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新世界の創世者は、魔王ではなく?  作者: ニャンコ
第一章 本能寺の変
2/3

第一話 其の二『乱入、苅安』

苅安色は、坊丸の

ビジュアルイメージカラー

ですっ

・森長隆(坊丸)

一歳上の兄、森家四男。

かまってちゃん。淋しがりや。ムードメーカー。性格は次男タイプ。力丸にチョッカイをかけるのが趣味。情に脆い。熱血漢。頼られると断れない。小柄だが豪剣タイプ。中年になると渋い二枚目になりそう。


ってことで設定しましたっ

 ◆第六天魔王、舞う


 本能寺の広間。


 火柱が壁を舐め、

 天井から煤が雪のように降る中――

 織田信長は白装束のまま、

     泰然と立っていた。


 目は鋭く、まるで炎の方が頭を垂れるべきだと言わんばかりの威圧。

 この男の周囲だけ、焦燥が存在しない。


 信長は、ひとつ息を吐き――


「人間五十年――」


 舞う。


 燃える寺の中で、死を背にして、

  なお舞う。

 それは逃げでも抵抗でもない。


 “織田信長という生き物”が、

   最後に世界へ刻む署名だった。


    舞が終わり、信長は静かに笑う。

「……是非もなし」


 その一言に、

 森家三男――森長定(通称:蘭丸)     は、歯を食いしばった。


 若草色の装束は煤にまみれ、

           血の匂いもする。

 それでも姿勢は崩れない。


 涙はこぼさない。

 こぼす暇がない。


―主君の死に場所が決まったのなら―

 忠臣は、その場を守り切るだけだ。

蘭丸は刀を握り直し、信長の前に立つ。


「……っ」


 言葉が出ない。


 梁が軋む音がした。柱が崩れれば、

    二人まとめて押し潰される。

 それでも信長は動かない。

 まるで、何かを待っているように。


 ◆“あいつ”が来る気配


 そのとき――闇が、揺れた。

 火の粉が届かぬ奥の奥。

 そこから一人の少年が現れる。


 森家五男― ―森長氏(通称:力丸)


 深紅の気配を纏う男は、

燃える広間の中で異様なほど静かだった。

   恐怖も焦りもない。


 蘭丸の胸の奥に、嫌な予感が刺さる。

         (……何かある)


 信長は力丸を見て、驚きもせず、

          ただ目を細めた。 「来たか」


    力丸は頭を下げる。 

「……お待たせしました」


 この二人――示し合わせている。


 蘭丸は確信した。

  (まさか……最初から……?)


 だが問い質す時間はない。


 炎は待たない。

 崩落は待たない。


 そして――

    空気をぶち壊す奴も、待たない。

 

 ◆苅安色、乱入


「りっきまっるぅぅぅぅぅぅん!!!!」


 広間に、あり得ない声が響いた。


 戦場の叫びではない。

 死に際の断末魔でもない。

         ――“甘え声”だ。

 一瞬。


 信長も蘭丸も力丸も、同じ顔になる。


「……」


「……」


「……」


(何だ……今の)


 その沈黙を、さらに上書きするように


「りっきまっる〜〜〜♪」


 鼻歌まじりの声が追撃してきた。


     信長は口元だけ動かす。

「……寺が燃えておるのだが」


     蘭丸はこめかみを押さえた。

「……この状況で、何をしとるんや……」


 力丸だけが、無言だった。

いや、無言というより―

          ―“無視”に近い。

 そして次の瞬間、現れた。


 森家四男: 森長隆。

     通称――坊丸。


 苅安色の装束。小柄。

 だが動きは軽く、剣を持てば豪剣を振るう体幹が見て取れる。


 ――なのに。


 顔が、顔がうるさい。


 子犬のように目を輝かせ、

       口角が上がりっぱなしで、

 燃える本能寺を“お祭り会場”と勘違いしているレベルのテンションだった。


 坊丸は、広間の中心でピタリと止まり


「?」


 首を傾げた。


「……あれ?」


 そしてもう一度。


「?」


(お前が“?”やない!)


