第四話 奥州統一へ(一) 其の五『愛しあってるかい!』
さあ、ついに米沢に参りました。
あの“独眼竜政宗”ですね。
若き日の謙さん、カッコ良いです。
いかりや長介さんも出てましたねー。
ドラマも出来る人だったんですね。
神山繁さん、渋いです。たまらんですなあ。
あーでも、これ、ワタクシの作品なので、
キャラ設定とか影響受けないように頑張ってみます
――時は同じ頃。
京の騒乱とは遠く離れた、北の地。
奥州・米沢。
織田家の炎が天下を焦がすその裏で、
伊達家の城下では、静かに、
しかし確実に未来が形作られつつあった。
そして、そこには「伊達政宗の弟」
として振る舞う、もう一人の少年がいた。
名を――伊達小次郎。
その正体が、
森長氏――力丸であることを、
知る者は誰一人としていない。
◆場面:伊達家中・中庭
米沢城の庭。
若武者たちの稽古の声が響き、
家臣たちが行き交う。
その一角、縁側で茶を飲みながら、
二人の若武者が激しく言い争っていた。
◆後藤信康 vs 原田宗時
(噛み合わない崇拝論争)
後藤信康(26)
豪放磊落、兄貴肌。
腕組みし、豪快に笑いながら怒鳴る。
原田宗時(17)
直情型、猛将タイプ。
年若いが声は無駄に大きい。
⸻
原田
「だからよ!若殿様は、
剣の冴えが段違いだって
言ってんだろうが!!」
後藤
「うつけが!若殿様の智略の深さが分からんのか!勝敗を決するは頭だと、既に理解しておられる!」
原田
「何言ってんだ、あの方は槍持たせても鬼神だぞ!?この前の演武見てねえのか!」
後藤
「たわけ!浅い!浅いわ!
そんなこと子供でも知っておるわ!
強いだけじゃない。強いのに驕らない、
若殿様の人格の話をしている!」
原田
「人格なら優しさだろ!城下の子どもに木刀くれてたの見たぞ!」
後藤
「だからそう言っている!」
原田
「何が“だから”だよ!俺の話を否定してんだろ!」
後藤
「否定などしていない!ただ、俺の言っている若殿様の方がより凄いというだけだ!」
原田
「俺の若殿様の方が凄いに決まってんだろ!!」
――完全に同じ内容を、違う方向から全力で褒め合っているだけだった。
縁側で茶を飲んでいた小次郎(力丸)は、無言で湯呑みを置く。
(……会話が成立していないのに、
双方満足している。
伊達家中、精神構造が戦国仕様すぎる……)
小次郎(力丸)は、この二人の“いつもの光景”をみて苦笑いしていた。
⸻
◆さらに小次郎論争へ
原田
「でよ!若殿様だけじゃねえ、小次郎様だって凄えんだ!」
後藤
「当然だ。若殿様の弟君なのだから、凡人なはずがない!」
原田
「剣の構え、
なんか変だけど強ぇんだよな!」
後藤
「そう!変なのに理に適っている。
つまり天才的だ!」
原田
「馬術も変だぞ!」
後藤
「だが速い!」
原田
「弓も変だ!」
後藤
「だが当たる!」
原田
「つまり変なのが凄いんだ!」
後藤
「違う、凄いから変なのだ!」
原田
「何言ってんだよ!!」
――再び同じことを別の言葉で罵倒し合う二人。
小次郎(力丸)は静かに額に手を当てる。
(私の技術は、この時代のモノではない、
つまり“異様に合理的だが異様に奇妙”。
評価は理解を超えた称賛になる……分かってはいるが、精神的に堪えるな)
◆喧嘩の仲裁
そこへ、白髪の老臣
――遠藤基信がゆっくり歩いてくる。
遠藤基信(50)
公明正大の人。良く話を聞く。
伊達家中での歴は浅めだが、忠義は厚い。
――
遠藤
「まあまあ、二人とも……
若殿様を褒めるのは結構だが、
城内で騒ぐものではないぞ」
原田
「でもこいつが、
若殿様の凄さを分かってねえから!」
後藤
「だまれ、シャバゾー。テメェのオツムの足りなさを教えてやってんだろーが」
遠藤
「はいはい……」
ここで遠藤、なぜか芸人じみた疲れ顔になる。
遠藤
「それで君たちは、結局何を争っているんだね?」
原田
「若殿様が凄いって話だ!」
後藤
「若殿様が凄いという点についてだ!」
遠藤
「……それは、争う必要があるのかね?」
沈黙。
◆謎の絡み
原田が、ふと遠藤を見る。
原田
「うるせえな!
アンタさ、どの役でも存在感あり過ぎて、なんか必要以上に裏がある人みたいに見えるんだよ」
後藤
「ホントは思ってないんですけど、
正直、出演作多すぎて代表作が分からないタイプですよね」
遠藤、困惑した笑み。
遠藤
「……それ、コウヤマさんのことだよね?」
誰も拾わない。
沈黙。風だけが吹く。
小次郎(力丸)
(なんだ今の会話は!
ネタは分かり易いが、例えてる人物が渋すぎるだろ!
……戦国日本、歪みすぎでは?)
⸻
――小次郎(力丸)
伊達小次郎としての生活は、すでに十年に及ぶ。
政宗との入れ替わりは、幾度となく行われ、もはや「家中の一部」になっている。
母・義姫と兄・政宗にだけは、
極力距離を置く。
彼らは鋭い。
気付く可能性は低いが、ゼロではない。
だが――それでも。
兄との文通は続いている。
手紙は政務の話、剣術の話、未来の話。
そこには、確かな兄弟の信頼があった。
◆力丸の思考
(兄はもう、俺を疑ってはいない。
それどころか、“弟想いの兄”になってしまった。
皮肉だな。
本物の小次郎なら、ここまで兄弟関係は改善しなかったかもしれない)
⸻
◆伊達家中への溶け込み
家臣たちは、小次郎を信頼している。
頼れる、柔和で、だが剣の腕もある若君。
その信頼が、やがて――
「悲劇の引き金になる」と、
力丸は理解している。
だからこそ、策はすでに用意している。
この信頼を、裏切らず、利用し、
守るための策を。
――小次郎(力丸)独白
(俺は“伊達小次郎”として生きている。
だが本当の
小次郎の未来を奪っているわけではない。
むしろ―
―この世界の未来を盗んでいる)
(そして、盗んだ未来は――必ず返す。
返し方は、まだ決めていないが)
つづく
岩下志麻さん。お綺麗な方で
あんなに綺麗なお母さんから、冷たくされちゃうなんて(T-T)
あ、はい、大河とは関係ないです。
その通りデス




