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新世界の創世者は、魔王ではなく?  作者: ニャンコ
第一章 本能寺の変
1/2

第一話 其の一『第六天魔王、炎上』

ニャンコです

ごくごく、ありふれた戦国モノ

っって感じデスね^^; スミマセン

パラレルワールドというか、

並行世界?違った世界線?

あっ正史と演義みたいな

わたしのタダの妄想ですよねェェ

ありがちな要素モリモリで

パロディ、オマージュ、ましましの物語

そんな感じになる予定です

 豊臣秀吉とよとみひでよしがまだ木下藤吉郎きのしたとうきちろうだったころ

琵琶湖びわこの南に、

あやしい宗教しゅうきょう流行はやっていた。

 それを信じない者はおそろしいたたりに見舞みまわれるという。その正体しょうたいは何か?

 藤吉郎は秘密ひみつさぐるため、飛騨ひだの国から○○の忍者にんじゃを呼んだ。

 その名は……『◯◯参上さんじょう!』

 ……と、そういう話を、

誰かが酒席で面白おかしく語っていた。

 だが、

これから語るのは、笑い話ではない。

      と、思う(^^;;


 その数年後。

都は、うわさではなく―

―本物のほのおに包まれた。

 

 ◆炎の都


 夜が赤い。京の夜空が、

   黒ではなく、真紅しんくに染まっている。

 星は見えない――

 月も見えない――

見えるのはただ、火の粉が舞い、煙が渦巻き、熱が大地をふるわせる光景だけだ。

寺が燃えている。いや、寺だけではない。

 周囲の屋根にも火が移り、

 風が炎をあおり、炎が風を呼ぶ。

燃えているのは建物ではなく―

―時代そのものではないか。

 そう錯覚するほどの熱と光が、

  夜を昼に変えていた。


 本能寺。

 京にある由緒ある寺院が、

今まさに業火の中に沈みつつあった。

 崩れる瓦    裂ける柱   

      火に追われる僧侶たち。

 斬り捨てられ、倒れ、

  踏み越えられる死体。


 そして――その中心に。

  白装束しろしょうぞくの男が立っていた。

 

 ◆第六天魔王、織田信長


 織田信長は、立っていた。


 火が迫っても、煙が巻いても、

  足元が崩れても、微動だにしない。

 それどころか、まるでこの地獄を

“眺めている”ような落ち着きがある。

 白装束はすすで汚れ、

  すそには血もにじんでいる。

 それでも、どこか清廉せいれんにすら見えた。

――信長という男がまとう空気が、

    布の汚れ程度では曇らないのだ。


 眼光がんこうするどい。

 燃え盛る炎を見ても、

その目は揺れない恐れぬ者の目ではない。

 恐れを支配する者の目である。


 人はこの男を、魔王と呼んだ。


 天下布武てんかふぶ

 武によって天下をべる。

 その言葉の通り、信長は常識も慣習も

叩き潰し、戦国の地図を塗り替え続けた。


 比叡山ひえいざん焼き討ち。

 長篠ながしのの鉄砲三段撃ち。

 楽市楽座らくいちらくざ

 誰もが不可能と思ったことを、

   あっさり“可能”にしてきた。


 信長は、燃える本能寺にいてなお、

 信長だった。


 ――だが。


 今夜だけは、状況が違う。

 敵は外ではない。 敵は、内にいた。


 明智光秀あけちみつひで

 信長が最も信じ、最も使い、

最も近くに置いた男が、謀反むほんを起こした。


「敵は本能寺にあり」


その号令ひとつで、京はひっくり返り、         天下はふるえた。

 そして今、

  魔王は炎のおりに閉じ込められている。


 天下を目前にしながら―

―命を狙われている。

 