 蘭丸の心の中の叫びが、火の粉みたいに散った。


 坊丸はようやく

    空気の重さに気づいたのか、

 きょろきょろと周囲を見回し――


「……あ」


 力丸を見つけた瞬間、また顔が輝く。


「りっきまっるぅぅぅん!!」


 坊丸は突進した。止める暇がない。


 坊丸は力丸に抱きつき――

 そのまま頭をわしゃわしゃ撫で回した。


「よかったぁ〜〜!無事だったぁ〜〜!」


 力丸は一切抵抗しない。

 ただし、目が死んでいる。


   蘭丸は

   歯を食いしばりながら、低く言った

「坊丸……今は……!」

   坊丸は撫でながら振り返り、

「ん?」


 また“?”の顔。

 そして後ろにいる信長を見て、

          急に姿勢を正した。


「!!」


「お館様、こちらでしたか!!」


 急に忠臣ムーブ。

 急にキリッ。

 急に武士。

      ――が、遅い。


   蘭丸は耐えきれず、つい口が滑る。

「無理ぃ。

   今さら雰囲気出しても無理やん?」


   坊丸はショックを受けた顔で

「ええー……そぉお?」


 と、妙に可愛い声を出した。


   信長が、ぼそりと呟く。

「……内容が、ないよう」


   蘭丸が反射でツッコミかける。

「今それ――」


 ピタッ。


 自分がツッコみかけたことに気づき、

 蘭丸は一瞬だけ硬直してから、

 何事もなかったように咳払いをした。


「……失礼」


 信長は面白そうに笑った。


 坊丸は状況をようやく理解したのか、

 ふざけた顔から、すっと表情を落とす。

 理知的ではない。だが猪武者でもない。

 肝の据わった武士の顔。


    坊丸は力丸の

     頭から手を離し、短く言った。

「ここへ押し寄せてくるのに、

      さほど猶予はないようです」


     蘭丸は即座に返す。

「力丸好き過ぎ!」


     坊丸は真顔のまま、

「好きだが?」

       と返した。


 蘭丸の心が折れそうになる(T ^ T)

 

 ◆“抜け穴”という異常


     力丸が静かに口を開いた。

「抜け穴がございます」


     蘭丸は即答する。

「寺には無い」


    坊丸が、なぜか得意げに続ける。

「奈良には寺〜」


     蘭丸は半目になった。

「……今それ言う必要ある?」


 力丸は答えず、畳へ手を伸ばす。

 そして――畳を返した。

    そこに、闇が口を開けていた。

 隠し通路。抜け穴。


    蘭丸の口から、変な声が漏れる。

「……あるぅー!!」


   信長と坊丸が、面白がってハモる。

「あるぅー!」


     力丸は淡々と告げた。

「猶予はありません。信長様、こちらへ」


     蘭丸は力丸を睨む。

「……お前……何でこんなもん……」


 だが問う前に、

      坊丸がずいっと覗き込んだ。

「これ、ほんとに通れるの?」


     力丸は静かに頷く。

「確認済みです」


     坊丸は目を輝かせ、

「りっきゅん、段取り良すぎない?」

           と無邪気に言う。


 蘭丸は口元を引きつらせた。


(段取りってレベルちゃうぞ……)


    信長は、さも当然の顔で言った。

「行くぞ」


     坊丸が手を上げる。

「はーい!」


(返事軽っ!)


     蘭丸は頭痛を堪えながら、

        最後に信長へ向き直り、

「……御意」


 そうして四人は、

 燃える本能寺の床下へと消えていった。

 

 ◆引き


 畳が戻され、炎の音だけが残る。

          寺は燃え続ける。

 まるで“ここで終わり”だと、

       世界に思わせるために。

 だが――

       終わりではない。

 本当の物語は、ここから始まる。



      つづく


蘭丸くんの

ビジュアルイメージカラーは、

若草色ですっ


・森長定(蘭丸)

二歳上の兄、森家三男。

完璧主義者。礼儀正しい。

分析に長けている。次男とは歳が離れているので、性格は長男ぽい。父、母、兄達を非常に敬愛している。目上の者を引き立てることは至上である。超絶美形で小柄な為、異常な程女装が似合う。線は細いが、凄腕の剣士。

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