の助力を得ると申された」


「その意味は」


 その時。

    クラがふと顔を上げる。

「……」


    ナギがクラの異変に気づく

「クラ?」


    クラは、察した

「気配が増えた」


    弥七

「敵か」


    クラ

「ちゃうなあ」


「もっと変な感じや」


      沈黙。


 次の瞬間。

背後からの声。


「呼んだか」


 全員が振り向く。

そこに立っていたのは、忍び装束の男。


 そして、目の部分だけ穴の開いた

赤い鉢巻。


    クラ、呆れ顔

「……」


    クラは、思わず

「なんやそれ」


    ナギ

(言わないであげて)



「拙者は飛騨の忍び」


「赤仮面」


    イラッとしたクラ

「嘘つけ」


    困り顔のナギ

「そこは、流そう」


    赤仮面は怯まない

「飛騨の忍者、赤仮面参上」


    つき

(力丸さま…)


 月叟は腕を組む。少し考えて

    乗ることにした月叟

「……飛騨忍者殿」


    月叟、やっぱりツッコむ

「この装束、そしてその鉢巻」


「何か意味があるのでしょうか」


    赤仮面は胸を張る。

「大事なことなのだ」


    クラ

「はいはい」


 重定は、開いた口を閉じた

    そして、重定は口を開いた

「準備は出来ている」


    赤仮面は、嬉しそうに頷く。

「いいな」


    クラは、慌てた

「ツッコまへんの?このままいくん?」


    ナギは、冷静だ

「重定殿は」


「最初から理解されておる」


    月叟は、空気を読んだ

「この御方が」


「常識の外にある存在であることを」


「ということで」


    赤仮面が両手を打つ。

「では」


「参りましょう」


    忍びたちを見渡す、赤仮面

「越前へ、我が秘術で」


 薄々感じていた疑問を思い出した

    クラが言う

「秘術?」


    ナギは、少し考えている

「……」


(ここは、流そう)


    ナギは静かに言う。

「以前より噂には聞いておりました」


「空間を越える術」


    月叟は、真顔だった

「つまり、

   瞬時に移動するということですか」


    赤仮面は、にやりと笑う。

「その通り」


    そして、右手を掲げる。

「飛騨忍法」


      一瞬の沈黙。


「転移」


      空気が歪む。


    つきは、驚くが声にしない

(風?)


    ナギは、状況を読み取ろうとする

(風ではない、空間?折れている?)


    クラの表情が歪む

「くっ」


 やがて、足元の感覚が消える。

重力が抜ける。


 光。


そして、次の瞬間。


冷たい風。

雪の匂い。

忍びたちは立っていた。


見知らぬ町。

      遠くに山。

 そして

    湯気の上がる家々。


    弥七

「……」


「ここは」


    月叟

「越前、ですか」


    守亮

「芦原の地」


    ナギ

「ここは、北ノ庄城の北」


「約二日の距離かな」


    赤仮面は頷く

「その通り」


    クラの疑問

「……」


    クラの以前からの違和感

「ほんまに来た」

 

    クラ

(ほんまに、りっきゅんの力や)


    弥七

「奥州から」


    守亮

「一瞬で」


    月叟

「信じ難いですが」


    一同が思う

(あの方は、底が知れない)

(あいつは、底が知れない)


    クラは、ヤケクソ気味に

「お前」


「何者や」


    赤仮面は胸を張る。

「飛騨の忍者」


    ナギ、クラ揃って

「嘘つけ!」


    つきは、心で呟く

(やはり、この方は人ではない)


    赤仮面は町を指す。

「さて」


「ここから二日で北ノ庄城下へ向かう」


「城下についてからは」


「皆、草になってもらう」


    クラ

「忍びの本業やな」


    ナギ

「情報収集」


    月叟

「城下潜伏」


    弥七

「七日もあれば」


「城の呼吸が分かる」


 赤仮面は、しばらく町を見ていた。

そして静かに言う。


「道中の安全を、君に」

    なぜか敬礼している


 忍びたちが動き出す。

街道を行き、

町へ。

闇へ。

人の流れへ。




 こうして

黒脛巾組は、越前の地へ潜り込んだ。


 作戦決行まで、およそ十日。


 影は、静かに

歴史の裏へと入り込む。


 その背を

力丸は、黙って見送っていた。


 そして、米沢

見送った重定は、僅かに笑った。


 重定は、思う

(あれらは、忍びではない)


(兵でもない、あれは)


(災いだ)


(だが、味方ならば)


(これほど頼もしいものもない)




      つづく




あ、でましたね

仮面の忍者


ではなくて

赤仮面


この人、これがやりたかったんでしょうねー

自前の衣装まで作って

(^^;;

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