表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
8/44

もしかしたら




『るいちゃん!るいちゃんっ!やだよ!ねえ!ねえってば!』




 大きく揺さぶったらダメだ。

 瑠衣るいが死ぬ。


 周囲の誰かだったか。

 駆けつけた母親だったか。

 瑠衣の母親だったか。

 自分の母親だったか。


 とても、とても、

 恐ろしい声だった。

 恐ろしい言葉だった。


 とても鋭く大きく厚い剣に、身体の中心を軸に全身の端々まで貫かれたかのように。今現在ですら、否、未来永劫、貫き続けるように。

 痛みと熱と恐怖を与え続ける。




 本当は、もっと優しく言われていたのかもしれない。

 本当は、もっと違う言葉をかけられていたのかもしれない。

 本当は、誰にも何も、言われていなかったのかもしれない。

 錯乱した自分が、創り出した、幻聴。だったのかも、しれない。




 現実に在った事なのか。

 現実には無かった事なのか。

 関係ない。


 ずっと、ずっとずっと、自分を蝕み続ける。

 ずっと、ずっとずっと、自分を諫め続ける。


 もしかしたら、

 もしかしたら。


 自分が瑠衣を殺していたのかもしれない。











(2024.7.4)




評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