 ◆忠臣ちゅうしん蘭丸らんまる


 信長の前に、

   一人の少年がひざをついていた。


 森家三男: 森長定もりながさだ

     通称――蘭丸。


 若草色の装束が、炎の赤に照らされ、

まるで初夏の草原が血にまったように

見える。

 その色は、若さの象徴しょうちょうでもあった。

 そして皮肉ひにくにも、この場で最も似つかわしくない色でもあった。


 顔立ちは、異様なほど整っている。

目鼻立ちが端正たんせいすぎて、

  戦場のどろ似合にあわない。

 だがその目だけは、武士の目だった。


 鋭い。     冷静。

そして何より―

―主君に向ける忠義ちゅうぎが、炎より熱い。


 蘭丸は信長の顔を見上げることなく、

しかし確かにその存在を背で守るようにしている。

 小柄こがら体躯たいくは細い。

  けれど、その背中は、

   今夜だけは大男より大きく見えた。


 信長が口を開く。

炎のどどろきの中でも、その声はよく通った。


「蘭丸は……おるか」


 まるで、

普段と変わらぬ呼びかけだった。

死の直前だというのに、声に乱れがない。


 蘭丸は静かに応える。

      「此処ここに」


 短い言葉。だが、その二文字に、

   蘭丸のすべてがまっていた。

 ――ここにいる。

 ――逃げない。

 ――最後まで、おともする。

           そう言っている。

 ◆信長の笑い


 信長は、蘭丸を見て――笑った。


「フッ……これが出来るやつが、

         おったとはのう……」


 その笑みは、余裕の笑みだ。

 死の恐怖きょうふ誤魔化ごまかみではない。

 最期さいご瞬間しゅんかんに、なお楽しめる者の笑み。


「クッ、ハッハッハッハッハッハ……!」


 炎に負けぬ豪胆ごうたんな笑い声が、

   本能寺の柱を震わせる。

 火の粉が舞い上がり、

 笑い声が煙を押し返すかのようだった。


 蘭丸はくちびるむ。

歯を食いしばり、声を殺し、涙をこらえる。

 それでも―

―堪えきれず、ひとすじ、ほほつたった。


「……」


 蘭丸は、顔をせたまま言う。

  礼儀れいぎ正しい口調くちょうくずさない。

 主君の前で取り乱すことだけは、

      どうしても出来ない。


「……早くから働いておれば、

         楽でしたな」


 悔しい。悔しくて、息が苦しい。

もっと早く、もっと強く、もっと――

そうしていれば、主君を炎の中に立たせずに済んだのではないか。


 だが信長は、

その言葉すら楽しむように目を細める。

―この男にとって、部下の悔恨かいこんさえ、

  舞台の一幕ひとまくなのかもしれない。

 

 ◆魔王の舞


 信長は、すっと立ち上がった。

白装束の袖が揺れる。

        熱風が髪をなびかせる。

 その瞬間だけ、

  炎の音が遠のいたように感じられた。


 信長が舞う――と、蘭丸はさとった。


 あまりにも有名な舞。戦国の世で生きる者なら、誰もが知っている。


 信長は口を開く。

    「人間五十年――」

 声が響く。

堂内の死者たちにさえ届くほど、

          んだ声。

「下天の内をくらぶれば、

           夢幻の如くなり」

 信長は舞い始めた。

 炎が舞う。信長が舞う。

火の粉が踊り、衣がひるがえり、影が床を走る。

 それは、死の舞ではない。

        生を燃やし尽くす舞だ。

――この男は、死ぬ瞬間にすら、

          己の生を誇示する。

 蘭丸は見つめる。

 瞬きも忘れて見つめる。

 涙がこぼれる。

 だが拭わない。拭えば視界が歪む。

 この最期を、

  目に焼き付けなければならない。

 信長が舞うたびに、

  思い出が脳裏をかすめる。


 召抱えられた日。

 弟たちと頭を下げた日。

 仕事を任され、認められた日。

 城持ちになれた日。

――この男に仕えた日々が、

          すべて輝いていた。

 そして信長は舞を終える。

   静かに息を吐き、笑みを浮かべる。


「……是非もなし」


 それは諦めではない。受容でもない。

  決定だった。

 この男は、最後まで“選んでいる”

 

 ◆崩落、そして


 背後で、重い音が鳴った。


「ドン……!」


 柱が崩れる。瓦が落ちる。

           熱が襲いかかる。

 蘭丸は反射的に刀を抜いた。

 守る。   守る。   守る。   ――それしかない。


 だが信長は動かない。笑みを崩さない。

 まるで、この崩落すら

     「演出」だと言わんばかりに。

 その時。

奥の闇から、ひとりの少年が現れた。

 火の粉が舞い、逆光で輪郭が沈む。

顔は影に隠れている。

 だが―

   ―目だけが、炎を映して光った。

 

 森家五男: 森長氏。

     通称――力丸。

 

 無言で立っている。

まるで、最初からそこにいたように。

 まるで、信長の舞が終わるのを待っていたかのように。

 蘭丸の目が一瞬見開かれる。

 信長も視線を向ける。

だが力丸は何も言わない。

  ただそこに立ち、

    静かに二人を見つめていた。


 その沈黙が、不気味だった。

いや――不気味というより、

  大いなる予感だった。


 本能寺の炎が、終わりではない。

  ここから先に、まだ“何か”がある。


 力丸の佇まいだけが、そう告げていた。 


        つづく


序盤としてはどうかなあ

退屈かなあ

ひとまずは、続きを読んでみるか!

と思ってくれたアナタ

スギヤマキヨタカ

じゃなく

おめがとらいぶ

いや、お目が高い

むふぅ

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