モブからヒロイン、鈴木さん。
現実に価値を見出せず、アニメや漫画、ゲームにしか興味のない中学3年生。黒田 透(くろだ とおる)。
彼は、自分も含めた現実の人間を、モブとしか見ておらず、世の中の全てに諦めていた。
ある時、提出プリントの催促に来たクラス委員長が、やけに怒気をはらんでいる事に気づく。
関わらないように無言でプリントを出すと、彼女は黒田の両頬を掴み、無理矢理に目を合わせてこう言った。
「黒田君ってさ、何でそんなに、やる気ないの?」
彼女の真面目さを表す容姿が、頬に伝わる肌の温度と感触が、黒田の脳に焼き付けられた。
そして、クラス委員長という肩書に似合わぬ、ほんのり色づいた赤い唇。
肩書と言動、些細な違和感。
すると、彼女の後ろで冷やかすように口笛が鳴った。
クスクスと響くクラスの笑い声。
頬に残る彼女の感触。モブが個性を持ってしまった。
彼は、自分も含めた現実の人間を、モブとしか見ておらず、世の中の全てに諦めていた。
ある時、提出プリントの催促に来たクラス委員長が、やけに怒気をはらんでいる事に気づく。
関わらないように無言でプリントを出すと、彼女は黒田の両頬を掴み、無理矢理に目を合わせてこう言った。
「黒田君ってさ、何でそんなに、やる気ないの?」
彼女の真面目さを表す容姿が、頬に伝わる肌の温度と感触が、黒田の脳に焼き付けられた。
そして、クラス委員長という肩書に似合わぬ、ほんのり色づいた赤い唇。
肩書と言動、些細な違和感。
すると、彼女の後ろで冷やかすように口笛が鳴った。
クスクスと響くクラスの笑い声。
頬に残る彼女の感触。モブが個性を持ってしまった。
第一話 6月25日、火曜、黒田の1。
2024/07/28 14:19
第二話 一. 鈴木結 赤いリップクリーム
2024/07/28 20:43
第三話 警戒しつつも、いつもの日常。黒田の2
2024/07/29 17:35
第四話 二. 鈴木結 まばゆい光明
2024/07/30 17:25
第五話 情報過多な黒田 3。
2024/07/31 17:19
第六話 三. ゆい 糸口が、見つからなくて
2024/07/31 22:41
第七話 謝するなら、罪を感じて、黒田の4。
2024/08/01 17:04
第八話 四. 鈴木ゆい 温もりを、力に変えて
2024/08/02 16:11
第九話 早朝、黒田の5。ハナして知るべし
2024/08/05 17:43
第十話 五. 鈴木結 糸口を、手繰り寄せて
2024/08/09 17:12
第十一話 六. 鈴木結 明るい土曜日
2024/08/23 17:25
第十二話 普通の日曜、黒田の6。
2024/10/12 17:43
第十三話 七. 鈴木結 請い、願う……コイ
2024/10/27 17:05
第十四話 7. 黒田 かき乱れ、絞り出す、単語と、
2024/11/05 17:15