第二話 魔王、隠居す 其の四『光秀の処遇』
明智光秀という男
織田信長に仕えている間の話は
すこぶる良さそうですよね
謀反を計る人でしょうか?
力丸は、一歩前に出た。
「光秀殿の件は、すでに手配済みです」
淡々とした声音だったが、
その言葉は重かった。
蘭丸の喉が鳴り、
坊丸の指先がわずかに動く。
「謀反人としての名は、歴史に残る。
だが本人は――
別の名で、生き延びます」
坊丸は、短く息を吐いた。
それが逃亡ではなく、
役割の再配置であることを悟っている。
「ただ生かすわけではありません」
力丸は続ける。
「光秀殿には、
“天下泰平を為す側”に立っていただく。
戦を終わらせるための知恵を、
次の世へ流す役目です」
錦之介が、わずかに目を細めた。
「……名も身分も捨て、
思想だけを未来へ残す。まさしく、
盤上から姿を消した棋子、
というわけですな」
「左様です」
信長は、しばし黙していた。
そして、ゆっくりと頷く。
「……それで良い」
それは命令ではなく、願いだった。
光秀の本懐が、
戦ではなく泰平にあることを、
信長もまた知っていた。
「光秀は、儂の代わりに泰平を願え」
その言葉に、
蘭丸と坊丸は視線を落とした。
主君の夢を継ぐ者。
歴史の表から消え、
裏から世界を動かす者。
――そして自分たちは。
「歴史から消えた者として、
信長様の夢について行く」
蘭丸は、心の中でそう決めた。
坊丸もまた、黙して頷く。
力丸と錦之介は、すでに先を見ている。
光秀の道、信長の旅、
そして――この国の次の時代。
(この二人は、何を為そうとしている)
蘭丸は、
初めてその底知れなさに戦慄した。
信長は、顔を上げる。
「では――次は、儂の番だな」
魔王ではなく、旅人の声だった。
つづく
さあさあ、光秀の処遇はいかに?
「大体想像できる」
ですって?
まあまあ、それはそれとして、
そう、真面目な光秀くんは、
乱世の奸雄の元、懸命に働いてきました
そして天下統一が、いよいよ目前に
迫った時、
「あれ?なんか違くない?」
てな感じで、気がついちゃったデスね
現体制下では、天下泰平とはならず
と、
あまりにも禍根を残している
奸雄ではなく、英雄の出現を希んだ
そんな感じで描いてみました。
それを汲み取った者が、
本当にやりたかった仕事を
と、まあね。
妄想なんで、
イイカンジで
さて、次回どうなりますやら^ ^




